中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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登山事始め:久々の北アルプスを目指して:登山準備

2010年07月30日 17時16分16秒 | 趣味三昧:登山事始め
                    <百名山の参考書>

       登山事始め:久々の北アルプスを目指して
               登山準備

2010年7月30日(金)


■北アルプスのどこかへ行きたい

 昨日(7月29日)に続いて,今日も生憎の曇り空で,時々雨が落ちてくるが,何よりも有り難いのは涼しいことである.家の南北の窓を開けておくと,涼しい風が吹き抜けていく.扇風機の風と違って,自然の風は実に心地よい.
 私は涼しい風に当たりながら,明日から1泊2日の予定で出掛ける御嶽山登山の準備をほぼ終えた.
 登山,水彩画,パソコンと,やたらに費用が掛かる趣味を持っている私だが,今は年金暮らし.そう野放図に山へばかり行っては居られない.そんな訳で,普段は近場の丹沢塔ノ岳ばかり往復しているが,折角の夏場なので,日本アルプスのどこかへ出掛けようかと思い立つ.ただ,私もそれなりの高齢者なので,安全をキープするために,単独山行は避けたいなと思っている.
 もちろん,どこか同じ山に繰り返し登っても構わないが,できればこれまで登っていない山へ登りたい.私はこれまで南北アルプス,中央アルプス,八ヶ岳連峰の大所には既に登っている.
 そこで,数日前(7月17日)に,まだ登っていない御嶽山にでも行こうかと,急に思い立つ.
 私の手許に送られてきた登山専門旅行社や山旅スクールの案内を,ひっくり返して眺めていると,北アルプス総合案内所主催で,手頃な企画が見付かった.7月31日(土)~8月1日(日)の1泊2日の御嶽山登山である.
 そこで,すぐさまパソコンメールで,件(クダン)の旅行社に問い合わせた.旅行社からの返信で,まだ参加可能とのこと.早速,参加を検討することにする.
 「・・・待てよ.御嶽山は北アルプスに属するんだろうか・・?」
 「まあ,いいや・・・どこに属そうとも,登ってみたい山なことは確かなのだから・・」
  



■御嶽山の地図
 7月26日(月),まずは手許の資料で,御嶽山の概要を調べる.この資料を見ると,歩行距離,登攀高度など,どうやらこの私でも登れそうな山である.そこで,パソコンメールで,北アルプス総合案内所に参加申込をする.
 さらに,当日午後,藤沢駅前の有隣堂へ行って,昭文社のエリアマップ『御嶽山;小秀山・奥三界山』と,25000分の1地形図『御嶽山』と『御岳高原』の2枚を購入することにする.
 店頭にはエリアマップの在庫はあったが,地形図は2枚とも在庫していないとのことなので,有隣堂本店から取り寄せて貰うことにする.
 ここまで書くと,必ずといって良いほど「(地形図は)インターネットでダウンロードできるよ」というコメントを頂戴するが,それは私も先刻承知の助.でも,趣味として,ちゃんとした地形図を手に入れたい.
 

■エリアマップと地形図を入手する
 地形図は7月29日(木)に入手することが出来た.
 そこで,私は,一工夫して,『御嶽山』と『御岳高原』の2枚の地図を貼り合わせて,1枚の大きな地図にする.そして,鉛筆を使って,地震方位それぞれ約6°50′と7°10′に合わせて,磁北線を4センチメートル間隔で引く.ついでに磁北線に直行するように,こちらも4センチメートル間隔で線を引く.つまり,磁北線に沿って東西南北にマス目を引いたことになる.
 ついでながら,なぜ4センチメートル間隔かというと,25000分の1の縮尺だと4センチメートルが丁度1キロメートルになるからである.つまり,地図の上に1キロメートル間隔のマス目が引いてあることになる.このマス目は,地図を見たときに,およその距離を知るのにとても重宝する.
 もっと大切なことは,予め磁北線を引いておかないと,地図を正置することができない.正置できないと,山行中に現在地が分からなくなり,致命的な事故になる可能性もある.
 「ツアー登山に参加するんだから,何もそんなことしなくても良いじゃないか・・そんなことをしなくても良いから,高い参加費を払ったんじゃないか・・」
という意見もあろう.でも,私は慎重である.偶然,チームとはぐれてしまい,1人で下山しなければならない可能性だってゼロとはいえないからである.
 それに,地形図を眺めながら,これから登る未知の山がどんなところだろうかと想像を重ねるのも,結構,楽しいものである.そんなわけで,国内国外を問わず,私は,山へ登るときは,必ず地形図を準備するようにしている.
 一方では,
 「エリアマップがあれば十分ではないか・・」
という意見もある.
 でも,私は細かい地形を読み取るにはエリアマップは不向き,やっぱり地形図が一番と思っている.
 ただ,エリアマップには沢山の情報が書き込まれているので,これらの情報と地形図を上手に組み合わせて使うのが一番良いなと思っている.

■地形図に情報を書き込む
 次に,旅行社の案内とエリアマップを参考にしながら,地形図の上に登山ルートを描き込む.
 このとき,地形図に示されている登山道と,エリアマップに示されている登山道が異なっている場合がしばしばある.この場合は,エリアマップの情報を優先して,地形図のルートを訂正する.
 さらに,エリアマップに記載されているさまざまな情報を,できるだけ漏らさずに地形図に書き込む.
 

■カシミールを使って概要を知る
 次に,実際の登山道の様子を予め知っておくためにプロフィールマップを作成する.
 私の場合,まずは,パソコンでカシミールという市販のソフトウエアを使って,登山ルートの全貌を把握する.以下の図は,今回,御嶽山登頂の事例である.
 カシミールを立ち上げると,画面に地図が表示される.地図上で,まず,歩き始めの場所をクリックして,登山道を左クリックしながら辿る.そして終点で「確定」をクリックすると,自動的にプロフィールマップが完成する.同時に,始点から終点までの水平歩行距離,沿面歩行距離,累積標高(+),累積標高(-),標高差などのデータが得られる.
    
       <カシミールで経路を辿る>

 

■地形図に距離の目盛りを書き込む
 次に,実際の地形図に戻る.地形図上の登山ルートに沿って,始点(歩き出す地点)から2センチメートルおきに印を付ける.
 曲がりくねったルートの長さを正確に測定するのは難しい.そのために,登山用具店で販売しているキルビメーター(マップメジャー)を使うのも良いが,私の経験では,キルビメーターを使っても,なかなか正確には測定できない.ちなみに,キルビメーターは,先端に小さな車輪がついている器具で,その歯車を図面上で転がすことにより距離を測定する仕組みになっている.
 ただ,細かいジグザグ道に沿って歯車を回すのは結構面倒だし正確には出来ない.そんなことをしているよりも,小さな物差しを宛てながら,道の曲がり具合を勘案して,測定する方が速いし,誤差もキルビメーターを使った場合と大差ない.
 私の場合は,25000分の1の地形図では2センチメートルおきに目盛り(測点)を付けている.つまり実際の地形に当てはめると500メートルおきということになる.そして,等高線を見ながら,各目盛りの標高を読み取って,地形図に書き込んでおく.
 

■グラフ用紙に転記する
 ついで,グラフ用紙を取り出す.x軸には距離,y軸には標高の目盛りを入れる.用紙の大きさはだが,私の場合はA4横置きのグラフ用紙を使っている(A4にするには理由があるが,今回は触れない).
 x軸には,3センチメートルを1キロメートルにして目盛りを入れる.するとA4の場合,1枚に大体8キロメートルほど記入できる.そして,y軸には標高100メートルを1センチメートルにして目盛りを付ける.A4横置きの場合,標高差で1800メートル程度しか記入できないので,注意を要する.
 3000メートル級の高山の場合は,一番下の目盛りは1500メートル程度にしないと窮屈になる.でも,私の場合は,いかなる場合も,必ず標高0メートルを書き込んでいる.そして,0メートルから1500メートル付近まで省略したことを示す二重の「~」を入れておく.
 さて,座標の準備が出来たら,地形図から測点の標高を読み取って,このグラフに書き込む.
 測点が買い終えたら,地形図の等高線を凝視しながら,測点周辺の地形を類推する.そして頭の中の仮想空間で登山道の凸凹を想像しながら,各測点を結んでいく.
 結び終えたら,予めカシミールで作成したプロフィールマップと比較してみる.もし大きく相違しているところがあれば,どちらかが間違っているので,調べ直して誤り箇所を訂正する.
 

■情報を転記する.
 さて,ここまでで,一段落. グラフ用紙のx軸,y軸の縮尺を何時も一定にしておくと,新しく作ったプロフィールを一目見ただけで,既に登ったことのある山との比較で,歩行距離や勾配がどの程度の所かがおよその見当が付く.さらに,地図の記号を見ると,御嶽山の登山道は途中まで針葉樹林帯を登っていくが,標高2400メートル付近からハイマツ地に変わることが予見できる.
 さらに,プロフィールマップの余白に,登山ルートの概念図,エスケープルートなどを記入する.

■地形図を折りたたむ
 ところで,地形図は,所定の手順で持ち運びやすく,保管しやすいように折りたたむ.今回は2枚の地形図を貼り合わせたので,折りたたみ方も,何時もといささか異なるが,まあ,写真に示したような感じである(折り方については,別途,このブログで触れる予定である).
 

■プロフィールマップをビニールケースへ
 今日(7月30日)出発日前日.私は散歩を兼ねて,御船までブラブラ歩き.そして,コンビニに立ち寄って,地形図やプロフィールマップを数枚コピーする.
 このコピーした地図とプロフィールマップを,A4の大きさの軟質ビニールケースに入れる.
 

■序でながら・・
 さらに,駅前近くの100円ショップに立ち寄って,結束バンド(幅約6ミリメートル,長さ300ミリメートル)15本入りを100円で購入する.登山当日は数本持参するつもりである.この結束バンドは,万一,靴底が剥がれてパクパクしたような場合,応急処置として縛り上げるのに便利である.
 私は,山に行くときには,何時も,この結束バンドと,瞬間接着剤を持参している.

<結束バンド>

        **************************

 まあ,こんなところで,7月31日からの御嶽山の準備は終わった.
 ・・・というわけで,御嶽山から下山するまで,このブログをお休みにする.

                                (おわり)

「登山事始め」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/242ee1637a94298d836b09b1368d138c
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