<九十九折りの峠を登る>
モロッコ訪問記(20):世界遺産アイドベンハットゥを目指して(2)
(アルパインツアー)
2009年6月7日(日)~18日(火)
第7日目:2009年6月13日(土) (つづき)
<一路南南東へ下る>
■美味しいサボテン
テーブルのような山が見える丘で休憩を取る.
足元には,沢山のサボテンが群生している.見るからに元気がよいサボテンである.ガイドのアブダラさんの話によると,サボテンが赤く色づくと食べられるそうである.とても良い整腸剤になるとのことである.丁度スイカのような味がして,とても美味しいが,残念ながら,種が多いので,食べるのが面倒のようである.
<見事なサボテン>
■道路をカメが歩いている
私たちは,再び専用車に乗り込んで,9時32分に丘を出発する.
9時36分,タフェリアード(Taferiate)の集落を通過する.小さな集落である.専用車の車窓から外を眺めていると,道路脇を1匹のカメが悠然と歩いているのを発見する.慌ててカメの写真を撮る.
<道路脇を悠々と歩くカメ>
■峠のホテルで休憩
タフェリアードの集落を抜けると,次第に曲がりくねった登り坂になる.高度が増すにつれて,道路の勾配もきつくなり,九十九折りの坂道になる.
10時丁度に峠を通過し,今度は下り坂になる. 10時07分,下り坂を少し下ったところにある見晴らしの良いホテル「AUBERGE TOUFLIHT HOTEL」に到着する.ここで10分ほど休憩を取る.ホテルの屋上は見晴らしの良い展望台になっている.緑が豊富な谷間が遙か彼方まで続いているのが見下ろせる.
ホテルロビーで,1本10DHのミネラルウオーターを購入する.
トイレは有料で,1回1DHである.
<レストランで小休止>
<屋上からの眺望>
■コスメティックを売る店
10時19分,ホテルを出発する.私たちを乗せた専用車は,谷の右岸に沿って九十九折りの下り坂を進む.道路の両側にはカシ(?)の林が続く.
暫くの間,私は手許の地図で,専用車がどの辺りを走っているか追いかけていたが,そのうちに目がちかちかしてきて,場所を追うのが面倒になってくる.
私は,暫くの間,居眠り.
11時10,専用車は,とあるコスメティック店,huile D’ARAGAN(店の名前かどうか分からない)という看板の出ている店で停車する.化粧品には全く興味がないが,お付き合いで店内を覗く.入口近くの土間で,3人の中年女性がアーモンドのようなものを石臼で引いている.この店では,石けん類を販売しているようである.
店内には様々なコスメティック製品が並んでいる.あまり見たことのないものばかりなので,私には何に使うのか見当が付かない.
現地ガイドのアブダラさんが効能書きの説明をしてくれるが,余りよく分からない.ただ,アルガーオイルという素晴らしいものを売っているそうである.
残念なことに,山歩きにしか興味のないグループなので,全員が
「ふ~ん・・そうなんだ」
と神妙な顔をするものの購入する人は居ない.
<コスメティックショップにて>
■九十九折りの峠へ
11時20分にコスメティック店を出発する.
また,登り坂になる.アブダラさんの話によると,冬になるとこの辺りは積雪が多くて,通行不能になるとのことである.
急な登り勾配の路がクネクネと続く.
11時32分,専用車は見晴らしの良い稜線に出る.谷の対岸には,草木が一本も生えていない尾根が見えている.山の斜面には1本の細いトラバース路が麓から尾根に向かって伸びている.アブダラさんの説明によると,このトラバース路はドイツ人が好むトレッキングルートで,このルートを辿ると,やがてツブカル小屋に達するとのことである.
<九十九折りの坂道を登る>
<ドイツ人が好むというトレッキングルートが見える>
■標高2260メートルの峠を散策
11時36分,峠の最高点(標高2260m)に到着する.
専用車から降りる.広々とした平原が広がっている.暫くの間,峠沿いに散歩する.標高を示す看板が立っている.
少し強い風が吹いている.少し寒い.足元ではコーロギが鳴いている.
11時48分,ふたたび専用車に乗って出発する.
<レストランの看板:峠の標識>
<峠を散策する>
■化石・鉱物の販売店
専用車の車内で,アブダラさんが,一向に説明する.
「・・昼食が,予定より少し遅くなるので,あらかじめご承知おき下さい・・・」
車窓からは,山頂がギザギザと尖った砂丘が見えている.続いて,赤褐色の山地がつづく.アブダラさんの説明によると,この辺りではアメジストが沢山採取されるという.
12時07分,車窓から段々畑場が見え始める.やがて,小さな集落に到着する.
12時04分,煉瓦の壁に「CAFÉ」と書いてある建物の前で下車する.化石や鉱物を販売する店のようである.1DHでトイレを借用する.
店の入口には,大きなアメジストを形取った置物が置いてある.店に入る.店内には沢山の化石や鉱物が並べてある.化石類が本物かどうか,私には分からないが,とにかく大変な品数である.
<化石・鉱物を売る店>
<店内の様子>
■ワルサザードの街
12時27分,化石・鉱物店から出発する.車窓からは小さな集落が続いているのが見える.
12時35分,ワルサザード(Ouarazazate)を通過する.賑やかな街のようである.車窓から見ている限りでは,町中には男性の姿ばかりが目立つ.
アブダラさんの説明によると,この街から約60キロメートルのトレッキングルートがあるようだ.
<男性ばかり目立つワルサザードの街>
■広い河川敷に出る
やがて,進行方向右手に川が見え始める.川の名前は分からないが,専用車は川の左岸に沿って下っていく.途中で日干し煉瓦造りの廃墟が立ち並ぶ場所を通過する.
13時を過ぎる頃,広い河川敷の対岸に,赤茶色の尾根が見え始める.辺りが乾燥しているためか,鼻がムズムズしてくる.
<日干し煉瓦の廃屋が並ぶ>
<アイドベンハットゥが見える>
■傾いた地層が見える丘陵
平坦な道を走っている内に,眠くなってくる.そして,いつの間にか居眠りを始める.
ふと気が付くと,専用車は相変わらず広い河川敷の中を走っている.
13時22分,河川敷の対岸に,傾いた地層が著しくハッキリした段丘が見え始める.地質屋さんが見たら小躍りしそうな風景である.
<地層がもめている断崖>
■アイドベンハットゥの遠望
13時28分,専用車は草木が1本も生えていない丘の麓に停車する.
専用車から降りて,目の前の丘に登ってみる.すると,前方に世界遺産のアイドベンハットゥの全景が見えている.視野が広大なのでデジカメには到底収まらない.仕方なくノートを取りだして,殴り書きのスケッチをする.
眼下には一寸した集落が見えている.その先に小さな川が流れている.その川の広大な河川敷の向こうに日干し煉瓦で作った山城のような建物群が見えている.この建物群が世界遺産のアイドベンハットゥである.
アブダラさんが,アイドベンハットゥを指さしながら,
「昼食後,あの山へ登りますよ・・・」
という.
<草木が一本もない坂を登る>
<アイドベンハットゥ遠景>
(つづく)
「モロッコ訪問記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c2d36ec4683f7d57ab9710a0619cb62d
「モロッコ訪問記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/61968a223749ce14d6676d861996e11d
「モロッコ訪問記」の最初の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31b79faa79d02b8fe28dc5177880d2e4
「モロッコ訪問記」の索引
(編集中)