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アンナプルナ・ダウラギリ展望紀行(16)
プーンヒル登頂
(アトラストレック)
2001年3月29日(木)
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<プーンヒルの眺望>
■夜明け前に歩き出す
早朝,4時に起床する。とても寒い。暗い。
今朝は,プーンヒルを往復することになっている。
4時15分に,モーニングティーとビスケットだけを食べる。
4時40分に,コラバニのテント村を出発する。まだ辺りは真っ暗である。ヘッドランプの光を頼りに歩き始める。すぐにホテル街を抜けて,山道に入る。どこをどう通っているか分からないが,かなり急な登り坂を登り続ける。私達の他にも,沢山の登山客が居るので,ヘッドランプの光が,高いところまでクネクネと続いているのが見える。
5時20分頃,標高3,000メートルに達する。ほんの少し明るくなった空にマチャプチャリ(6,997m)がゴツゴツとしたシルエットになって見え始める。すると,見る見るうちに東の空が明るくなり始め,5時30分頃には辺り全体が薄明るくなる。5時35分頃,坂の途中で,5分ばかり休憩を取る。そして,九十九折りの急坂を登りきって,5時51分にプーンヒル山頂(3,194m)に到着する。
寒い。兎に角,寒い。
■プーヒルの夜明け
プーンヒルからの眺望は,とにかく壮大である。私が持っている焦点距離35ミリメートルの安物カメラでは,この壮大な展望を,到底,撮ることはできない。まるで小さな窓から,ほんの狭い景色を切り取るような気分で,何枚か写真を撮るが,とても壮大な雰囲気を表現することは出来ない。
仕方がないので,自分の眼で脳裏に焼き付けながら,広大な風景を,ざっとスケッチをする。
<マチャプチャリ>
<ダウラギリ> <アンナプルナ南峰>
<プーンヒルからの眺望>
■素晴らしい眺望
辺りが明るくなる。見回すと,プーンヒルの山頂は,随分と広い丘になっている。 向かって右から,マチャプチャリ(6,997m),アンナプルナ南峰(8,091m),ダウラギリ主峰などの名山が屏風のように並んでいる。
広い丘の中央には,大きな展望台が建っている。私達の他にも沢山の観光客が訪れている。日本人もかなり居る。
私と同行している仙人は,キャノンの一眼レフに,素晴らしい望遠レンズを装着している。彼の姿は,一見,プロのカメラマンのようである。何人かの観光客が,仙人に 「カメラのシャッターを押してくれ」と依頼する。所が,仙人は最近の半押しで焦点を合わせるカメラが苦手である。側にいる私にシャッターを押すように下請けさせる。
6時31分に,HAガイドが私達を一箇所に集める。そしてアンナプルナ南峰をバックに集合写真を撮る。帰国後,この写真を送ってくれるという。大変有り難いがレンズ付フィルムで写真を撮っているので,うまく写っているか,少々,心配である。
■下山して朝食
6時35分に,下山を開始する。真っ暗な登りでは分からなかったが,下るに連れて,シャクナゲの素晴らしい森が見え始める。7時10分に5分ほど休憩を取る。そして,7時23分に,無事,テント場に戻る。
7時51分から朝食を摂る。
ご飯,葉唐辛子,梅干し,海苔を巻いたお餅,卵焼き,それに味噌汁。味噌汁の具は,ネギ,ニンジン,カボチャ。純和風の朝食に感激する。
<コラバニの朝食>
<バンタニティへ向かう>
■いよいよ出発
朝食を終えて,8時36分,コラバニを出発する。
天候が悪化しているようである。空全体が雲で覆われている。曇天から,今にも雨が降りそうである。何時でも雨具が出せるように準備する。
8時40分に沢山のホテルが並んでいる集落に入る。先頭を行く現地ガイドに地名を聞くと,コエパンランドというところらしい。沢山のロバ,羊が飼育されている。放し飼いのようなニワトリが元気に啼いている。とにかく,随分と賑やかなところである。背中に荷物を背負ったロバが沢山集まっている。
■ロバの隊商
集落を過ぎると,谷筋をだらだらと下る道になる。途中で沢山のトレッカーとすれ違う。日本人のトレッカーも結構居る。ロバの隊商が通る。ロバの首にぶら下がっている大きな鈴が,ガラン,ガランと音を立てている。すれ違うロバの眼がとても可愛い。思わず何枚か写真を撮る。
9時05分,私達は小さな広場に到着する。ここで5分ほど休憩を取る。そして,9時11分に再び歩き出す。すぐに,数10頭のロバを引き連れた隊商とすれ違う。品物を担いだ現地の人達ともすれ違う。
9時35分,ナゲターンという集落に到着する。この集落の中にある「素晴らしい緑の展望のゲストハウス(Excellent Green View Guest House)」というロッジで休憩を取る。
(つづく)