善い状態のナフス(自我)から順に:
1.ナフス・ルムトマインナ(安心大悟している魂)
アッラーのご命令と禁止事項に従い、現世で幸せと安らぎの中に生き、来世でも最も幸福。
クルアーン【(善行を積んだ魂に言われるであろう。)おお、安心、大悟している魂よ、あなたの主に返れ、歓喜し御満悦にあずかって。】89-27,28
2.ナフス・ルラウワーマ(自責する魂)
アッラーを信じているが、弱くなった時に間違いを犯し、反省しアッラーに戻るが、また弱くなった時に間違いを犯すことを繰り返す。アッラーの元で地位があり、貴重。
クルアーン【また、自責する魂において誓う。】75-2
3.ナフス・ルアンマーラトゥビッスーウ(悪に傾く魂)
アッラーのご命令と禁止事項を知っているが、ナフス(自我)がいつも悪いことを命じ、それにいつも従ってしまう。欲に溺れている。ナフス(自我)と戦いがんばれば、1にも行くことができる。放っておくと、4に戻る。
クルアーン【またわたし自身、無欠とはいえませんが、主が慈悲をかけた以外の(人間の)魂は悪に傾きやすいのです。】12-53
4.ナフス・ルガーフィラ(忘恩の魂)
アッラーを忘れ去り迷っている。人間以外の動物と同じように欲だけに従って生きる。動物はアッラーを知っているが、この魂の持ち主は知らない。
クルアーン【かれらは心を持つがそれで悟らず、目はあるがそれで見ず、また耳はあるがそれで聞かない。かれらは家畜のようである。いやそれよりも迷っている。かれらは(警告を)軽視する者である】7-179
4の場合、理性に従わせることは非常に難しい。まずは知識を身に着けること、その後に、それを実践していく。
この4つのレベルの中で、最もこのナフス(自我)との戦いが難しく、上昇するために、かなりの忍耐が必要。
悪いことが習慣化していたら、それを止めるのにも大きな忍耐が必要。
善いことをするのにも大きな忍耐が必要だが、忍耐により、3や2や1にも上ることができる。
頑張れば頑張るほど、アッラーの元での地位は上がり、ナフス(自我)の状態もレベルアップする。
最初の一歩が一番大変。
欲とシャイターンが命令して来ることは、あたかも助言の形をとってくるかもしれないが、それには従わないように。
どんなに表面的には良いように見えても、それは欺きなので、シャイターンと自我の命令には徹底的に背くことで、魂のレベルがアップして、どんどん上昇するのが簡単になる。
4の自我は、欲に逆らえば逆らうほど弱くなる。従えば従うほど強くなる。
弱くなれば、3へとレベルアップして行ける。強くなればいつまでも4のまま。
レベルアップのための一番簡単な方法:
一番簡単な方法は、善いことをし続けること。善いことをしていれば、悪いことをする時間がなくなる。暇になると、習慣化している悪いことに戻ってしまう。
できるだけ空いた時間を善いことで埋めることで、3への道が楽になる。
ある場所に行くと悪いことをしてしまうという場合は、そこに行かない努力をする。ある人達と一緒にいると悪いことをしてしまう、という場合は、会わない努力をする。ある時間帯に悪いことをしてしまうのなら、その時間帯を善いことで過ごすように習慣を変える。
原因を遠ざけることで、意志が弱くなった時に悪いことをしてしまうことから守られる。
悪いことをしてしまう状況を作らないことが大切。
1の状態になった魂も、努力が必要。崇拝行為や善行をやり続けることでキープできる。できなくなると、2の状態に下がってしまう。
ナフス(自我)はこのようにレベル間を移動する。
ナフス(自我)のレベルによって、やってくるシャイターンのささやき:
1のレベルのナフス(自我)に、物を盗むように、や、悪口を言うように、とはシャイターンはささやかない。
例えば、ラマダーン以外の毎週月曜日と木曜日のスンナの断食をしている人に、今日はあなたは疲れているから今日は休んで、体を休めて、別の日にやればいい、というように、一見善いアドバイスのようなささやきがやってくる。それを完全無視し、善行をし続けることで、1のレベルがキープできる。
2のレベルのナフス(自我)にやってくるシャイターンは、悪いことをしているのに、後悔させないように、それがまるで善いことのように見せかけるようささやく。
3のレベルのナフス(自我)にやってくるシャイターンは、皆がやっているから大丈夫、と悪行をさせるように、悪いことを薦めるようささやく。
1のレベルにやってくるシャイターンのささやきは、善行することを本人から妨げるもの。
2のレベルにやってくるシャイターンのささやきは、後悔することを本人から妨げるもの。
3のレベルにやってくるシャイターンのささやきは、悪行をすることを本人に薦めるもの。
※8月2日の心の強化プログラムより。参加希望のムスリマ女性の方は、damas327@hotmail.com までご連絡ください。
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において
【聖クルアーン(2)】
今回は、「クルアーンの規範に従うことが必須である、という論理的根拠」についてです。
工業製品のメーカーが、それぞれの製品に、その使い方をわかりやすく説明するカタログを付けているのを見る時、私たちは、この根拠を理解することができるかもしれません。
どんな機械や機器も、使い方を習得することなしには使えません。もしカタログもなく、使い方がわからないまま動かしてしまえば、機械を台無しにしてしまうか、それに害を与え、壊してしまうかもしれません。
一方、カタログの指示通りに機械を動かせば、メーカーが、その機械の安全性と、使用者の安全を保障してくれます。しかし、メーカーの指示に従わずに、その製品に発生した損害は、消費者の責任となります。
これが、工業製品における常識であるならば、神に創られた者の人生はどうでしょうか?人生に、それを台無しにせずに生きる方法を教えてくれる、創造主からのカタログが必要ではないでしょうか。
それならば、クルアーンは、人生を無意味にすることなく構築するための助けとなるように贈られた、理性を持つ被造物への、創造主からの贈り物です。
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