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獣医学部は、過剰なのか? 不足なのか?

2017年06月03日 14時21分58秒 | Weblog
 獣医師会は、獣医学部の新設に反対している。
「獣医師資格」を特権階級として維持して、競争状態を起こさないために、獣医師の数を少なくしておきたいためだ。

では、現実的な問題として、「獣医師」は過剰なのか? 不足しているのか?
「獣医学部」の新設は必要なのか? 不要なのか?


 今治市は、「国民全体の利益を回復するため」獣医学部の新設を進めたのか? 「国民全体の利益を犠牲にして」獣医学部の新設を進めたのか?

こういった点が、本来であれば議論の中心に来るべきだ。


 首相の友人は、「国民の利益のために」獣医学部を作るのか? 「国民の利益を犠牲にして」獣医学部を作るのか?





私は、以下の3つの理由から獣医師数は不足していると考える。
 獣医師会は、国民の利益を犠牲にして、獣医学部新設に反対している、と私は考える。

1.畜産業でのIoT導入が、諸外国に比べて遅れている。
*家畜の健康状態をAIで管理するシステムの開発・導入が、日本では遅れている。
人が家畜の健康状態を管理する場合、獣医師の仕事が増え、獣医師の収入が増える。
一方で、畜産業の経営者にとっては、労働負荷が増え、必要経費が増える。結果として、畜産業に就職を希望する人が減っている。そして、一般消費者は割高な製品(牛肉、ミルク、バター等々)の購入を強いられている。

獣医学部を新設して、畜産業で利用できるAI開発に協力する獣医師を育成する必要がある。


2.畜産業での「抗生物質」の使用量が多い
*AIを導入をせずに家畜の健康管理をしようとしている。そして、全ての家畜を常に観察するためには、圧倒的に人手が足りない。家畜が病気にならないように、予防的に使用される抗生物質の量が増える。
抗生物質を販売している獣医師にとっては売上を確保できるため、この状況を変えたくない。
一方で、一般の消費者は「抗生物質漬け」された製品(肉、ミルク等々)を買わされていることになる。

獣医師の数を増やして、薬に頼らなくても家畜の健康管理ができる状況を作る必要がある。


3.家畜の品種改良が進んでいない。
コメや野菜、果物では、新種・新ブランドが各地の農林試験場で次々と誕生している一方、家畜の新種が出てきていない。「ブランド牛」は存在しても、「育った場所」がブランドになっているだけで、牛の種類が新しいわけじゃない。そのため、他との違いを明確に打ち出せず、ブランドの確立につながらない。

近畿大学の「養殖マグロ」は一つのブランドとして力がある。水産業では他にも、「温泉トラフグ」とかもある。

畜産業のブランド管理もできる獣医師が求められている。




 上記の3つの条件は、「今後求められる」専門家の能力ではない。すでに諸外国には、こういった専門知識を持った獣医師が多くいる。日本が出遅れているのだ。
 そして、日本の消費者は、自分たちが不利益を被っていることに気づかないほどに、世界から取り残されている。


 日本に住む一般消費者のため、現代に求められる専門性を持ったスペシャリストを育成する機関として、新しい獣医学部は必要だと考える。

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