21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

黄砂を止める

2006年04月25日 18時06分05秒 | Weblog
 世の中には「植生土嚢」たる便利な物がある。見た目は只の土嚢だが、布の表面に植物の種が埋め込まれてあって、中に土を入れるだけで、苗床に生まれ変わる優れものである。作りは簡単だから量産も出来るし、土が入っていない状態の「植生土嚢」なら持ち運びにも便利だ。

 黄砂の発生源になる中央アジア一帯の砂漠を普通の土嚢で覆ったり、都市化して砂の移動を抑えるのも1つの手だが、「植生土嚢」を敷き詰めて見るのも面白いんじゃないだろうか? 面白いことに、砂漠の一部では1年間のある時期にまとまった雨が降る。土嚢の中身を土だけに限定せず、「吸水ポリマー」を付け足せば植物の発芽成長を確実にできる。吸水ポリマーは何年も分解されること無く(環境に悪影響を与えること無く)効用を発揮し続けてくれるのが嬉しいね。
 植生土嚢に最も適しているのは、背丈の高い単子葉類だ(誰かは、葛の木とかアルファルファ?だと言ってた)。これは、牧草として最適だ。砂漠化の為にオアシス周辺でしか放牧活動が出来ないように追い込まれた、遊牧民達にも朗報だろう。一般に、若い植林/草地に家畜(牛/羊)を入れると、家畜が植物の根まで食べてしまい、折角の努力を無駄にすると言われているが、「植生土嚢」の生地は、根っこを食害から守ってくれる。
 もし、植生土嚢を中国北東部の砂漠に敷き詰めることが出来れば、一気に(無料同然の砂漠が)畜産物を生み出す牧草地に生まれ変わる。土嚢に埋め込まれている牧草は、1年で成草に生え揃うので、植林ほどは、投資資金の回収までに時間はかからない。(ファンドでも売り出し始めますか) しかも、次年度からも既に敷布済みの植生土嚢から牧草が生えてくるので、植林と違って伐採後に再投資する必要も無い。

 中国人の食生活が経済発展と共に欧米化して、食肉/畜産物の消費が増えるのは理解できる。 それも、植生土嚢が活躍する機会を増やす1つの起爆剤になるだろう。ただ問題は、東北部の「元砂漠地帯」で育てる牛肉をどうやって、市場まで運ぶかだ。

 「砂漠の緑化」は、決して「植林」だけを意味しない。沙漠にもそこで暮らしている人達がいる。彼らが貧しいことを逆手に取って、土地を買いたたき、囲いを立て彼らの家畜を追い出し(エンクロージャー)、植林をして自己満足に浸ってしまうことがないように。

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