≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

浜松市楽器博物館へ行った。その1(イントロ、管楽器)

2022-06-19 18:14:13 | 音楽

日本が世界に誇る楽器メーカーといえばヤマハ。楽器以外にエンジンなんかも作っていたりするすごいメーカーなんだが、ポルタティーフオルガンをなんとかひとつこしらえた身としてはやはり楽器に大いに興味がある。
そのヤマハのお膝元の浜松市楽器博物館には何年かまえに夫が子供一人と行ったことがあって、ぜひわたしを連れて行きたいとかねがね言っておった。コロナ禍で出歩くことはままならなかったが、昨年12月、第6波がまだ始まるかどうかだった頃に夫と二人、浜松市を訪れた。

浜松駅北口から地下通路をくぐると円形のバスターミナルがある。そこからサンクンプラザという広場とその向こうの中ホール・大ホールを見たの図↑
サンクンプラザと大中ホールのロビーを仕切る壁はガラスなのに扉だけ木製なのが印象的。ガラスの壁はカーブを描いているし、扉の上辺はまるく、彫り込まれている曲線も柔らかいし、木の色も明るいし、軽やかで優雅だ。
浜松駅北口の地下通路を通ってサンクンプラザまでの長くない距離でも音楽の催しのポスターがいろいろ貼られていて、音楽活動が盛んなのが分かる。浜松はヤマハの城下町なんだなあ。

サンクンプラザのオブジェ。ワイヤーの網でフレンチホルンの形を模されている。かなり正確だ。
余談ですがわたし中学生のときは吹奏楽部でフレンチホルンを吹いてました。


サンクンプラザから地上に上がって斜め向こうのブロックに、目当ての浜松市楽器博物館はある。やっと来たぜ!



浜松市楽器博物館でいくつか撮ってきた写真を並べて説明する。カメラや照明やわたしの集中力の問題でよい写真がなかなか撮れなかった。それで取り上げるネタに写真がついてなかったりするのだがご容赦くださいませ。


まずはヨーロッパにおける200年ほどまえの金管楽器を少々。
金属で出来ていても木管楽器とか 木や角で出来ていても金属楽器とかこの名前には問題があると思うので、もう少し正確を期すと「演奏者の唇の振動によって発声させる管楽器群」について。リップリードの楽器ともいうらしい。なるほど。

今から200年どころかずっとまえのことについてのキャプションもあって、それには「十字軍遠征の際、イスラム王朝の軍隊がトランペットとティンパニを鳴らしながら攻めてくる効果を知ったヨーロッパ諸国の王たちは宮廷楽師としてトランペット奏者とティンパニ奏者を雇い入れるようになった」というのが興味深い。想像するだけで華々しさが伝わるよ。ヨーロッパはイスラムに多く学んだんだよなあ。

↓トロンボーンの仲間。余談ですがわたし大学生のときはビッグバンドでトロンボーンを吹いていました。
ドラゴンの顔のついたビュサン、吹いてみたいな!

ビュサンのドラゴンヘッドはなんと舌が動くものもあるらしい。YouTubeの短い動画  「19世紀、フランスやベルギーで軍楽隊の楽器として使われた」と 私家版楽器事典 ビュサン にある。軍楽隊のマーチングで舌がフラフラ動くビュサン、見てみたい!

↓コルネットの仲間。音域もだいたい一緒のトランペットとどう違うんだろう?と思いますが、違います。コロネですよ、菓子パンにあるよね、角っていう意味。そう、ホルンの仲間。トランペットより音色が柔らかい。

息の通る管を途中でぱっと切り替えて管の長さを増やすことで音程を変える装置(バルブ)にピストンとロータリーがあるけれど、それらは19世紀に続々と発明されたらしい。ウィキ「金管楽器」  実際にはバルブはたくさん種類がある。例えばバック社のトロンボーンのバルブのあれこれ
バルブが発明されるまえはどうだったのかというと、倍音(とくに高次倍音)をリップスラーで演奏するバカテク とか、リコーダーみたいに管のところどころに孔を開けて塞いだり塞がなかったり ★(ツィンク)、という風に演奏していたらしい。音程を変える装置にはバルブ以外にトロンボーンのようなスライドもあるけれど、あれも昔は ストッキング 部分がなかった。古楽おもしろい!

それでもって上記のバルブは管の長さをかせぐのに迂回路を通ってまた元の管に戻っていたけど、戻らずに先にいちいち別のベルをつけた「ヴァルヴ・コルネット アドルフ・サックス 1860年頃」↓  なんというか、スチームパンク。蒸気機関じゃないけど。見慣れぬ楽器って、思わず見入ってしまうねえ。

この楽器を作ったアドルフ・サックス氏はベルギーの楽器製造者で、サキソフォーン、いわゆるサックスの発明者でもある。ウィキ「アドルフ・サックス」 アングロ・サクソン人とかのサックスじゃなくって発明者の名前なんだな。アドルフ・サックスの姓の由来がザクセン地方かどうかは調べてませんが。
彼の発明したサキソフォーンも大小色々と展示してあった(写真なしですすみません)。今のものより少し細い管だった。それらを使ったアンサンブルのレクチャーコンサートも楽器博物館で催されたらしい。その紹介動画  蛇足だがサキソフォーンは息でシングルリードを振動させて発音する金属製の木管楽器。ここで話は木管楽器にさりげなくシフト。

木管楽器でもリードを鳴らすのではなくリコーダーのように息を吹き込めば音の出るタイプ、息などによる空気の流れが楽器の吹き口の角に当たって発音する、エアリードの楽器。エアリード楽器には、正しい角度を演奏者が調整しながら吹かないと音が出ないフルートや尺八みたいな楽器もあれば、正しい角度になるようにウィンドウェイがあって吹けば鳴るリコーダーやオカリナのような楽器もある。
↓写真中央の四角いものは、パイプオルガンの木製パイプにしか見えない!夏にせっせと作っていたアレ ですよ!どこぞのオルガンからもいできて、パイプの先に音程の変えられるスライド筒を挿したとしか思えない ... 。

なんでピッチパイプ(音程笛?)という名前なのかというと、「18c後半から19c前半、合唱で最初の音程を合わすために、イギリスのオルガンのない教会で使用。ピストンに音名が記されている」と浜松市楽器博物館の所蔵資料データベースに理由があった。


    浜松市楽器博物館へ行った。その2(弦楽器1)へつづく


 

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