宮戸から松島方面へ向かう途中、仙石線の東名駅(とうなえき)の辺りを回った。
住宅地であったが、津波で随分景観が変わり、ほとんどが空き地の野原になってしまった。
東名駅は、もとより駅舎が無く、ホームに待合室がある無人駅だったが、周辺には家が並んでいたはずだった。
(東名駅前:2012年9月11日↓)
ホームの傍に、踏み切りが立っているが、もはやそこに線路は無い。
線路の無い踏み切りは、ちょいと寂しい。
東名駅は、隣の野蒜駅とともに移設される予定だ。
野蒜小学校の北側へ移設し、今の線路の辺りは嵩上げ工事などがなされるようだ。
そして、移設される駅の周辺に、町が再生されていくだろう。
じっと立っている東名の踏切は、かつての駅と町を思い出しているみたいだ。
近くでは、残暑の中、重機で片付け作業をしている人がいた。
会釈して通ると、作業していた方も、笑顔で会釈を返してくれた。
変わり行く町の、津波の傷跡を、草花が覆って和らげる。
踏み切りは、ホームと共に残って、静かに語りかける。
人々を乗せた列車が通り、乗り降りする駅。
人々が、家路に着いたり出かけたり、話ながら歩いたり、挨拶交わして通ったり・・・