世の中に、事件や事故や災害は嫌っていうほど溢れてて、子供が犠牲になることもたくさんあります。
悲しいことに、そういうニュースがあまりにも多いから、その一つひとつについて、ブログで考えを書いたことはなかったけど、今日のニュースには、どうしても理不尽で、何も言わずに黙ってていいのか？ という思いが込み上げてきました。
亀岡で起きた無免許運転の少年による10人死傷事故の初公判が、今日、開かれました。加害者はこの裁判で、自動車運転過失致死傷と道路交通法違反の罪に問われています。
被害者遺族は危険運転致死傷罪の適用を求めていましたが、無免許運転という法律違反を犯しているにもかかわらず、加害少年が一晩中運転を続け、かつ過去にも複数回運転していたことが運転技術を有していると判断され、危険運転致死傷罪での立件は困難との判断から、罪の軽い自動車運転過失致死傷罪での立件となりました。
家族を失えば、病気、事件、事故を問わず、遺族は悲しい思いをします。だけど、今回のこの裁判は、遺族の傷に司法が塩を塗るようなものです。
私もこの歳まで生きていれば、世の中は必ずしも正義が勝つわけではないし、努力や正しい行いが必ず報われるわけではないとわかっています。だからと言って、こんな理不尽を世間が黙って受け入れてしまっては、やっぱりいけないと思うのです。
だって、どう考えてもおかしいでしょう？ 無免許運転という法律違反を犯しているのに、運転技術があるから危険運転にはあたらないと判断されるなんて。そんな理不尽が法律上は正しい理屈として通ってしまうなんて。
たしかに、加害者がどんな罰を受けても被害者遺族の悲しみが癒されることは決してないだろうけど、自分の大事な家族がくだらない遊びの犠牲になった上、法律違反をして事故を起こした加害者に有利な法律がまかり通ってしまったら、遺族の悲しみ、苦しみは、さらに深いものになってしまう。そうしたら、遺族はこれからの人生を、どうやって生きていったらいいの？ どうやって大事な家族を奪われた苦しみを耐えればいいの？
かつて、山口県光市母子殺害事件の被害者遺族の方が、「遺族だって生きていかなきゃいけないんです」と言っていた、あの言葉が、あの悲痛な叫びが、今回のニュースを見て蘇ってきました。
私は日本が大好きです。だけど、こういうニュースを見ると本当に日本が嫌になる。こんなおかしなことを、次の世代に、私たちの子供に引き継いでいきたくない。今回亡くなった方たちの命を、遺族の方たちの苦しみを、無駄にしてほしくない。
せめて今回の裁判が、法律を正しい方向に導く大きなきっかけとなってくれますように…。
