前の続きという言葉を探していたら「承前」という言葉があったので
使ってみたのだが……。ちょっと格好つけているようで??だ。
さて前回歩いた花之江の郷は山ゾーンと里ゾーンだった。今回は続きの林ゾーンと湿地ゾーン。
外にも通じている小道(ということは敷地全体が区切られていない!何とおおらかかなことか)を
横切ると林ゾーン二入る。季節がらかか日本の野に咲く自然の花は少なく、西洋庭園のように
たくさんの外来種、園芸種の花がカラフルに咲いていた。
園路に沿って咲く赤い花はベニバナサワギキョウといい、北アメリカ原産の花。
別名として宿根ロベリアがある。
園の人に聞いたら今年は異常にたくさん咲いてしまったのだとか。そのせいで日本の湿原を彩る
サワギキョウは隅に追いやられてしまっていた。本来日本の野に咲く花ではないので、自然園としては
あまり多くなると困るのだろう。花の形はサワギキョウととても似ている。
秋を思わせるシュウメイギクが一株だけ咲きだしていた。シュウメイギクとはいうもののキク科ではなく
キンポウゲ科の花。 どちらかというとアネモネに近い。漢字では秋明菊となり、
爽やかな印象の花に似合っている名だ。京都貴船地区の群生がしられたことから「貴船菊」の
別名や大柄の花の形から「秋牡丹」の名も持つ。
シモツケはここ栃木県(下野)から名をとったバラ科の落葉低木。
クサキョウチクトウは別名オイランソウの名を持つ北アメリカ原産の花。花色が豊富。
トウゴウギクも北アメリカ原産の花。
真偽はわからないが、東郷元帥がイギリスから持ち帰ったのが名の由来だという。
ハナトラノオも外来種の花。4つ目になるがこの花もまた北アメリカ原産。
カクトラノオの名もあり、最近では個人の庭先や公園でもよく植えられ、
一部は道路端に逃げ出して繁殖している。
ホザキシモツケは日本に元からある野の花。
この花を見ると、8月の日光戦場ヶ原や小田代が原に咲き誇る大群落を思い出す。
蓮池のほとりに立つ洗心亭。
一株だけ咲いていたシロヒガンバナ。ここはヒガンバナの群生でも知られているが、
見ごろはまだもう少し先、9月に入ってからか。
ショウキズイセンは見ごろになっていた。四国から沖縄にかけて分布するヒガンバナ科の花。
林ゾーンを抜けて湿地ゾーンに入ってきた。ぬかるみの上には木道が作られている。
一帯はオミナエシの花が見ごろを迎えていた。
オミナエシは漢名は女郎花。ご存じ秋の七草のひとつ。
語源は「おみな圧(へ)し」で若い女性を圧倒するほど美しいから来たと某書にあったが、本当だろうか。
蓮の花もまだ残っている。後ろに咲いている赤紫の花はエゾミソハギ
ミズトラノオ。
日本だけでなく、中国や韓国にも分布している。
休耕田や湿地に多いミゾカクシ、アゼムシロの別名もある。名は旺盛な繁殖力を表していて
湿地でさえあれば普通に見られる。花色は薄い紫から白色。
特徴的な花の形は合弁花(キキョウ科)の二端が深く切れ込んだことから。
この形何かに似ているとしばらく考えてやっと熊手を思い出した。
オグルマは田の畔に多く咲くキク科の花。タンポポに似た花はジシバリやブタナ、コウゾリナなどあるがいずれも春先に咲く。
が、オグルマは9月頃から咲き始める。小車の名は放射状の花の形から。
ススキがまだ暑さの残る8月の風に揺れていた。
お終いは縁で見かけた虫たちの紹介を少しだけ。
イナゴ、正式名はコバネイナゴというらしい。
一つの枝を分け合ったショウジョウトンボとシオカラトンボ
ノシメトンボ
イトトンボ。図鑑を見るとアジアイトトンボのようだ。
この辺で。