野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

野川観察園-4月

2017-04-12 21:23:37 | 散歩

 雨の降る中、近くの野川観察園を訪ねた。雨に濡れた

満開の桜が甘い香りを漂わせている。

 

 いつもなら満開の桜の下、大勢の人で賑わう公園もこの日は人出は少ない。

こういう静かな花見も落ち着いていいもんだ。

 

 10mは優に超す背の高い桜。

 

 さっきからしていた甘い香りの正体はこの大島桜だったようだ。花も葉も心地よい甘い香りを放っている。

 ところで桜餅の葉っぱはこの桜で作るのだと知っていただろうか……。

 

 野川観察園前にかかる橋と桜とベンチ

 

 野川もすっかり春の装いに変わっている。

 

 観察園の入り口にある花情報の掲示板。4月になって花の数もだんだんと

 増えてきたようだ。

 

 通草(あけび)の花。手前の大きいのが雌花、奥の小さいのが雄花。

通草の由来はアケビの蔓は空洞で空気が通ることから来たらしい。

 

オドリコソウも少しずつ咲き出した。

 

 

 

 この小さな花はヒメウズという花。山間部から畑、人家付近と至る所にみられるが、

 余りの小ささ故にこの花の存在に気付く人は少ない。

 

 ウラシマソウ。名の由来となっている細長い釣糸のようなものは付属体と言うそうだ。

目立つことで虫を呼んでいるのだろうか。

 

ホウチャクソウ

 

ジュウニヒトエ

 

シュンランとヒトリシズカ

 

 奥多摩の山歩きではほとんど見かけないイカリソウ

 

 

チゴユリもたくさん咲きだしていた。奥多摩の山では群生を見ることができる。

 

 

 こちらはやや終わり加減のニリンソウの群生

 

 ラショウモンカズラは低山歩きでたまにお目にかかることができる。

 

  ヤマブキソウ。似ているヤマブキは木の花で、花弁は5枚。

 

 ちょっと見にはムラサキケマンと間違えてしまうがこれはジロボウエンゴサク

 ちなみにスミレの太郎坊に対して、次郎坊と名がつけられたのだとか…。

 

 こちらも咲きだしたばかりのレンゲソウとチョウジソウ

 

 

 見上げるとカエデも地味な花をつけていた。

 

 この辺で。


早春の冬鳥

2017-04-08 14:07:43 | 散歩

 

 

 3月の終わり、まだ雪の残る埼玉県民の森を訪ねた。本当は

芦ヶ久保山の花道に咲くカタクリやアズマイチゲが狙いだったのだが、

雪が残っていて、ほとんどが蕾の状態で花を見ることができなかった。

そこですぐ近くにある県民の森に野鳥を尋ねることにした。

 

 遊歩道には雪が深く残っている。手袋のしてない手が冷たい。

 

 梢に止まっているのはオオマシコ♀、銀世界に僅かに彩りを添えている。

 

 少し羽色の赤みが強いので若鳥の♂なのだろうか

 

 

 

 下に餌台があるので、じっと順番待ちをしているようだ。

 

 

 こちらは今年の冬、大量に現れ大いに楽しませてくれたアトリ。もうすぐ4月になるというのに

まだ渡らずに残っている。

 

 もう夏羽に変り始めている。

 

 

 

 梢の下には朽木で作った餌台がある。

 

 

 同じ餌台の端っこにはオオマシコもいて、アトリを威嚇している。

 

 

睨み合いが始まって

 

 空中戦になった。

 

 少し離れたところにいたコガラ

 

 

 こちらはアトリやオオマシコに遠慮して、雪の上に零れた種を啄んでいた。

 

 お終いは小さな餌台に嵌まり込んでいたカケス

 

もう少し近くで撮ろうと焦ったら、近くの枝に飛ばれてしまった。


早春の福島潟

2017-04-05 17:53:15 | 旅行

 福島潟には何度か訪れているが、雪のない季節に訪ねるのは

今回が初めてだ。訪ねたのは3月下旬、雪は見えないものの

吹く風は結構冷たかった。

福島潟のシンボルマークとなっているビュー福島潟。逆さ巻貝のような独特な建物だ。

 

 HPはこちら

 

 菜の花が咲きだしていた。今頃はもう満開になっているだろう。

見えている建物は潟来亭(かたらいてい)。

 

そのわきを通り抜けると、広々とした空の下に福島潟が見えてくる。

 

真ん中に見えるのはヨウモツ小屋。ヨウは魚、モツは待つの意。つまり

漁のための魚待ち小屋といったところ。 

 

 菜の花畑の上空を頻りにヒバリが囀っている。

 

  なかなかカメラでは捉えきれないほど空の高みで鳴いている。

 

 

背後の山は五頭連峰だろうか

 

 私が訪ねた少し前にヨシ原の野焼きが行われたようだ。まだ焦げ臭いにおいが残っていた。

真ん中の小屋はカモウチ小屋。

 

 上空をノスリのような、ミサゴのような鳥が飛んで行った。

 

 

冬季にはたくさんのヒシクイや白鳥たちがいたはずだが、すべて北の国に渡って行ってしまった。

 

 奥の方にはコガモやマガモたちがまだ残っている。

 

 

 

 

 

 

 目の前をカンムリカイツブリが泳ぎ去って行った。

 

背景の山々は飯豊山塊

 

 

 

たくさんの水鳥たちで賑わっていたのが、まるでなかったかのように

湖面は静まり返っていた。

 

 この辺で。


都内桜巡り

2017-04-03 20:16:26 | 散歩

 東京に桜満開宣言が出たのが昨日(4月2日)。今日は都心に桜を見に出かけてきた。

電車で30分足らずの都心に出かけるのは何と今年初めてになる。

 

 まずは東京の桜の開花宣言の基準とされる、標準木のある靖国神社。

正面の建物は靖国会館。

 

 境内は5,6分咲きといったところか

 

 一番奥にある神池庭園が、比較的静かで落ち着ける。

 

 神門付近も満開とは言い難い

 

 私が東京の桜の名所№1と思っている千鳥ヶ淵は靖国神社のすぐ近くにある。

 田安門付近から半蔵門方面への眺め、6,7分咲きといったところか

 

 

 

 今日は月曜日にもかかわらず、人出は最高潮。

 

 

 余りの人の多さに辟易して早々に退散、次の目的地新宿御苑へ。

御苑に着いたのは昼過ぎ、今まで見たことのないほどの大混雑ぶりだ。

しかもその三割ほどは外人さんのようだ。アジア系だけでなく、白人、

黒人、アラブ系、まるで世界中の人が押し寄せてきたようで、入り口は人の波で埋まっていた。

 

 アルコール類の持ち込み禁止のため、荷物検査を受けて200円を払って入園。

 

 桜は全体からみると6分咲き程度なのだが、ここは桜の品種が多いので

中にはもう満開を迎えている木も多かった。

 

 

 このピンクの桜は陽光という品種。

 

 肝心のソメイヨシノはというと、まだ満開とは言えない。

 

 

 

 それでも見頃を迎えている木もあり、そこには沢山の人たちがカメラを構えている。

 

 

 

 

 

 千駄ヶ谷門の方までやってきた。ここは桜の品種が多く植えられているところ。

 

 大島桜

 

 この赤い桜は陽光桜

 

 

 最後に吉祥寺の井の頭公園を訪ねた。ここの桜は全体からみるとせいぜい4、5分咲き程度。

 

 人出だけはもう満開状態なのだが…

 

 頑張って咲いているところだけ撮っているが、満開になるのにはもう4,5日はかかりそうだ。

 

 

 「都心の桜は見ごろになりました」の掛け声に踊らされて、久しぶりに都心に出かけては見たものの

傍若無人な人混みにほとほと疲れ、昼過ぎにはそうそうと退散してしまった。

桜の見頃は今週末といったところか。尤も、もう私は出かける気にはなれない。

もう少ししたら奥多摩の低山に山桜でも見に出かけようか。

 さてはこの辺で。


雪国植物園②

2017-04-02 17:58:29 | 散歩

 前回はほとんどユキワリソウだけだったので、今回はそれ以外に

 園内で出会えた花を載せてみよう。

 

 

 春の訪れの定番ともいえる野草、フキノトウとツクシ

 

 

これはぜんまいの仲間だろうか?

 

 フクジュソウやショウジョウバカマも早春を代表する花の一つだ。

 

 

 まだ10時前後、人影はまばらだ。

 

 雪の溶けたばかりの枯草をかき分け、オウレンの花が一斉に咲き始めている。

 

近寄ってみると、赤紫色の花茎に白一色の星形の花、

氷細工のようで華奢な美しい花だ。

 

 日当たりのよい崖に群生しているのはキクザキイチゲ。こんなに密で大きな群生は

今まで見たことがない。

 

 すぐ近くに青紫の花もあった。

 

 カタクリはまだ早かったのか、咲き出した株はほんの数株しかなかった。

 あと2週間もすれば周辺はカタクリでおおわれ、その上をギフチョウが飛び回るのだろう。

 

 

水辺にはザゼンソウが見える。

 

 

ほんの少しだが、ミズバショウもある。

 

池の中にはアカガエルのオタマジャクシがいて、その回りに大きな白っぽい

卵嚢があった。これは以前来た時に案内人に教わったクロサンショウウオの卵だ。

 

 湿地に生えるネコノメソウのなかま、ホクリクネコノメソウ

 

 

 これもこの地方の特産種、コシノコバイモ

 

 

 時期が早かったからか、咲いているスミレはナガハシスミレとオオバキスミレだけ。

 

 

 木の花で咲いているのはオクチョウジザクラとマンサク

 

 

  帰りがけ低木のナニワズを見つけた。

 

 日帰りの旅だったので、滞在時間は2時間半しか取れなかったのが何とも悔しい。

やはりこの植物園は一日丸ごと使って隅から隅までゆっくりと廻りたい。私にとっては

それだけの価値のある場所だ。近くに移住してボランティアとして、一年中いられたらどんなに幸せだろう。

 それは叶わないとしても できれば今まで来たことのない全ての季節に訪ねたいものだ。

この辺で。