フェルスタッペン。
レコノサンスラップを終え、スターティンググリッドまで移動します。
レコノサンスラップとは偵察の意味で、スタート前にコースを数周走行してマシンのセッティングやコース上の確認を行います。
角田裕毅。
ハミルトン。
ガスリーのマシンはピットガレージにあります。
どうやら予選後にセットアップを変更したため規定違反となりピットレーンスタートとなるようです。
ガスリーはブレーキトラブルにより予選17位に沈み、決勝での巻き返しを狙って戦略的にセットアップを変更したと思われます。
PM2時、フォーメーションラップが始まりました。
フォーメーションラップとは正しいスターティンググリッドに着くことを目的としてコースを1周します。
フォーメーションラップ中は追い越し禁止。
タイヤを温めるため蛇行したりブレーキを強く踏んだりする光景が見られます。
観客としてはそれらの光景を見たり音を聞いたりして、スタート直前の一番テンションが上がる瞬間です。
そしてついに決勝がスタートしました。
レース中の写真はありません。
一瞬たりとも見逃せないので写真を撮っているヒマはなくて。
雨が降っているので前の車が巻き上げる水しぶきでかなり視界が悪いです。
マシンのオンボードカメラの映像を見るともはや視界ゼロと言ってもいいぐらい。
ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンでしたが、2番手のルクレールの方が蹴り出しは良かったです。
ルクレールが少し前に出た状態でターン1へ。
今年のフェルスタッペンは無理せず引くことも多かったのですが、今回は引きませんでした。
ハイスピードのままコーナーに入りブレーキを遅らせて見事に首位を死守。
会場は大歓声です。
すると直後に黄旗が出ました。
ベッテルがコースアウト、サインツがスピンしてクラッシュ。
ベッテルはコースに戻れたものの、サインツは壁にぶつかってしまいリタイアとなりました。
サインツが壊して飛んだ看板がガスリーのマシンに覆いかぶさってしまいガスリーはピットインを余儀なくされます。
他にも周冠宇(ジョウグァンユー)がスピン、アルボンはマシントラブルによりリタイア。
やはり雨で路面が濡れた状態だといろいろ起きます。
レースは3周目に赤旗中断となりました。
全車ピットレーンに戻り待機。
マシンの回収と壁の修復作業が終わっても赤旗は解除されません。
雨が強くなりこのままレースを続けるのは危険と判断されたんです。
雨が弱くなるのを待つしかありません。
ここからが長かった…
すごく長かった…
20分30分と待っても雨は全然止む気配がなくてレースがいつ再開されるかまったくわかりませんでした。
私はこの日は長袖Tシャツ+半袖Tシャツ+厚手のパーカーを着ていましたが寒くて、ユニクロのポケッタブルパーカーを追加で着ました。
ボトムスは薄手の長ズボンだったのですが寒くて、雨対策用に持ってきたレッグカバーを履きました。
レッグカバーは膝下だけなので腿が冷たくて応援タオルを巻きました。
それでも全身ガタガタ震えるほど寒かったです。
この日の最高気温は19℃、最低気温は13℃でしたが、風もあり体感気温はもっと低く感じました。
私はV2という屋根がある席だったのでまだ良かったのですが、ほとんどの観客席に屋根はなく観客はずぶ濡れです。
会場の大型ビジョンにはカッパやポンチョを着て濡れている観客たちの姿が映し出されていました。
赤旗中断中にトイレへ行くと長蛇の列。
トイレ待ち以外にも屋根があるグランドスタンドの軒下に雨から避難している人でごった返していました。
1時間経ってもレース再開のアナウンスはありません。
雨はあいかわらず本降り。
会場の実況放送では解説の元F1ドライバーの佐藤琢磨さんが観客を飽きさせないようにいっぱいしゃべってくれました。
再開時間もわからない中ひたすらしゃべりまくるのも大変だったと思います。
1時間半ぐらい待ったあたりで昨年のベルギーグランプリが脳裏によぎりました。
あの時も大雨で赤旗中断が3時間以上続き、ようやくセーフティカー先導で3周走ったもののコンディションは回復せずそのままレース終了。
結局予選の順位のままフィニッシュとなりました。
たった3周走っただけでもレース成立となり、しかし規程周回の75%を満たさなかったということで上位10台にはハーフポイントが与えられることとなりました。
たった3周しかもセーフティカー先導のためバトルもないままでしたが、レースは成立したため観客へのチケット代の返金はなく物議を醸しました。
まさか今回も…
そんな不安な思いを抱きつつ、寒い中ジッと待ち続けました。
グランドスタンドでは途中で帰る人は誰もいませんでした。
屋根のない席の人の中には諦めて帰った人も少しいたようですが、ほとんどの人は雨に濡れながら耐えていました。
途中、角田裕毅が出てきてくれました。
寒い中ずっと待ってくれている観客に向かって手を振ってくれました。
写真は撮り損ねましたがベッテルや他のドライバーも出てきてくれました。
こういうのすごくうれしいです。
アストンマーティンのチームスタッフは時々出てきてはバンザイやウェーブの音頭を取ったりして観客を飽きさせないように楽しませてくれました。
アストンマーティンはドライバーのサイン入りのキャップを配ったりもしていたし、すごくファン思いのいいチームだなと思いました。
アルファロメオのチームスタッフは急きょこんな横断幕を作ってくれました。
寒い中文句も言わずにひたすら待ち続けている日本の観客に向けて「You are the best」。
角度的に見えなかったけどレッドブルやマクラーレンなど他のドライバーやチームスタッフもそれぞれ出てきて観客を楽しませていたようです。
中断から2時間以上経ったところで突然動きがありました。
雨が少し弱まってきたんです。
まずセーフティカーが走ってコース状態をチェックします。
セーフティカーに合わせて観客はウェーブをして盛り上がります。
何周か走った後、10分後にレースを再開するというアナウンスがありました。
待ってました!
長かった。
本当に長かった。
寒くて冷たい中ホントみんなよく我慢しました。
中断から2時間10分経過。
時間は当初のレース終了時間をとっくに過ぎていますがようやくレース再開です。