1 南シナ海で米中戦争が起きるのではとの雰囲気ですが、本当に起きるんでしょうか。
アメリカの高官や知識人からも戦争も辞さずとの声が高まっています。
一方、中国側も一歩も引かず、戦争辞さずと叫んでいます。
>【世界を斬る】中国に米国と戦争する能力はまったくない 空でも海でも餌食になるだけ
日高義樹元NHKワシントン支局長
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150603/dms1506031140004-n2.htm
日高義樹氏の言を借りれば、米軍と中国軍では大人と子供の喧嘩で、中国は手も足も出ないということになります。
米軍が50%、60%割り引いても、中国軍に勝ち目はないようです。
しかし、米軍には最大の弱点があります。
それは米国軍の最高司令官であるオバマ大統領です。
戦争嫌いなオバマ大統領は、同盟国日本のことよりも、中国の方が大好きな大統領です。
ですから、これまでも日本の頭越しに、中国とは大国同士の仲良しクラブと宥和を優先してきました。
野心のある中国にとっては、これは非常に都合のよいことで、南シナ海でベトナムや、フィリピンを手痛い目にあわせても、オバマ大統領は知らん顔、シナ制裁やシナへのお小言など一切しません。
中国はオバマがアジアに無関心なことをよいことに、南シナ海の南沙諸島の複数の珊瑚環礁を埋め立て、軍事基地を急ピッチで造っています。
これらの行為は、米国も軍事衛星などで見逃すはずはありませんから、オバマ大統領も分かっていて放置しているのです。
これでは、益々中国は図に乗って、何をやっても米軍が出てくることはないと高をくくっているのでしょう。
米国の保守派は、オバマ大統領の対中国弱腰外交がこれ以上続くと、やがて覇権を求めて米軍をアジアから追い出そうとするだろうと、危機感を強めてきました。
5月末、米国議会のそんな雰囲気の中で、安倍首相はアメリカに奮起を促す演説をしました。
聞き入る米国の上下議員は何度もスタンディングオベーションで安倍首相の演説を礼賛します。
中には涙を流す議員もいましたね。
アメリカの上下議員達は、アジアでアメリカがどういう立場に置かれているか、認識したのではないでしょうか。
そうです!中国は、米国に覇権を寄越せと詰め寄っていることに気付いたと思うのです。
圧倒的軍事力を持っていても、最高指揮官がそれを誇示する気もなく、恫喝する相手に宥和で望めば、逆にひどいしっぺ返しを喰らうことに。
アメリカ軍を統括するカーター国防長官はすぐに行動を起こします。
カーター国防長官は、
30日、アジア安全保障会議(シャングリラ会合)で、カーター国防長官は中国を名指しし、「埋め立てを即時に、永続的にやめるべきだ」と厳しい口調で批判した。さらに、中国が領海・領空と主張する岩礁から12カイリ以内の区域でも監視や偵察を行うと述べています。
バイデン副大統領も、
22日、メリーランド州アナポリスの海軍士官学校で行われた卒業式の演説で中国が南シナ海で人工島を建設していることなどを列挙し、「公平で平和的な紛争の解決と航行の自由のために、米国はたじろぐことなく立ち上がる」と述べていました。
問題はオバマ大統領ですが、中国宥和を止め軍事対決も辞さない覚悟と決断ができるのでしょうか。
それを見定める大統領のスピーチが、6月1日にありました。
6月1日オバマ大統領は、ホワイトハウスで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の若手指導者らを集めたイベントで、このように語ったのです。
>【南シナ海問題】「攻撃的な行動は非生産的」オバマ大統領、中国の埋め立て非難
2015.6.2 09:53 産経ニュース
【ワシントン=加納宏幸】オバマ米大統領は1日、中国が南シナ海の岩礁で進める人工島建設を念頭に、「いかなる当事者であれ、埋め立てや攻撃的な行動は非生産的だ」と非難した。ホワイトハウスで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の若手指導者らを集めたイベントで述べた。
オバマ氏は、中国が経済的に成功するとの見通しを示した上で、「中国の主張のいくつかには正当性があるが、他人にヒジ鉄を食らわせ、押しのけるようなやり方はすべきではない」と牽制した。
http://www.sankei.com/world/news/150602/wor1506020005-n1.html
あららオバマさん、やっぱり“中国の虜”と感じたのは小生だけでしょうか。
オバマ大統領は「いかなる当事者であれ、埋め立てや攻撃的な行動は非生産的だ」とは、批判しています。
中国だけを批判したのでしょうか?
そうともだけとも受け取れないんですが・・
わざわざ、“いかなる当事者であれ”と言っていますが、勿論アメリカも当事者です。
オバマ大統領は、これまでどおりの軍事的解決はよくないべ~と。
どうやらカーター国防長官やバイデン副大統領の勇ましい発言は、犬の遠吠えだったようですね。
時系列で見ますと、
5月22日、バイデン副大統領「米国はたじろぐことなく立ち上がる」
5月30日、カーター国防長官「12カイリ以内の区域でも監視や偵察を行う」
6月 1日、オバマ大統領「いかなる当事者であれ、埋め立てや攻撃的な行動は非生産的だ」
どうですか、オバマ大統領に中国と軍事的に対峙する覚悟が感じられますか。
“埋め立てや攻撃的な行動は非生産的だ”と、一見中国を指して言っているように見えますが、“いかなる当事者であれ”と前振りで断っていることから、米軍の南シナ海への介入も非生産的だと思っているんでしょうね。
オバマ大統領は、世界戦略というものを持ち合わせていないんです。はい
これでは、あまりにチキン過ぎて情けないので、新しく太平洋軍司令官に就任したハリス海軍大将にも一言。
太平洋軍司令官に就任したハリス海軍大将「中国は、南シナ海について非常識な主張を行っている」「われわれが直面する挑戦には事欠かない」やる気満々ですが・・
アメリカ国内からもオバマ大統領の弱腰への批判が高まってくるでしょうね。