中国が、ものすごくやばい状況に陥っています。
当局の形振り構わずの市場介入で、大暴落一歩手前で踏みとどまった株市場。
しかし、予断は許されません。
強引な手法で当局が押さえつけているわけですが、株式市場は売りと買いで成り立っています。
買いだけ奨めて、売ることはまかり成らぬでは、早晩綻んでしまうことが懸念されます。
その時には買い支えに投入した資金もそっくり溶けてなくなってしまうでしょう。
それは大変なことです。
中国共産党統治の屋台骨が崩れ去るかもしれない危機です。
中国は小手先の対策が既に通用しないほど、深刻な不況に陥っているのです。
これを打開するには最後の手段として、人民元の大幅切り下げ以外、当面の危機を脱出する術はないと思われます。
この表は田村秀男氏のものです、分かり易いので借用しました。
日本も異次元金融緩和で事実上の円切り下げで、今1ドルが124円前後
ところが人民元はドルに対しても20%ぐらい上がっている。
ユーロも日本に遅ればせながらも、金融緩和に踏み切りユーロは切り下がりました。
アメリカはいち早く金融緩和してドル安でしたが、既に今では利上げを模索していて、今年中にするかしないか、世界が注目しています。
そこで中国ですが、アメリカは今でも中国の人民元は低すぎる切り上げろと要求しています。
そんなこと今の中国が出来るはずありません。
それどころか人民元は、円に対して1人民元は20円にまで高騰しています。
因みに民主党政権下の2011年当時、1人民元は11円という超円高でした。
これでは日本が一人負けしたのは無理ありません。
当時から心あるものたちが円安を求めても、円高は日本経済が強いからでこれは良い事だ、と藤井元財務相、安住財務相など嘯いていたんです。
現在は日本は円安を認められているのに、人民元は超割高に成っていると中国が思うのは自然でしょう。
そこで最後の切り下げ国として、中国が踏み切るのではないかと世界が注視しているわけです。
中国が30%人民元切り下げた場合、どんなことが起きるのでしょうか。
先ず、中国と輸出で競り合っている発展途上国にとっては、大打撃になります。
金融面での不安が途上国で起きるでしょう。
日本へもかなりの影響が予想されます。
第一に株価が急落しかねません。
これは安倍政権にとって結構痛いのです。
アベノミクスも頓挫しかねません。
しかし中国も1993年当時の引き下げ効果は期待できないと思います。
なぜならリーマンショック後、世界に先駆けて4兆元もの財政出動で経済を過熱化させました。
その後も理由をつけては、市場に資金を潤沢に供給してきたのです。
国内的には金融緩和をしていたわけですから人民元がドルに対して安くなっているのです。
ですからアメリカは人民元の切り下げではなく、引き上げろと要求しているのです。
そうしたことを承知で、中国が人民元の切り下げに踏み切るか、幅はどの程度か世界が注視しているわけです。
人民元の切り下げを一番恐れているのは、中国のお隣韓国でしょう。
大幅切り下げともなれば、韓国は2度めのIMFのお世話に・・・なら無いように頑張りましょう。
日本も大変ですから、今から日本は頼りに成らないことを自覚しときましょう。
>中国が人民元一日変動幅の拡大を発表 抜本的景気テコ入れ策の切り札 人民元大幅切下げのリスク
2015年07月24日 広瀬隆雄
中国の製造業購買担当者指数の数字が過去15か月の最低を記録しました。
これを受けて中国政府は人民元の一日の変動幅の拡大を発表しました。これは人民元切下げの予兆です。
およそ景気テコ入れ策で、通貨安ほど即効性のある方策は他にありません。
一例として2009年にギリシャ危機が発覚した際、EUはドイツを中心にスクラムを組み、まず為替を思いっきりユーロ安へもってゆくことでドイツの輸出にオーバードライブをかけ、苦境を中央突破しました。
同じことは日本にも言えます。アベノミクスとは、突き詰めて言えば、極端な円安の演出により景気を浮揚し、デフレから脱却する方策に他なりません。
このように、通貨安に導くことは、あたかも戦場で負傷した兵士にモルヒネ注射するように、一番早く、ラクになれる方法なのです。
中国の場合、これまで人民元を米ドルに緩くリンクしてきました。このところのドル高は、したがって人民元高を意味しました。
中国人民銀行がいくら利下げしたって、肝心の人民元がこれから利上げを控えた米ドルにリンクされているのでは、いつまでたっても景気浮揚効果は出ないのです。
今日、このニュースを受けてインドネシア・ルピア、韓国ウォン、タイ・バーツ、オーストラリア・ドルなどが下落しました。その理由は「アジア通貨危機の亡霊」に市場関係者がおののいたためです。
中国は過去に何度も人民元の大幅切下げを行っており、1990年代に入ってからの切下げは、それまでブームに沸いていたタイ経済の活力を殺ぎました。これが遠因となってタイのバーツ危機が起き、それはアジア全域を包む通貨危機へと発展したのです。
今日、アジア通貨市場で起こったことは、喩えて言えばホラー映画の予告編を見てオシッコちびってしまったような状態です。本当の恐怖は、これからです。
http://markethack.net/archives/51974580.html