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読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

32冊目:「竜馬がゆく(八)」

2010-12-18 15:01:52 | 
総評:★★★★☆ 以下、一巻から変わらず
面白い度:★★★★★
読みやすい度:★★★★☆
ためになる度:★★★☆☆
また読みたい度:★★★★★


竜馬がゆくもこれで最終巻である。
「坂の上の雲」では、明治維新後の復興する日本を描いていたが、
この明治維新という革命に賭ける志士たちの物語も面白かった。

まずは文化が面白かった。
封建制度をとっていて、身分がとても厳格に決められている。
下の身分に生まれたら、ずっと下の身分で暮らさなければいけない。
・・・まあ歴史の中ではいくつか例外もあったと思うが。

あと、当時の日本の統治体制。
今の日本のような中央集権国家が普通だと思ってたけど、当時は日本は藩という単位に分かれていて、違う藩に行くには自分の藩に届出が必要だったりして、どこにでも行ける訳ではないうことや、
藩はそれぞれ領主が治めていて、徳川幕府が全土と管理しているわけではないということが分かった。

これって歴史学んでいたら知ってて当たり前のことだと思うけど・・・


あと日本人って言葉。
これはこの時期から使われてきたんだなぁと思って、今までは、自分の藩の人間こそ国民で、他の藩の人間は部外者みたいな扱いだったけど、坂本竜馬が日本を一つの国にしたことで、日本人という言葉が共通の認識になっていったんだなぁと思う。


マジで坂本竜馬や西郷隆盛、桂小五郎やその他多くの志士たちで起こしたこの明治維新がなければ、本当に日本は外国の植民地になっていただろうなぁと思う。

ここから坂の上の雲の物語につながっていくが、本当に日本はよく今の形で残ったと思う。ホントに奇跡の上に日本は成り立っているんだと思う。
だって、、、中国は香港とか色々取られて植民地にされたし、韓国とかはもう分断されちゃってるわけだからね・・・

本当にすごいよ。愛国心っていう言葉があるけど、変な意味じゃなくて本当に日本という国がすごいと思うし、誇りに思うようになりました。国民性も本当にすごいと思う。
日本人全員がこの小説を読んで、そういった日本は今まですごいことをやってきた!ってことを知ると、日本も変わるとは思うけど・・・


そんな心を揺さぶられた小説でした!!


そんなんで竜馬はこの間で大政奉還を成し遂げる。
その後、竜馬はこれからの日本を形作るための暫定的な政府に関わる人たちの名前を書く。
そこに竜馬の名前がない。
西郷が不思議がって、なぜ坂本ハンの名前が無いのか?とたずねると。

わしゃぁ官僚的な空気は好かん。これからは世界の海援隊をやるきに。
と言った。
これが坂本竜馬なんだろうなぁと思う。


その後、竜馬はあっけなく死んでしまう。
あれほど何回も危ない目に会って、その度死線を潜り抜けてきたのに、
この大政奉還後、泊まっている宿に暗殺の刺客が襲撃し、あれほど明治維新のために活躍した竜馬と中岡慎太郎があっけなく殺されてしまった。

こんなことがあるのだろうかと思う。
本当に日本を変えて、やることが済んだらそのまま用済みかのようにいなくなってしまった。
「何者か」が日本をそうさせるように竜馬をこの時代の日本に派遣したのではないかと思ってしまう。

そういった歴史のあやがある。なんだろうか、とても不思議に思う。


小説では竜馬暗殺の事件もあっけなく書かれており、そのまま終わりとなってしまった。
自分としては、その後の戊辰戦争だったりしたことも知りたかったのだが、まあこの小説のテーマではないので仕方ないが・・・

そんなんで黒船襲来から始まった事件もこれで終幕となった。
色々な事をこの小説から知り、考えも変わったし、幕末から明治維新の日本をもっと知ってみたくなった。


坂の上の雲からの小説だったけど、自分の中に考え方の大きな礎が出来たような、そんなとても衝撃を受けた経験でした!!
是非色んな人に読んでもらいたいと思う小説です。
そんなんで、以上☆

31冊目:「竜馬がゆく(七)」

2010-12-10 00:12:03 | 
総評:★★★★☆ 以下、一巻から変わらず
面白い度:★★★★★
読みやすい度:★★★★☆
ためになる度:★★★☆☆
また読みたい度:★★★★★


竜馬がゆくも終盤に差し掛かってきた。

七巻はいままでよりちょっとトーンダウンし、竜馬の商売についてメインに書かれている。

最後、薩長で、倒幕をするための武装準備にメドが付き、後はきっかけがあれば幕府に対して戦争を起こせるという所まで行くのだが、このまま戦争に突入すれば、内戦の後、疲弊しきった日本は外国の格好の餌食になってしまう。

そのために、戦争を起こさせずに政権を朝廷に返上する大政奉還の策を竜馬は考え出す。
この大政奉還はこの時代、薩長が勝つか幕府が勝つかという世論にあった中、薩長も幕府も生き残るという誰も考え付かないような案だった。

何よりも、竜馬の故郷である土佐藩がどっちつかずな体制にあった中、大政奉還の提案を行うことによって、この土佐藩の名目も立てられるという、一石三鳥ほどの効果を持つまさに妙案であった。


この大政奉還の案は竜馬が原案という訳ではなく、勝海舟が以前竜馬にちらりと話した内容を基にしたものだった。すでにこの物語から引退しているような勝海舟がまたここで異彩を放つように話に出てきた。本当は日本は勝海舟によって動かされているんじゃないかと思える程だった。

そして物語のクライマックスに向けて竜馬がまた動き出す。


最後に、薩長の間でうまく立ち回っていたのが竜馬だったが、もう一人いる。中岡慎太郎という志士である。
竜馬が表で立ち回っているとしたら、中岡は陰に日向に起用に立ち回っていた人物といえるだろう。

それも実際に行った行動というのは竜馬以上ともいう。

中岡は竜馬と同じ土佐藩出身で、脱藩をし、藩という楔を捨てて、自らの危険を顧みず両藩のために尽くした行動というのはとても感心する。
中岡の夢に向かう志の高さと、人のよさがとてもよく出ていると思う。

そんな中岡が小説を見ていてとても気に入った。


あと同じ土佐藩の後藤象二郎。
後藤は藩の正式な役人であるが、この人も物語の終盤に大きく奔走する。
土佐藩のために、という思いが強かったかと思うが、この人の明朗快活な性格も役人ながらとても好印象だった。

あまり維新後は活躍できなかったらしいけど・・・


そんなんで、薩長だけでなく土佐藩にもとてもいいなぁと思える人物がいて、幕末ってホントにすごい人たちばっかりいるなぁと思った七巻だった。


30冊目:「竜馬がゆく(六)」

2010-12-09 00:49:51 | 
総評:★★★★☆ 以下、一巻から変わらず
面白い度:★★★★★
読みやすい度:★★★★☆
ためになる度:★★★☆☆
また読みたい度:★★★★★


六巻では、幕末の転換期とも言うべきとても大きなことが起きた。
薩長同盟である。


長州藩と薩摩藩は仲が悪い。
仲というのもどうかとも思うが、まさに水と油の関係であった。
長州藩が京都を追われ、一転「朝敵」となったのも、薩摩藩が原因といっても間違いではない。
機会があれば、お互いがお互いの藩に攻め込み、追い詰め、根絶やしにしようとしていた。

今で言うと北○○と○国みたいなものであろうか。
しかしそれと異なる事が一つあるとすれば、それはお互いの目的が一致していて、倒幕、回天をなしえようとしている所だ。

しかしその目的を遂げようという所では、国力、財政、武力、人材が一つの藩だけでは足りない。
竜馬は以前から、この活気に満ちた二つの藩が手を組めばどうなるだろうと思っていた。

本当にこの頃の薩摩、長州は逸材と言うべき人物が多数出現している。薩では西郷、大久保、小松、大山、長州では桂、高杉、久坂(死亡)、山県、伊藤、井上、などなど。
以後の明治を彩る人たちがこの時代、この藩からたくさん輩出されている。


これも歴史の面白さなのであろうかと思う。


竜馬はこの難題をこの巻で紆余曲折はあるにせよ成し遂げた。
この薩長同盟があったからこそ明治維新を成し遂げられたと言ってもいいだろう。


しかし過程では実際、同盟のきっかけを竜馬が仲立ちしたからといって、ことがうまく進むわけでもない。
西郷も桂も、竜馬とはとても親しいが、西郷、桂もお互いに恨みつらみが渦巻いている。
まず一回目の会合は失敗した。両者会う、という話までいっていたのにとても残念である。

竜馬が何とか漕ぎ付かせた二回目の会合でお互いが互いに面と向かって会うことになるのだが、やはりここでもうまく行かなかった。
お互いが同盟の話を切り出せないのだ。

桂は西郷と会って、同盟の話を切り出すよりも、まず今までの恨みというべき出来事と一からつらつらとさらけ出したらしい。
そこを西郷も文句一つ言わずに聞いていたのは本当にすごい。


しかし、ここで重要なのは、有利な立場である薩摩藩からこの話を切り出さなくては、両者対等という同盟は成立しないのである。
薩摩藩は長州藩に比べて、圧倒的に有利な立場にある。ここで長州藩が下手にでて、同盟の話を切り出しては、これからの両者の力関係がうまく行かず、協同もなしえないだろう。


竜馬は、西郷と会ったが肝心な話が出来なかったという桂の事後報告を聞いて、今までにないくらいの怒りの顔になったという。
ここでの桂の胸中も、無念やら絶望や、今までの恨みだったりしたものが渦まいて、正気ではなかったであろう。
しかし、桂は竜馬には「この同盟がうまく行かなくても、薩摩との思いは同じ、薩摩だけでも幕府を倒してくれれば、長州が滅びでも構わない。」と打ち明けた。


すぐに竜馬は薩摩藩邸に行き、西郷の説得を行う。
「もうお互い、対面遊びはやめにせんか」と怒りの表情で西郷に告げた。
西郷もここに来てやっと決断し、自分から長州に話を打ち明けることを決めた。


ここのくだりは何回も見返してしまった。
竜馬がゆくで一番重要なシーンだと思う。
すごい、幕末の緊張が一番凝縮された時だと思う。
ひたすらすごいと感じた。でも長州は本当に切ない。。。


そして薩長同盟、成る。

その後、竜馬は寺田屋の旅館で幕府側の藩の刺客に襲われることになる。
ここもおりょうが裸で竜馬に危険を告げに来るという有名なシーンがある。
そして、竜馬は怪我を負い、養生しているうちにけなげに看病をするおりょうに心を惹かれ、結婚?そして新婚旅行をする。


六巻も五巻に続き、まさに幕末の見所ばっかりで最高潮の内容であった。

29冊目:「竜馬がゆく(五)」

2010-12-07 23:53:31 | 
総評:★★★★☆ 以下、一巻から変わらず
面白い度:★★★★★
読みやすい度:★★★★☆
ためになる度:★★★☆☆
また読みたい度:★★★★★


五巻、いままでジワジワ来ていた面白さが爆発した!
幕末の風雲が動き出した。

まずは池田屋の変。
長州藩が倒幕のための話し合いを京都にて連日行っていたが、
いよいよ行動を起こそうという決起集会で、志士たちが一同に集まった機を突いて、新撰組が討ち入りに入った。

長州藩は虚を突かれ、新撰組に対して後手に回ってしまった。
それも回りは新撰組が敷いた包囲網に囲まれてしまっており絶対絶命である。
それも新撰組はフルメンバー。近藤、土方、沖田、永倉、など、名だたる剣豪をここに投入してきた。
長州の多くの有能な志士たちがここで命を落とした・・・


桂小五郎、高杉晋作は、運よくこの場には居合わせなかったが、ここから長州藩の転落が始まった。


池田屋の変にて頭に血が上った長州はさらに、京都にて、朝廷を無理やりにでも奉って
政権を握ろうと、蛤御門の変(禁門の変)を起こした。
ここでも幕府と手を組んだ薩摩藩の活躍により敗北を喫した。

この騒乱から、長州は「朝敵」の烙印を押され、長州藩の者が京都にいるだけで切り殺されるという、凄惨な状況にまでなってしまった。
この間、桂小五郎はひたすら身を隠し京都から脱出する工作を行っている。
よくここで死ななかったなぁと思う。


そしてこの巻からやっと西郷隆盛が出てくるが、この人も本当にすごい人だと思う。
まずつかみ所がないらしい。
そこは竜馬と似ている所がある。

さらに人心を掌握するのがうまく、多くの人がこの西郷隆盛を慕っている。
ここも竜馬と似ていると思う。
そして稀代の外交上手らしい。

またこの西郷隆盛の生家のすぐ近くに、大山巌、山本権兵衛、そして東郷平八郎など、後の日露戦争で大活躍をした人物の家があり、坂の上の雲を先に見ていた自分としては、キター!と思ってテンションが上がった。

マジここから大久保利通や西郷従道など、幕末、明治の英雄が何人もでていて、なんだこの土地はと思う。


そんな西郷隆盛と竜馬の対面もあり、この巻はまるまる全部面白く見させてもらった。
それもこの二人を引き合わせたのは勝海舟!
どんだけこの人はお膳立てをしているんだと思う。
ちなみに自分としては竜馬より西郷派です。


そんな感じで最高潮の五巻だった。

28冊目:「竜馬がゆく(四)」

2010-12-02 23:38:16 | 
総評:★★★★☆ 以下、一巻から変わらず
面白い度:★★★★★
読みやすい度:★★★★☆
ためになる度:★★★☆☆
また読みたい度:★★★★★


四巻は色々新しい人物が出てきた。

まず新撰組。
有名な近藤とか土方とか沖田とかはまだ出てきてなく、創生期にいた藤堂平助という人物が出てきた。
新撰組が主人公格になっている物語がたくさんあるが、ここでは竜馬たちとは思想が異なる、敵側として登場してくる。

こういう所が面白い。
逆に前にやっていたNHKの新撰組のドラマは竜馬は敵役だったのだろうか・・・
こういった時代を彩る登場人物が多く登場し、それぞれお互いの面からの主義や主張があるあたりが幕末の面白さなのだろう。


その他、竜馬が海軍塾の私学学校を設立し、志願してきた陸奥陽之助(後・宗光)。
この人は、「坂の上の雲」にも出てきたし、明治時代に布かれていた日本の外国との不平等条約を解消した、日本きっての名外交官として有名である。

初めて出てきた時「オッ!」って思った。
ただしまだ若いからか、そういった片鱗はあまり見せず、頭は切れるが生意気な若者っていうイメージがある。
でもこの時期からずっと竜馬と一緒にいたんだなぁと思った。
よく維新を生き残ったよ。。。


そして竜馬と志を一緒にした土佐の雄、武市半平太の死。
この人が生き残ってたらどんな土佐になり、どんな日本になっていたんだと思う。
竜馬とは、脱藩するか、藩に残るかで命運を分けたが、藩に残った武市に時勢がまだ追いついていなかったのが残念である。


あと竜馬とさな子の恋だったりした所も面白かった。

そんなんでじわじわと面白くなっていった四巻も良かったです。