大腸の非腫瘍部にあった生検痕です。先ほどの胃粘膜と同様,陰窩上皮にして10数本分の大きさがあります。粘膜筋板が断裂し,厚い線維化が生じています。病理医としては生検組織はできるだけ大きい方がありがたいのですが,腫瘍内にこの様な線維化が生じると内視鏡治療が困難になることがあります。
idiopathic mesenteric phlebosclerosisの大腸生検です。日本人を中心としたアジア人の報告がほとんどです。稀な疾患ですが、特徴的なレントゲン、内視鏡画像や病理組織像を知っていると診断は容易です。この疾患の大腸生検を初めてみるとアミロイドーシスと間違えそうになります。線維化の部位によってはcollagenous colitisも鑑別にあがりますが、CCでは粘膜固有層に好酸球を含む慢性炎症細胞浸潤が目立ちます。