胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

Sekretorische Stoerung、幽門腺細胞の空胞変性(2)

2009-07-22 | 胃炎
 先ほどの弱拡大です。空胞化した幽門腺の上部に腸上皮化生がみえると思います。この幽門腺は不完全型(胃腸混合型)腸上皮化生の底部ではなく、粘膜上部が腸上皮化生に置換されたために遺残した幽門腺とみてとれます。腺腫や癌といった腫瘍の深部に同様の所見をみることもあります。
 (腺癌でも核下空胞のような変化を示すことがありますので、誤解なきよう)
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Sekretorische Stoerung、幽門腺細胞の空胞変性(1)

2009-07-22 | 胃炎
 少しオタクな内容ですが、教科書にほとんど記載がなく、しばしば質問される組織像です。胃の幽門腺細胞が「核下空胞」のような所見を示すことがあります。領域性があるので、もしかして??と思われる方が少なくありません。本当のところはよくわかりませんが、私は独逸の師匠から"sekretorische Störung"と教わりました。直訳するとsecretory disturbanceです。昨年、カナダの偉い先生は、ドイツ人のPGAをレビューしていたときに、「ドイツ人はこの所見が多いね」と言われていました。先日は、浪速方面の病院からのコンサルトで、ブルンナー腺に同様の所見がみられました。(タイトルのoeはoウムラウトです)
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大腸癌研究会

2009-07-06 | 研究会、学会
 第71回大腸癌研究会が鉄道博物館の近くでありました。
 大腸腫瘍の病理診断に関して、この研究会のプロジェクト研究から得られたエビデンスを基盤として、近い将来、ガイドラインや規約に次のようなことが反映されていくであろうと思われます(順不同):
1) 深達度の問題(早期ではsm、進行では漿膜のない部位など)
2) 簇出
3) desmoplastic reaction
4) 壁外非連続性癌進展病巣(いわゆるEx因子)
5) 鋸歯状病変(SSP/SSA)
6) ly, vの表記
などです。
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大腸、有茎性ポリープ型sm癌、大腸癌研究会

2009-07-01 | 大腸腫瘍
 大腸有茎性ポリープ型sm癌のルーペ像です。これはいわゆるHaggittのレベル1かレベル2か、つまりstalk invasionか否か、基準線の引き方で変わりそうで難しいですね。
 明日、明後日、大腸癌研究会が鉄道博物館の近くで開催されますので、お会いしましょう。
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