食道がんで術前に放射線療法や化学療法を施行される症例が増加してきました。取扱い規約の病理組織学的判定基準で「著効 Grade 3 markedly effective」と判定できる症例も時々経験されます。
日本病理学会関東支部学術集会が新宿港町でありました。胃癌取扱い規約第14版に関する講演がありました。一般演題では、胃幽門部に特異的に発生する極めてまれな非上皮性腫瘍が報告されていました。plexiform angiomyxoid myofibroblastic tumorと呼ばれているものです。写真は私の骨軟部の先生が米国時代にplexiform angiomyxoid tumorという名前で有名誌に報告された症例のスライドガラスを撮らせてもらったものです。紡錐形腫瘍細胞はSMAに染まり(dense cytoplasmic? tram track??)、一部desminにも染まったそうです。
先日大腸ファイバーの検査を受けました。S状結腸に小さなポリープがあり、通常内視鏡・拡大内視鏡観察で過形成性ポリープでした。生検鉗子でちぎってもらいました。写真左がその時のポリープです。鋸歯状の陰窩上皮がみられますが、異型性はなく、陰窩は底部で狭くなり全体に尻すぼみです。右は今話題のsessile serrated adenoma/sessile serrated polyp (SSAP)に合致する組織像を示す鋸歯状病変serrated lesionです。似て非なるもの?