さきほどの未分化癌のVimentin染色です。「Vimentin陽性未分化癌」と言ったりもします。これは胃癌ですが、食道や腸原発もごく稀に見られます。実際は色々染色しまくってあらゆる可能性を否定することが必要です。
胃の「未分化癌」(とした症例の写真)です。"undifferentiated carcinoma"です。よく似た言葉の「未分化型癌(undifferentiated-type carcinoma)」とはちょっと異なります。HE標本をくまなく探しても、明らかな上皮性分化がよくわかりません。個々の細胞が形質細胞に似ていたり、いわゆるRhabdoid featureを示したりします。実際の標本では形質細胞腫を含むリンパ腫、GISTを含む肉腫など色々鑑別にあがり、議論になります。
たいへん難しい診断です。
たいへん難しい診断です。
きれいな層構造のみられる印環細胞癌です。ESDの適応拡大症例でみられたものです。「未分化型」とかdiffuse typeとされる印環細胞癌で、非腫瘍の胃腺管と同様の分化傾向(層構造)がみられることは、既に1980年代前半、伊賀流一門の先代当主が一流英文誌で発表し、受け継がれています。
核異型が乏しく、この構造が保たれている限り、印環細胞癌は横方向へ広がり、深部浸潤傾向はあまり示しません。ESDの相対適応条件を拡大するために注目する所見のひとつであることを、現施設の先代当主のグループが報告しています。
核異型が乏しく、この構造が保たれている限り、印環細胞癌は横方向へ広がり、深部浸潤傾向はあまり示しません。ESDの相対適応条件を拡大するために注目する所見のひとつであることを、現施設の先代当主のグループが報告しています。
抗がん剤胃炎の生検組織像です。知っておかないと思わぬ失敗をするかもしれません。臨床情報が大変重要な胃生検の代表例です。
核小体の目立つ腫大した核、変性腺管、管腔内壊死など癌でみられる「異型」がいろいろ出現します。これが癌でないという理屈を書くと色々ありますが、ちょっと変だぞど思って臨床経過を聞くと、なるほどと思うことがあります。GVHDの胃粘膜でもいやな異型性が出てくることがあります。
核小体の目立つ腫大した核、変性腺管、管腔内壊死など癌でみられる「異型」がいろいろ出現します。これが癌でないという理屈を書くと色々ありますが、ちょっと変だぞど思って臨床経過を聞くと、なるほどと思うことがあります。GVHDの胃粘膜でもいやな異型性が出てくることがあります。