大腸の非腫瘍部にあった生検痕です。先ほどの胃粘膜と同様,陰窩上皮にして10数本分の大きさがあります。粘膜筋板が断裂し,厚い線維化が生じています。病理医としては生検組織はできるだけ大きい方がありがたいのですが,腫瘍内にこの様な線維化が生じると内視鏡治療が困難になることがあります。
胃印環細胞がんのESD症例内にみられた生検瘢痕(生検痕)です。写真両側の赤いマジックのところは腫瘍部(sig)のマッピング用で,その間には腫瘍細胞がみられません。その代わりに非腫瘍粘膜が再生し,粘膜筋板が乱れて粘膜下層に線維化が生じています。がっつりとした生検痕の様で,腺窩上皮にして10数本分くらいあります。
生検痕については教科書にはあまり触れられていませんが,内視鏡像や肉眼像と病理組織像を対比する上で意外と重要です。また,生検鉗子程度の大きさの微小癌だと「ひとかき癌」も起こりうるわけです。
生検痕については教科書にはあまり触れられていませんが,内視鏡像や肉眼像と病理組織像を対比する上で意外と重要です。また,生検鉗子程度の大きさの微小癌だと「ひとかき癌」も起こりうるわけです。