Colorectal adenocarcinomaのHER2陽性像です(写真クリック!)写真右上では染まってないですね。Heterogeneityありです。
大腸でこのような強陽性像をみる頻度は胃よりもかなり低いですね。
*Stomach vs. Colon
手術材料:同じ!
生検材料;胃は染色陽性腫瘍細胞「5個以上のクラスター」が必要。大腸は「染色陽性腫瘍細胞の割合に関わらず・・・」
Colorectal adenocarcinoma HER判定基準
IHCスコア 手術材料
3+:>10%の腫瘍細胞について、側方の完全な細胞膜または全周の細胞膜において、強い染色強度で染色陽性像が認められる。
2+:>10%の腫瘍細胞について、側方の不完全な細胞膜または全周の細胞膜において、弱から中等度の染色強度で染色陽性像が認められる。または≦10%の腫瘍細胞について、側方の完全な細胞膜または全周の細胞膜において、強い染色強度で染色陽性像が認められる。
1+:>10%の腫瘍細胞について、側方の不完全な細胞膜または全周の細胞膜において、かすかな/かろうじて認識できる染色強度で染色陽性像が認められる。
0:染色陽性像を認めない。または≦10%の腫瘍細胞について、側方の不完全な細胞膜または全周の細胞膜において、かすかな/かろうじて認識できる染色強度で染色陽性像が認められる。
(判定に細胞基底側の陽性像を求めない)
IHCスコア 生検材料
3+:染色陽性腫瘍細胞の割合に関わらず、側方の完全な細胞膜または全周の細胞膜において、強い染色強度で染色陽性像が認められる。
2+:染色陽性腫瘍細胞の割合に関わらず、側方の不完全な細胞膜または全周の細胞膜において、弱から中等度の染色強度で染色陽性像が認められる。
1+:染色陽性腫瘍細胞の割合に関わらず、細胞膜において、かすかな/かろうじて認識できる染色強度で染色陽性像が認められる。
0:細胞膜における陽性像を示す細胞を認めない
(判定に細胞基底側の陽性像を求めない)
ベンタナ ultraView パスウェー HER2(4B5)の添付文書(第9版)より引用
高輪ゲートウェイ駅の細胞膜(屋根裏に注目!鉄骨+スギ集成材か?)
大腸でこのような強陽性像をみる頻度は胃よりもかなり低いですね。
*Stomach vs. Colon
手術材料:同じ!
生検材料;胃は染色陽性腫瘍細胞「5個以上のクラスター」が必要。大腸は「染色陽性腫瘍細胞の割合に関わらず・・・」
Colorectal adenocarcinoma HER判定基準
IHCスコア 手術材料
3+:>10%の腫瘍細胞について、側方の完全な細胞膜または全周の細胞膜において、強い染色強度で染色陽性像が認められる。
2+:>10%の腫瘍細胞について、側方の不完全な細胞膜または全周の細胞膜において、弱から中等度の染色強度で染色陽性像が認められる。または≦10%の腫瘍細胞について、側方の完全な細胞膜または全周の細胞膜において、強い染色強度で染色陽性像が認められる。
1+:>10%の腫瘍細胞について、側方の不完全な細胞膜または全周の細胞膜において、かすかな/かろうじて認識できる染色強度で染色陽性像が認められる。
0:染色陽性像を認めない。または≦10%の腫瘍細胞について、側方の不完全な細胞膜または全周の細胞膜において、かすかな/かろうじて認識できる染色強度で染色陽性像が認められる。
(判定に細胞基底側の陽性像を求めない)
IHCスコア 生検材料
3+:染色陽性腫瘍細胞の割合に関わらず、側方の完全な細胞膜または全周の細胞膜において、強い染色強度で染色陽性像が認められる。
2+:染色陽性腫瘍細胞の割合に関わらず、側方の不完全な細胞膜または全周の細胞膜において、弱から中等度の染色強度で染色陽性像が認められる。
1+:染色陽性腫瘍細胞の割合に関わらず、細胞膜において、かすかな/かろうじて認識できる染色強度で染色陽性像が認められる。
0:細胞膜における陽性像を示す細胞を認めない
(判定に細胞基底側の陽性像を求めない)
ベンタナ ultraView パスウェー HER2(4B5)の添付文書(第9版)より引用
高輪ゲートウェイ駅の細胞膜(屋根裏に注目!鉄骨+スギ集成材か?)
SSLD (sessile serrated lesion with dysplasia)その2です(写真クリック!)。領域性をもって周囲より少し異型性のみられる上皮があります。
MLH1免疫染色です(写真クリック!)。
ついでにPMS2免疫染色です。
異型性は低いですが、” Stratification of dysplasia into low-grade vs high-grade is not recommended, because it may be difficult and not reproducible due to the heterogeneity of morphological changes and the lack of correlation with loss of MLH1 expression‟ ということなので、low-grade dysplasia (LGD)とは言えません。日本語で何と言えば??"腺腫?” 、”腺腫相当?” 、”癌?” 、”癌相当?” 、あるいはそのまんま”SSLD?”
Nozomi Super-express bound for Tokyoからきれいな富士山が撮れました!
領域性をもった宝永火口が右方にみられます。
MLH1免疫染色です(写真クリック!)。
ついでにPMS2免疫染色です。
異型性は低いですが、” Stratification of dysplasia into low-grade vs high-grade is not recommended, because it may be difficult and not reproducible due to the heterogeneity of morphological changes and the lack of correlation with loss of MLH1 expression‟ ということなので、low-grade dysplasia (LGD)とは言えません。日本語で何と言えば??"腺腫?” 、”腺腫相当?” 、”癌?” 、”癌相当?” 、あるいはそのまんま”SSLD?”
Nozomi Super-express bound for Tokyoからきれいな富士山が撮れました!
領域性をもった宝永火口が右方にみられます。
SSLD (sessile serrated lesion with dysplasia)です(写真クリック!)。異型性のない鋸歯状上皮、少し腫瘍性異型のある鋸歯状上皮、そしてあからさまに腫瘍性異型のある鋸歯状上皮が認められます(Multiple morphological patterns of dysplasia often occur in a single polyp)。しかし、"Stratification of dysplasia into low-grade vs high-grade is not recommended, because it may be difficult and not reproducible due to the heterogeneity of morphological changes and the lack of correlation with loss of MLH1 expression"とDigestive System Tumours (5th)に記載されています。
同じ病変内の別のところです(写真クリック)。
粘膜筋板を越えて浸潤しています。これなら世界中のどこでもadenocarcinomaと言ってくれます。
というわけで、本例は"Tubular adenocarcinoma (tub1=tub2), invasive, in SSLD"というタイトルにしました。pT1bで、Ly1(D2-40)でした。
Heterogeneity in 東北新幹線
どっちもwithout dysplasiaです。
同じ病変内の別のところです(写真クリック)。
粘膜筋板を越えて浸潤しています。これなら世界中のどこでもadenocarcinomaと言ってくれます。
というわけで、本例は"Tubular adenocarcinoma (tub1=tub2), invasive, in SSLD"というタイトルにしました。pT1bで、Ly1(D2-40)でした。
Heterogeneity in 東北新幹線
どっちもwithout dysplasiaです。
大腸腺腫のclear cell changeとかclear cell adenomaといわれる病変です(写真クリック!)。
浸潤癌となればclear cell adenocarcinomaという表現になります。
検索すると症例報告や少数例のケースシリーズがいっぱい出てきます。最近のもので、丁寧に書かれた論文を紹介します。
おんせん県から PMID: 31077226
となりの県から PMID: 33420668
This is a lesion called clear cell change in adenoma or clear cell adenoma of colon (click the picture!). If it shows invasive growth, it would be diagnosed as clear cell adenocarcinoma. If you do a search, a lot of case reports and case series of a few cases will be found.
Here are some recent and well-written papers.
From Onsen Prefecture. PMID: 31077226
From the neighboring prefecture. PMID: 33420668
新緑の茶畑を背景にしてみました(2021.5.1.福用-大和田)写真クリック!
C11 with a tea field in the background during this fresh green season. (2021.5.1.Fukuyo-Owada, Shizuoka) Click the photo!
浸潤癌となればclear cell adenocarcinomaという表現になります。
検索すると症例報告や少数例のケースシリーズがいっぱい出てきます。最近のもので、丁寧に書かれた論文を紹介します。
おんせん県から PMID: 31077226
となりの県から PMID: 33420668
This is a lesion called clear cell change in adenoma or clear cell adenoma of colon (click the picture!). If it shows invasive growth, it would be diagnosed as clear cell adenocarcinoma. If you do a search, a lot of case reports and case series of a few cases will be found.
Here are some recent and well-written papers.
From Onsen Prefecture. PMID: 31077226
From the neighboring prefecture. PMID: 33420668
新緑の茶畑を背景にしてみました(2021.5.1.福用-大和田)写真クリック!
C11 with a tea field in the background during this fresh green season. (2021.5.1.Fukuyo-Owada, Shizuoka) Click the photo!
S状結腸のポリープからの生検組織です。
2018年のModern Pathologyに新しい鋸歯状病変として本邦から報告され、TSAの前駆病変と考えられています。SuSAとの略称も知られるようになってきました。
Biopsy from a polyp in sigmoid colon. Click the figure above.
Superficially serrated adenoma (SuSA) has recently been reported from Japan as a new entity of serrated lesion in Modern Pathology. It is considered to be a precursor lesion of traditional serrated adenoma.
2018年のModern Pathologyに新しい鋸歯状病変として本邦から報告され、TSAの前駆病変と考えられています。SuSAとの略称も知られるようになってきました。
Biopsy from a polyp in sigmoid colon. Click the figure above.
Superficially serrated adenoma (SuSA) has recently been reported from Japan as a new entity of serrated lesion in Modern Pathology. It is considered to be a precursor lesion of traditional serrated adenoma.
きれいな絨毛腺腫がありました(写真クリック!).
大腸絨毛腺腫ではGNAS変異がとても特徴的です.下記論文が参考になります.
Frequent activating GNAS mutations in villous adenoma of the colorectum.
J Pathol. 2012;228:113-8
Frequent lack of GNAS mutations in colorectal adenocarcinoma associated with GNAS-mutated villous adenoma.
Genes Chromosomes Cancer. 2014;53:366-72.
粘膜下層浸潤部では低分化なmucになっていました.
ランクル70とライオン
大腸絨毛腺腫ではGNAS変異がとても特徴的です.下記論文が参考になります.
Frequent activating GNAS mutations in villous adenoma of the colorectum.
J Pathol. 2012;228:113-8
Frequent lack of GNAS mutations in colorectal adenocarcinoma associated with GNAS-mutated villous adenoma.
Genes Chromosomes Cancer. 2014;53:366-72.
粘膜下層浸潤部では低分化なmucになっていました.
ランクル70とライオン
直腸carcinoid(WHO分類のNET G1相当)です.大きさ5mm程度です.断端陰性.
D2-40染色してよくみるとリンパ管侵襲があります(下の写真).
最近の有名誌の論文で,平均5mmの直腸NET G1で内視鏡的に完全摘除したもの87病変を平均67.5ヶ月経過観察したところ1例もrecurrenceやmetastasisがなかったそうです.ところが,全例免疫染色・特殊染色を行って必死で観察するとなんと42病変(46.7%)で脈管侵襲(ly and/or v)がありました.小さな直腸carcinoidの診断に際して,ly/vの有無でmetastasisのriskを評価することに疑問を投げかけています.
D2-40染色してよくみるとリンパ管侵襲があります(下の写真).
最近の有名誌の論文で,平均5mmの直腸NET G1で内視鏡的に完全摘除したもの87病変を平均67.5ヶ月経過観察したところ1例もrecurrenceやmetastasisがなかったそうです.ところが,全例免疫染色・特殊染色を行って必死で観察するとなんと42病変(46.7%)で脈管侵襲(ly and/or v)がありました.小さな直腸carcinoidの診断に際して,ly/vの有無でmetastasisのriskを評価することに疑問を投げかけています.
鋸歯状腺腫の一部です。最近はTraditional serrated adenomaの略語でTSAと呼ばれることも多くなりました。鋸歯状病変のカテゴリーにはHyperplastic polyp (HP), Sessile serrated adenoma/polyp (SSA/P)とTSAが含まれますが、「HP & SSAPチーム」とTSAを区別する組織学的特徴のひとつとして、異所性陰窩 ectopic crypt formation (ECF)が欧米の教科書や研究会で強調されています。
(更新をさぼっているうちに閲覧が40万件を超えました。いつもご来室ありがとうございます。)
(更新をさぼっているうちに閲覧が40万件を超えました。いつもご来室ありがとうございます。)
Dr Curry主催のSSAPプロジェクトに出席しました。SSAPは右側大腸に多く,large hyperplastic polypとかぶる疾患概念です。MSI-highの大腸がんの前駆病変としての意義がよく知られるようになりました。写真の右側がSSAPの部分,左側が粘膜内癌です(写真クリック)。WHO(2010)の基準にしたがえば,本例はSSAP with cytological dysplasiaという聞き慣れない診断名になります。
UCの粘膜を背景とした隆起性病変です(DALMとよぶひともいます)。腫瘍性の腺管であることはわかりますが、異型性は軽度です。粘膜下層に浸潤していますから、globalにadenocarcinomaといえますが、腺管だけみてもcarcinomaというのは難しいです(腺管だけならLGDでしょう)。いわば胃でいう低異型度・分化型癌の大腸版で、IBD関連で問題となることの多い病変です。
新しいWHO分類と大腸癌取扱い規約の虫垂のところを合わせてみました。
・良性上皮性腫瘍 Benign epithelial neoplasia
腺腫 Adenoma:大腸腫瘍の分類に準じる。
・低異型度粘液性腫瘍 Low-grade appendiceal mucinous neoplasm
粘液産生の多い胞体を有し、腫瘍全体に異型度の乏しい一層の円柱上皮細胞からなる腫瘍である。しばしば嚢胞状になり以前は粘液嚢胞腺腫とよばれた。
・悪性上皮性腫瘍 Malignant epithelial neoplasia
腺癌 Adenocarcinoma:大腸腫瘍の分類に準じる。
杯細胞型カルチノイド Goblet cell carcinoid:杯細胞に類似した細胞が、小集塊~個細胞性に増殖する。虫垂に好発し、内腔を中心に同心円状にみられることが多い。
(低異型度粘液性腫瘍と粘液癌が腹膜偽粘液腫 Pseudomyxoma peritonei / mucinous carcinoma peritoneiとなることがあり、前者も低異型度で高分化な粘液癌とみなすことができる。)
・内分泌細胞腫瘍、非上皮性腫瘍、悪性リンパ腫、腫瘍様病変
【写真はpseudomyxoma peritoneiとなったappendiceal tumorです】
・良性上皮性腫瘍 Benign epithelial neoplasia
腺腫 Adenoma:大腸腫瘍の分類に準じる。
・低異型度粘液性腫瘍 Low-grade appendiceal mucinous neoplasm
粘液産生の多い胞体を有し、腫瘍全体に異型度の乏しい一層の円柱上皮細胞からなる腫瘍である。しばしば嚢胞状になり以前は粘液嚢胞腺腫とよばれた。
・悪性上皮性腫瘍 Malignant epithelial neoplasia
腺癌 Adenocarcinoma:大腸腫瘍の分類に準じる。
杯細胞型カルチノイド Goblet cell carcinoid:杯細胞に類似した細胞が、小集塊~個細胞性に増殖する。虫垂に好発し、内腔を中心に同心円状にみられることが多い。
(低異型度粘液性腫瘍と粘液癌が腹膜偽粘液腫 Pseudomyxoma peritonei / mucinous carcinoma peritoneiとなることがあり、前者も低異型度で高分化な粘液癌とみなすことができる。)
・内分泌細胞腫瘍、非上皮性腫瘍、悪性リンパ腫、腫瘍様病変
【写真はpseudomyxoma peritoneiとなったappendiceal tumorです】
先ほどの粘膜下層浸潤癌の粘膜内病変を何カ所か示しています。上の写真で、核の多くは不整な類円形に腫大し複数の核小体を持っています。私は若い先生に「芽の出た不揃いな男爵芋の様な核は怪しい」と教えています。欧米基準でもhigh-grade dysplasiaとしたいところです。
下の写真は、粘液産生の目立つところです。前の記事の、粘膜下層に浸潤した腺管も同じ様な形態を示しています。粘液が豊富な腫瘍細胞は一見異型性に乏しいですが、よく見ると類円形に腫大した不整な核が認められます。また、緊満感のあるような杯細胞型(あるいはgloboid型)の細胞が腫瘍腺管内に目立ち、その高さや方向が揃っていない時は明らかな癌(あるいはhigh-grade dysplasia)と言えないまでも、それを疑うようにしています。
下の写真は、粘液産生の目立つところです。前の記事の、粘膜下層に浸潤した腺管も同じ様な形態を示しています。粘液が豊富な腫瘍細胞は一見異型性に乏しいですが、よく見ると類円形に腫大した不整な核が認められます。また、緊満感のあるような杯細胞型(あるいはgloboid型)の細胞が腫瘍腺管内に目立ち、その高さや方向が揃っていない時は明らかな癌(あるいはhigh-grade dysplasia)と言えないまでも、それを疑うようにしています。
大腸高分化腺癌です。弱拡大で一見したところ「これが癌かよ?」という印象を受けますが、腫瘍腺管が粘膜下層に浸潤しています。したがって、global基準でも腺癌です。
「偽浸潤では?」という英米系の病理医もおられるかもしれませんが、ドイツの師匠にならった理由(2008-11-20の記事「Was ist Invasion?」参照)から、私は粘膜下層浸潤ととらえています。この粘膜下層浸潤部の腺管の拡大をよく見て下さい。そして、次の記事も読んでください。
「偽浸潤では?」という英米系の病理医もおられるかもしれませんが、ドイツの師匠にならった理由(2008-11-20の記事「Was ist Invasion?」参照)から、私は粘膜下層浸潤ととらえています。この粘膜下層浸潤部の腺管の拡大をよく見て下さい。そして、次の記事も読んでください。
先日大腸ファイバーの検査を受けました。S状結腸に小さなポリープがあり、通常内視鏡・拡大内視鏡観察で過形成性ポリープでした。生検鉗子でちぎってもらいました。写真左がその時のポリープです。鋸歯状の陰窩上皮がみられますが、異型性はなく、陰窩は底部で狭くなり全体に尻すぼみです。右は今話題のsessile serrated adenoma/sessile serrated polyp (SSAP)に合致する組織像を示す鋸歯状病変serrated lesionです。似て非なるもの?