この前の胃と腸大会でも呈示がありましたが、大腸の低分化腺癌でinvasive micropapillary carcinomaといってもよい様な症例が報告され始めています。この名称は1993年はじめて乳癌で使われ、尿路上皮系でもしばしば経験されます。胃の症例報告も見られるようになりました。リンパ管様空隙の中に見られる微小乳頭状構造を特徴としますが、数多くの空隙の中で本当のリンパ管はごく一部です。病理ではinside-out patternというのがキーワードのひとつになっており、MUC1やEMA染色で描出されますが、大腸癌では通常MUC1はあまり染まりません。
さきほどのKi-67(MIB-1)染色です。一部では表層近くまで陽性細胞が認められますが、増殖帯に相当する部分は腫瘍腺管の基本的に中下部に局在します。Bottom-upな生長です。散発性のtubular adenomaやtubulo-villous adenomaは通常Top-down growthです。但し、散発性のものでも鋸歯状病変は基本的にボトムアップです。
全大腸炎型のUCにみられた扁平隆起性の上皮内腫瘍性病変です。IBDに関連して発生した腫瘍か、sporadicな腫瘍か鑑別が重要になるでしょう。
IBD-relatedの場合、DALMとかadenoma-like dysplasiaとか変なあだ名がついています。本邦では消化管の上皮内腫瘍にdysplasiaという用語を用いるのはあまり好まれていません。
IBD-relatedの場合、DALMとかadenoma-like dysplasiaとか変なあだ名がついています。本邦では消化管の上皮内腫瘍にdysplasiaという用語を用いるのはあまり好まれていません。
大腸有茎性ポリープ型sm癌のルーペ像です。これはいわゆるHaggittのレベル1かレベル2か、つまりstalk invasionか否か、基準線の引き方で変わりそうで難しいですね。
明日、明後日、大腸癌研究会が鉄道博物館の近くで開催されますので、お会いしましょう。
明日、明後日、大腸癌研究会が鉄道博物館の近くで開催されますので、お会いしましょう。