胃癌取扱い規約では高頻度に出現する腺癌を一般型とし、その他を特殊型としてきました。1999年発刊の第13版では腺扁平上皮癌、扁平上皮癌、カルチノイド腫瘍とその他の癌が記載され、その他の癌として小細胞癌、未分化癌、絨毛癌とα-fetoprotein産生胃癌があげられていました。第14版では、特殊型はカルチノイド腫瘍、内分泌細胞癌、リンパ球浸潤癌、肝様腺癌、腺扁平上皮癌、扁平上皮癌、未分化癌となっています。その他の癌としては絨毛癌、癌肉腫、浸潤性微小乳頭癌、胎児消化管上皮類似癌と卵黄嚢腫瘍類似癌をあげられています。発生頻度や用語などを再考し、Epstein-Barrウイルスと関連するリンパ球浸潤癌を低分化腺癌充実型から特殊型のひとつとして独立させた結果であると思われます。また取扱い規約では「一般型の胃癌の一部に特殊型の組織像がみられるものは、その旨を診断に付記する」ことになっています。内分泌細胞癌、肝様腺癌を含むα-fetoprotein産生胃癌、扁平上皮癌や浸潤性微小乳頭癌では分化型癌成分がみられることが一般的であり、分化型癌がそれらの前駆病変と考えられています。
某誌の来月号は特殊型胃癌の特集号です。
【写真】リンパ球浸潤癌の1例
某誌の来月号は特殊型胃癌の特集号です。
【写真】リンパ球浸潤癌の1例
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます