胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

日本胃癌学会、コンセンサスミーティング、Group分類

2009-03-09 | 研究会、学会
 第81回日本胃癌学会が江東区でありました。胃癌取扱い規約とガイドラインに関するコンセンサスミーティングがあり、その中で新しいGroup分類案が公になりました。

胃生検組織診断分類(Group分類)
分類
Group X:生検組織診断が出来ない不適材料
上皮成分が採取されていない標本、採取されていても挫滅や熱凝固で組織診断が出来ない標本がこの群に属する。
Group 1:正常組織および非腫瘍性病変
正常組織、化生性粘膜、炎症性粘膜、過形成性粘膜などが含まれる。びらんおよび潰瘍、過形成性ポリープなどに再生性・反応性異型がみとめられても、非腫瘍性と判断される組織は本群に含まれる。
Group 2:腫瘍性か非腫瘍性か判断が困難な病変
このGroupには次のような症例が含まれる。このGroup に含まれる診断をする場合は、臨床家へ対しては判断の困難な理由を明らかにし、付記することが望ましい。
1) 異型細胞は存在するが、組織量が少なく細胞異型からでは腫瘍性病変(腺腫または癌)としての判断が困難な症例。(臨床的な再検査を行い確定診断が必要。)
2) 異型細胞が存在するが、びらんや炎症性変化が強く腫瘍(腺腫または癌)か非腫瘍かの判断が困難な症例。(臨床的には消炎後再生検を行うか十分な経過観察が望まれる。)
3) 異型細胞が存在するが、病理組織の挫滅や障害が強く腫瘍(腺腫または癌)か非腫瘍かの判断が困難な症例。(臨床的な再生検を行ない確定診断が必要。)
また、このGroup分類の場合、病理側としては、まずは深切り切片などを作製し追加検討を行う。さらに本診断が続く場合には、専門家への病理コンサルテーションを行うことをすすめる。
Group 3:腺腫
この群の中には細胞異型および構造異型の点で幅のある病変が含まれるが、腺腫と判断されるもの。
Group 4:腫瘍と判定された病変のうち、癌が疑われる病変。
腫瘍性病変(腺腫または癌)と考えられるが腺腫か癌か鑑別できない病変。
Group 5:癌
癌の組織型を付記する。2種類以上の組織型が存在する場合、その組織型を優勢像から列記する事が望まれる。

(写真は夜の東京駅で捉えた500系です)
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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新しい分類は (流しの病理医)
2009-03-12 13:25:49
 ウィーン分類を取り入れた感じでしょうか。
2or4を2にまとめて、3は腺腫に限定するというのはすっきりしていると思います。まあ、個人的にはグループ分類自体の必要性を感じませんし、使う気もありませんが、、、
 変えないで、次の取り扱い規約改定の時に止めてしまえばいいのにと思っています。
返信する
また変わるのですか? (chie)
2009-04-05 21:33:36
流しの病理医さんはウィーン分類で返事されておられるのでしょうか?
わたしも、診断名だけでグループ分類は廃止すればよいと考えています。害が多いし、古文書みたいに古い症例は読み替えなければなりませんね。
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