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【拳骨日記】カイロプラクティック・コンディショニング・ルーム・Kの日々の臨床現場を通して医療のあり方を診療日記にしました

No 1037 身体との会話3

2009-11-27 | カイロプラクティック
ポジション#1で何をみるか? 

人間は二足歩行ができるのが一つの特徴である。重力下での二足歩行を安定されるには身体の神経系のメカニズムがふるに発揮せずには成り立たない。

特に感覚器の役割は重要である。平衡感覚、位置感覚、圧感覚などの受容器から情報が入り、中枢系から効果器へ情報の伝達が行われて姿勢の安定が維持できる。

重力下での起立二足は常に不安定さを打ち消すために体幹内在筋をはじめ抗重力筋が総動員される。受容器→中枢→効果器で多くは付随的に微調整されて起立二足を維持している。

このときの情報(不良姿勢)が習慣化されると常に間違った情報が入力されるためその修正を行うために身体を安定させるための筋肉の緊張が強いられるような神経の緊張が異常になる。

その習慣化された神経緊張は筋肉に対しても緊張をするように伝達されるために筋肉の過緊張 も習慣化される。よって、不良姿勢が起きる。当然歩行動作のクセもでる。

不良姿勢の原因は習慣化された間違った情報の入力、処理、伝達といった神経系の問題といえるのではないか。その間違った情報とは物理的情報、科学的情報、精神的情報でありこれといって特定はできないが、最近の野研究では脳(思考)の緊張は体幹(脊柱起立筋)の筋肉を通常の70キロ以上も緊張されると報告されている。

レジで支払う金額を計算しただけで背中の筋肉の緊張が70キロも増えてしまうのである。当然、怒りや不満、あるいは喜びでも緊張するし、パソコンで文字変換が旨くできずイライラしても筋肉の緊張はたかまる。

少しわき道にそれたが、ポジション#1では復臥位であるがこの立位時の習慣化された筋肉の緊張、すなわち神経の緊張をみる。その方法として重力下での起立二足動作を再現するように検査をする。

#1での目視検査で足のフレアー、下肢の長短、身体の不良姿勢は患者さんの個々に違うものである。その人の人生といっては大げさであるがその人の神経レベルでの緊張度合いが伺える。

目視検査に次いで、頭上圧が重力下での情報を再現させるための情報入力である。頭上圧を加えることによって学習された情報は再現され中枢で、頭上圧を加えたときに重力下での姿勢を再現させる。当然、習慣化した神経緊張は日常の重力下での二足を維持するための筋肉の緊張が再現される。

復臥位でも重力下での姿勢維持の、その人の不良姿勢、すなわち筋肉の緊張によって骨盤のねじれ、下肢の長短が見えるのである。

拳骨

No 1036 身体との会話2

2009-11-25 | カイロプラクティック
下肢長の変化は神経反射によって起こる。この神経反射を読み取り身体が何を訴えているか読み取ることを磨く必要がある。

AMの下肢長反応を単なる構造的な変化で捉えると身体の訴えが読み取れなくなる。何度もいうように人間の体は機械のようなロボットではないので寸分たがわず左右まったく同じ寸法ではない。

その違いを理解せずに、下肢の長さがまったく同じと思って評価するとそこからつまずいて先を進めなければならなくなるのでお先真っ暗になってしまう。

アイソレイションテスト、ストレス、プレッシャーテストで何を読み取るか?何度もいうように神経反射の反応を読み取る。この反応を読み取れれば右とか左とかはあまり意味を成さない。

初心者には理解できないかも知れないが身体を使っての会話ができてくればいずれわかるだろう。

誤解がないように順を追って説明していく。

AMの検査は復臥位で行う。この復臥位でアイソレイションテスト、ストレス、プレッシャーテストをこなって、その反応を左右の下肢の長さの変化に求め、サブラクセーションがあるかないかを見分ける。これがP#1である。

この復臥位検査のときに幾つかの注意が必要である。この何気ない検査動作は簡単なようであるがある程度の熟練が必要になる。

この検査動作ができるかできないかで神経反射反応をみれるか、見逃すか分かれ目になる。

拳骨

No 1035 身体との会話1

2009-11-19 | カイロプラクティック
AMの下肢長検査で何をみるのか?

#1ポジション、#2ポジションこの一連の下肢長検査の反応は何をみるのかで術者の治療のターゲットが変わってしまう。

単なる下肢の長さの変化だけをみていると落とし穴に落ちて無視なうことがある。下肢の長さは解剖的な違いがあるので必ずしも左右まったく同じとはいえない。

それころ人工的に作った骨を使ってロボットなら別だが。もっとも西洋医学は人間のからだをそのロボットのごとく診立てているのから左右の長さが少しでも違うと問題だという。構造重視の検査も同じだろう。

下肢長の変化はすなわち筋肉の変化である。どう考えても骨、関節のみで動くことはない。関節を動かすのは筋肉である。

この生理現象は地球がひっくり返っても変わらない。よくテレビなどで骸骨のみがダンスをしているマリオネットかアニメ的なものがあるが、関節だけで動くのはお笑いの世界だけである。

構造的な下肢の長さや関節の動きだけをみてしまうとマリオネットの世界で操られている結果をみているだけで、その操っている張本人が見つけられなくなってしまう。

操り人形を操作している張本人を見つけ出すのが治療家の仕事である。少なくてもAM臨床家であるなら裏で操っている張本人を見つけてもらいたい。AMはそれができるテクニックである。

下肢長の変化は筋肉の変化である、更に筋肉の変化は筋肉をコントロールしている神経の働きである。深く追求すれば随意的、無髄的、反射か意図的か中枢系の問題も見える。

筋肉の反応をみることで末梢系から中枢系まで異常を見出すことができる。本来であれば基礎教育のなかで既に学んだことだ。だが、基礎教育の神経学はどうも苦手という方が多い。

特に臨床に役立たないものが多い。臨床的に役立つ神経学を学ぶことによってカイロプラクティックのアイデンティティーが見えてくるだろう。神経学の造詣が深まれば深まるほど身体との会話ができ、身体を検査指標として役立つ。

拳骨

No 1034 臨床へのこだわり12

2009-11-16 | カイロプラクティック
カイロプラクティックの検査法としては患者のからだを使って行うのが原則である。なかにはナーブスコープやコンピューターを使うこともあるがほとんどは静的、動的パルペーションが主である。他に筋力検査を行いカイロプラクティック特有のサブラクセーションを見つける。

静的、動的パルペーションは隣接関節の動きをみて関節構造の機能を評価する。いわゆる構造機能をみる評価である。一方の筋力検査は力が入る、入らないといった筋肉機能を評価しながらサブラクセーションを見つける。

筋肉機能は神経機能に依存しているので筋肉評価をとおして神経機能を評価していることになる。ここで何を基準にして身体を評価するかでおのずと治療の対象が分かれる。

隣接関節の静的、動的な動きを評価すれば当然、治療の対象も関節機能を改善することに絞られる。筋肉機能を評価しながら神経反射反応をみれば神経の働きの改善を目的とする治療をおこなう。

AMの評価はAM特有の下肢長検査である。この下肢長検査は一見すると単なる左右の下肢の長さの有意差を見ているだけに思われがちだが、さにあらず足の長さは結果であり、その長さの変化はどうして起きるのか?そこが着目するところである。

単なる足の長さの有意差だけをみることが評価とされ、いとも簡単に誰でもできると思われてアクティベータ器が一人歩きをしていた原因かも知れない。いまだにメソッドを無視されて施術者の都合のいい使い方をされているようだが・・・

いずれにせよ単なる下肢長の長さを評価していてはAMの技術は向上しない。下肢長変化は神経学的な反応の現れという理解することが大切であり、技術の向上につながる。

通称「赤本」というAMCTの本があり第2版の改訂版がエンタープライズさんからでたが、この第2版ではこの下肢長の変化が神経学的な反応であることが詳細に記載されている。#1ポジションにおける神経反応、#2における神経反応が記載されている。

#1、#2ポジションにおける神経学的なメカニズムを理解することは技術の向上には絶対条件である。ただ単に#1から#2へ下肢を挙上するのと、この動作のときはこんあ神経学的な反応があるのだな・・と解釈しながら挙上するのでは大きな差がでる。

拳骨


No 1033 臨床へのこだわり11

2009-11-12 | カイロプラクティック
AMの評価は神経学的な反応である。その反応を下肢長の差でみて神経反射反応を見極めて脊柱レベル、四肢レベルの神経機能異常を見つけることにある。

AMというとアクティベータ器(AMI)という矯正器具のイメージが強い。アクティベータメソッドを知らない方はアクティベータ器そのものをAMと勘違いをしている。

勘違いをしている方はきように臨機応変四肢の矯正や高齢の方に安全と称して使っているようだ。もっとも、高齢の方、小児、捻挫、外傷などの矯正には力任せの手技の矯正はリスクがともなうのでアクティベータ器を使うのだろう。

日本のAMの発展は正式に卒後教育としてのセミナー開催まではアクティベータ器の一人歩きでいろいろな使い方をされていた。

当然、間違った使い方や器具を使った矯正法ということで誤解を招いていたこともあり、以前はクレームなどついた経緯があった。低振動の刺激でそこそこ効果がでるのでいろいろな臨床の場で重宝されたのだろう。

器具の一人歩きは施術者に哲学をを求めず安易な使用は屈折した将来をたどってしまうことがありAMの発展の妨げになることも考えられる。

やはりAMを使用するならAMの哲学、治療理念を理解したうえで使うべきである。カイロプラクティック哲学を機械的なものに見出したものがAMで構造を矯正しようとしても矛盾を感じる。

カイロプラクティック哲学を機械論的なものに見出したならしっかりと構造に変化がでるまでこだわることが必要だろう。しかし、そのこだわりは必ずしも患者の利益に結びつくとは限らない

機械論であり、有機論でありいずれにせよ治療かであるならそれなりの治療理念や哲学を持って治療することが必要である。決して治療技術のこだわりではない。治療技術にこだわるとその技術に患者さんを治めなければならなくなる。

技術に収さめた治療を行うと収まる患者さんはいいが、収まらない患者さんは適合しなくなる。得意技を持たず臨機応変万能的な対応ができる技術がいい。

臨機応変万能な治療を提供するには、万能な検査や評価ができることが理想である。そこで機械的に診立てると評価イコール治療であるため、治療も機械的なものから先がなくなってしまう。機械的な治療に当てはまる患者さんには適応するだろう。

しかし、人間は生命体であることは否定できない。生き物である。生き物は一分一秒とて同じ生命体ではない。刻々と変化する細胞や思考などを随時、そのときの症状と、どう関係しているか見抜く必要がある。

拳骨

No1032 臨床へのこだわり10

2009-11-09 | セミナー
治療をする際に何を評価して診立てるのかは重要なことかはわかったと思う。ある先生は骨盤の歪みが原因といって骨盤の歪みを評価する。

ある先生は筋肉が原因と筋肉の評価をする。それぞれ評価の仕方によって治療法も当然変わってくる。

AMのテクニックは評価を下肢長の変化でみると思われえているが単なる構造的な下肢長の変化をみているのではない。下肢長の変化は神経学的な変化の表れとしてみている。

末梢の受容器から刺激を入力して神経反射反応を引き出し、どこに問題があるか評価する。その神経反射反応を評価する再に膝関節を軸に膝の曲げ伸ばしで下肢の長さに差が生じ、その差を読み取るのだが簡単なようだが結構、一朝一夕とは行かない。ここがまた面白いところである。

昨日も今年最後のAMセミナーが行われて全国各地から熱心な受講生が参加してくださった。今年最後ということで認定更新の先生方も多かった。

認定更新の先生方は年に一度参加すればいいのだが、そのせいか普段のオフィスの治療を行っている習慣で基本からずれが生じている方も目立った。

一人親方で治療を行っている先生は誰も癖や間違いを指摘してくれず基本からずれたままで行っている。やはりそのような先生は神経反射反応を旨く引き出せずにいたことが目に付いた。

認定を取得してからがスタートくらいに思っていただけるといいのだが、どうしても認定というハードルをクリアすると、そこで一息ついてしまうらしい。認定試験は採点項目があり、その項目でも大方のことができればクリアする。落とす試験ではないので臨床で使っていれば難関ではない。

認定を取得すれば臨床ですぐに結果が出せるかというとそうでもない。臨床は臨床である。認定取得するまでの勉強をした知識、技術を今度は臨床という場で応用として工夫を凝らし腕を磨いていくことが必要である。

拳骨

No 1031 臨床へのこだわり9

2009-11-02 | カイロプラクティック
人間を生命体としてみた場合の生命維持の原理原則は何か? それは「神経」である。この神経系の働きで生命維持ができている。

末梢から中枢、中枢から末梢と情報の収集、伝達とやり取りをして生命維持に必要な営みが遂行されている。この神経系の働きが低下すると各系の機能低下が起きる。消化器系、循環器系、内分泌系、筋骨格系・・・当然、恒常性の低下もおこる。

更に、そこに外的要因が加わり生体内の恒常性が変調を起こしてると病気や怪我といった心身の不調が起きる。その結果として傷病名がつく。

機械的に生命体をみると結果が見えるので、どうしても結果を対処療法的に治療をしてしまう。代替医療の治療法も西洋医学のもとで教育を受けた治療法ではまったく同じである。

前述したように代替医療のアイデンティティーは何か? 機械論的思考から目線を変えて診立てをすれば診なければならないものが見えるはずだ。生命の原理原則ともいうべき神経系の機能を診ることが、人間を生命体として、すなわち有機論的にみていく上で神経反応をみるのは必須である。

神経学的な反応をみる方法は瞳孔や眼球運動などいくつかあるが、やはり最初は筋肉を利用してみる方法が総体的でわかりやすい。筋肉を利用して神経反射反応をみ方法はOリング、AKなどがあるがAMの足長検査もその部類に入る。


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