先日のANJ臨床研究会でこんな症例をデモさせて頂いた。
右股関節の運動制限があり、可動域の現象は勿論、動き自体が窮屈で「段発股」にも似たような動きとクリック音が感じられる症状である。
その方は何回か同僚や他の先生方から既に治療を受けていたが、何度となく治療をしても再発していたようであった。この時の実技の時間にモデルになり他の先生方と治療を行っていた。
構造からのアプローチや経絡からのアプローチといろいろ手を尽くしたが周りの先生方ではお手上げであったようだ。そこで小生に声がかかり診てみた。
小生は必ずしも筋骨格系の問題は構造のみと思っていないので、今回のテーマである「神経筋反射の応用」で検査を進めた。最初はAMでベイシックを型どおり治療を行っていくうちに神経筋反射の異常がでてきた。
この神経筋反射の異常とはアイソレーションTやストレスT、プレッシャーTでの通常の反応とは違うものである。この反応は形的には現れにくいので、通常の下肢長検査を型どおりにこなっていると気づかないだろう。
ここはアートの世界になってしまうが神経の乱れを感じ取る他ない。神経の乱れというとAK的にはスイッチングがあるが、このケースは単なるスイッチングではない。このようなケースでは、やはり鑑別診断が重要になる。
この間別診断も今回のテーマでもある。単なるスイッチングであれば一時的なリセットで改善がみられることもある。しかし、このケースではそれがなかったというより単純なスイッチングで内容に思えた。
そこでこの神経系の以上が病的なものか機能的なものか、あるいは機能であるが、その機能異常は病理から来るものなのか・・この間別は重要である。
輻輳反射、眼震など中枢系の検査でスクリーニングして異常を見つける。中枢系の異常が経絡のブロックも引き起こすので経絡のブロックも見つける。
更に、右脳、左脳の機能異常も見つけて、脳を含めた中枢系、経絡の異常がそれぞれに独立した以上ではなく関連性がある異常であることを確認して一致したものを治療の対象とする。検査が正しければ全て一致しなければエラーだと思ったほうが適切である。
経絡治療を優先するか、神経機能異常の治療を優先するかは確定し、このケースは中枢系の機能異常を改善することを優先し治療を行った。
右股関節の障害は左脳の機能低下が影響していたが、ここでは左脳の機能低下を改善するために右脳の治療を行い、右股関節の障害の改善が見られた。治療後に歩行など行ってもらい症状の確認をしたが、何度か再発したが徐々に改善が見られた。
時間の関係上、一度の治療では100%の改善には至らなかったが治療後に変化が見られたということは改善の可能性は十分ある。このケースにおいて右股関節の可動域の減少と歩行異常が股関節の構造学的異常と捉えて、股関節の矯正をしても不可能にである。
既に、同僚のカイロプラクターに脊椎を含めたアジャストメントを何度となく行ってきたが改善が見られていない。構造治療では改善できない筋骨格系の問題は、臨床上沢山ある。
できればその後の経過を見て追加治療をして経過を追っていきたい。次回のセミナーでお会いできるのを楽しみにしている。
拳骨
右股関節の運動制限があり、可動域の現象は勿論、動き自体が窮屈で「段発股」にも似たような動きとクリック音が感じられる症状である。
その方は何回か同僚や他の先生方から既に治療を受けていたが、何度となく治療をしても再発していたようであった。この時の実技の時間にモデルになり他の先生方と治療を行っていた。
構造からのアプローチや経絡からのアプローチといろいろ手を尽くしたが周りの先生方ではお手上げであったようだ。そこで小生に声がかかり診てみた。
小生は必ずしも筋骨格系の問題は構造のみと思っていないので、今回のテーマである「神経筋反射の応用」で検査を進めた。最初はAMでベイシックを型どおり治療を行っていくうちに神経筋反射の異常がでてきた。
この神経筋反射の異常とはアイソレーションTやストレスT、プレッシャーTでの通常の反応とは違うものである。この反応は形的には現れにくいので、通常の下肢長検査を型どおりにこなっていると気づかないだろう。
ここはアートの世界になってしまうが神経の乱れを感じ取る他ない。神経の乱れというとAK的にはスイッチングがあるが、このケースは単なるスイッチングではない。このようなケースでは、やはり鑑別診断が重要になる。
この間別診断も今回のテーマでもある。単なるスイッチングであれば一時的なリセットで改善がみられることもある。しかし、このケースではそれがなかったというより単純なスイッチングで内容に思えた。
そこでこの神経系の以上が病的なものか機能的なものか、あるいは機能であるが、その機能異常は病理から来るものなのか・・この間別は重要である。
輻輳反射、眼震など中枢系の検査でスクリーニングして異常を見つける。中枢系の異常が経絡のブロックも引き起こすので経絡のブロックも見つける。
更に、右脳、左脳の機能異常も見つけて、脳を含めた中枢系、経絡の異常がそれぞれに独立した以上ではなく関連性がある異常であることを確認して一致したものを治療の対象とする。検査が正しければ全て一致しなければエラーだと思ったほうが適切である。
経絡治療を優先するか、神経機能異常の治療を優先するかは確定し、このケースは中枢系の機能異常を改善することを優先し治療を行った。
右股関節の障害は左脳の機能低下が影響していたが、ここでは左脳の機能低下を改善するために右脳の治療を行い、右股関節の障害の改善が見られた。治療後に歩行など行ってもらい症状の確認をしたが、何度か再発したが徐々に改善が見られた。
時間の関係上、一度の治療では100%の改善には至らなかったが治療後に変化が見られたということは改善の可能性は十分ある。このケースにおいて右股関節の可動域の減少と歩行異常が股関節の構造学的異常と捉えて、股関節の矯正をしても不可能にである。
既に、同僚のカイロプラクターに脊椎を含めたアジャストメントを何度となく行ってきたが改善が見られていない。構造治療では改善できない筋骨格系の問題は、臨床上沢山ある。
できればその後の経過を見て追加治療をして経過を追っていきたい。次回のセミナーでお会いできるのを楽しみにしている。
拳骨