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【拳骨日記】カイロプラクティック・コンディショニング・ルーム・Kの日々の臨床現場を通して医療のあり方を診療日記にしました

No 10456身体との会話12

2010-02-18 | カイロプラクティック
先日のANJ臨床研究会でこんな症例をデモさせて頂いた。

右股関節の運動制限があり、可動域の現象は勿論、動き自体が窮屈で「段発股」にも似たような動きとクリック音が感じられる症状である。

その方は何回か同僚や他の先生方から既に治療を受けていたが、何度となく治療をしても再発していたようであった。この時の実技の時間にモデルになり他の先生方と治療を行っていた。

構造からのアプローチや経絡からのアプローチといろいろ手を尽くしたが周りの先生方ではお手上げであったようだ。そこで小生に声がかかり診てみた。

小生は必ずしも筋骨格系の問題は構造のみと思っていないので、今回のテーマである「神経筋反射の応用」で検査を進めた。最初はAMでベイシックを型どおり治療を行っていくうちに神経筋反射の異常がでてきた。

この神経筋反射の異常とはアイソレーションTやストレスT、プレッシャーTでの通常の反応とは違うものである。この反応は形的には現れにくいので、通常の下肢長検査を型どおりにこなっていると気づかないだろう。

ここはアートの世界になってしまうが神経の乱れを感じ取る他ない。神経の乱れというとAK的にはスイッチングがあるが、このケースは単なるスイッチングではない。このようなケースでは、やはり鑑別診断が重要になる。

この間別診断も今回のテーマでもある。単なるスイッチングであれば一時的なリセットで改善がみられることもある。しかし、このケースではそれがなかったというより単純なスイッチングで内容に思えた。

そこでこの神経系の以上が病的なものか機能的なものか、あるいは機能であるが、その機能異常は病理から来るものなのか・・この間別は重要である。

輻輳反射、眼震など中枢系の検査でスクリーニングして異常を見つける。中枢系の異常が経絡のブロックも引き起こすので経絡のブロックも見つける。

更に、右脳、左脳の機能異常も見つけて、脳を含めた中枢系、経絡の異常がそれぞれに独立した以上ではなく関連性がある異常であることを確認して一致したものを治療の対象とする。検査が正しければ全て一致しなければエラーだと思ったほうが適切である。

経絡治療を優先するか、神経機能異常の治療を優先するかは確定し、このケースは中枢系の機能異常を改善することを優先し治療を行った。

右股関節の障害は左脳の機能低下が影響していたが、ここでは左脳の機能低下を改善するために右脳の治療を行い、右股関節の障害の改善が見られた。治療後に歩行など行ってもらい症状の確認をしたが、何度か再発したが徐々に改善が見られた。

時間の関係上、一度の治療では100%の改善には至らなかったが治療後に変化が見られたということは改善の可能性は十分ある。このケースにおいて右股関節の可動域の減少と歩行異常が股関節の構造学的異常と捉えて、股関節の矯正をしても不可能にである。

既に、同僚のカイロプラクターに脊椎を含めたアジャストメントを何度となく行ってきたが改善が見られていない。構造治療では改善できない筋骨格系の問題は、臨床上沢山ある。

できればその後の経過を見て追加治療をして経過を追っていきたい。次回のセミナーでお会いできるのを楽しみにしている。

拳骨






No 1045 身体との会話11

2010-02-15 | カイロプラクティック
昨日のANJ臨床研究会は有意義な時間を過ごせた。小生も普段の臨床とは違った症例を診させていただき大変勉強になった。

過去にたくさんテクニックセミナーを受講し、いまはAMをメインに有機論的な治療へとシフトして10年近くなる。やっとその成果が出始めて有機論的治療とは何ぞや? が少し見えてきた。

カイロプラクティックだけに限らず手技療法は、テクニックを磨く為に時間がかかる欠点がある。また、同じテクニックを使っても上手い先生、下手な先生(失礼)といったその先生の技量に差がでてくる。

違った意味でここがまた面白いのかもしれない。科学とはかけ離れたアートの世界というらしい。現代医学はエビデンスや裏づけの取れないものは科学的はないと否定されがちだが、臨床は科学では説明できないことが大部分である。

科学ではないと否定していたのでは臨床は成り立たない。特に手技療法は何で症状が改善するかなどいちいち証明することは不可能である。

いずれにせよ手技で結果を出すには技量を磨かなければならない。「見習い」「手習い」という言葉があるが、まさに技量を上げるにはそれしかない。

臨床の置ける技量とは治療技術だけをいいのではない。テクニック習得に走ると治療技術だけにこだわってしまうことがある。ここにテクニック習得の落とし穴がある。

治療技術の向上も然ることながら、それ以上に診断技術を磨いてほしい。昨日の研究会もその思いがあり、治療技術というより鑑別診断や症状を追いかけるのではなく原因を追究するような内容で進めた。

AMにしても通常の検査ではでてこない神経関節機能障害の見つけ方や、症状の改善が復臥位と立位ではどうして違うのかなど、臨床的な疑問を解決していくような内容である。

これらの疑問は、通常の検査では見つけることができない為に起こる疑問である。検査で表れるのであれば治療は成功したようなものである。しかし、検査で出ないものには治療はできない。

できないから手をこまねいて見ているだけでいいのか? そんな事では症状の改善ができない。患者さんが潜在的に何を訴えているのか見抜くことも必要である。隠れた原因を見抜く力も「技量」である。

隠れた原因を見抜く、見つける技量を磨いていけば治療は成功したようなものである。治療技術を磨くことも必要だが、それ以上に検査や患者さんが潜在的に何を訴えているのか、隠れたところに原因が無いかを見つける「診断技術」を向上させてほしい。

拳骨


No 1044 身体との会話10

2010-02-09 | カイロプラクティック
ハワイセミナーでは多くの学びがあった。Dr.fuhrの臨床への研究への探究心はAM臨床家の心に響かせ、共鳴させるものが感じる。これゆえにAMは終わりなき進化を進むのみとなるのだろう。

アドバンスでは世界中のAM臨床家がいろいろなテクニックを研究している。隠れた神経機能障害の見つけ方、このアイソレイションテストはこの部位など。それぞれのアイデアを拾い上げて実際につかってみる。

使って使えるものはテキストに載り、受講生に教える。使えないものは淘汰される。そんな形でアイソレイションテストの発展がある。カイロプラクティックのテクニックは創始者の独創と独断で頑なに変化をさせようとはしないのが普通である。

しかし、AMは誰でも新しいテクニックを考えることができる。AM臨床かに臨床を創意工夫する機会を与えるDr,Fuhrの横並びの価値観がすばらしい。この考えも進化の要因であると思う。

小生も臨床は創意工夫でると思う。勿論、基本は決してぶれてはだめである。一人ひとり臨床は違う。この一人ひとりの患者に合った医療を提供するのが理想である。教科書にかいてないことはできないではなく、臨機応変に対応できる創意工夫の臨床ができなければだめである。

常日頃から臨床の疑問は毎日のように生じる。その疑問や問題を解決せず、先延ばしにしていると必ず壁が来る。この壁を乗り越えるのは、やはり創意工夫である。そんなわけで小生も幾つか隠れた神経関節機能障害の見つけ方や症状の引き出し方をためしている。

14日のANJ臨床研究会では紹介したい。お楽しみに。

拳骨

【ANJ臨床研究会開催のご案内】

日時:2010年2月14 日(日) 午前9:00~12:00 午後1:30~4:30
会場:東京・日赤会館小会議室203 (2階)
募集定員:20 名

受講資格:2010年度AMI 国際、ANJ国内ベーシック、アドバンス認定者のみに限定させていただきます。
*アクティベータ施術院データーベース登録されている認定者のみです。
 詳細はこちらで確認してください




No 1043 身体との会話9

2010-02-03 | カイロプラクティック
ハワイセミナーの講義の内容で40年以上の臨床研究による検査法。

腰椎と骨盤の検査と手順で、Dr.Fuhrの40年以上の臨床研究の末に完成された検査法である。整形外科学検査や神経学検査、あるいは画像検査と筋骨格系の検査法は沢山ある。

最近の筋骨格系の有効的な検査法として画像診断が優先される。なかには患者さんの身体に一切手を触れず、触診や整形外科学的、神経学的検査をまったく行わず、画像のみの検査で診断を下すことが多くなっている。

身体を診るというより、画像をみる。生身のからだを診ずにテレビゲームのような絵をみて診断を行う。絵には痛みは映ってはいない。映ってはいないものをみて痛みの評価は勿論、原因などわかるわけがない。

カイロプラクティックは神経機能障害をみるものである。腰痛や下肢痛がどこのレベルで神経機能障害が原因でハード面の問題を引き起こしているか明確にしなければならない。

神経関節機能障害は画像では診ることができない。画像は結果を診るものであり原因を特定したり、痛みをみるものではない。よって腰痛や下肢痛の的確な診断はできない。骨折や癌などの鑑別診断には欠かせないものであるが、それ以上のものではない。

腰椎部や骨盤部の神経関節機能障害は腰痛や下肢痛、臀部痛、こ関節痛などなかには膝痛などの痛みを引き起こすことが明らかになっている。どこのレベルでどのような機能障害があるか鑑別することが早期解決の決め手となることは間違いない。

そこで、Dr.Fuhrが40年以上の臨床研究から画像や他の検査を頼らないシンプルで的確な検査法を確立した。勿論、他の検査は必要に応じて行うが前提である。

この検査は腰痛、下肢痛あるいは骨盤部の痛みに関わる鑑別である。ディスクの問題、仙腸関節、ファセットの問題、更にこれらに加えて中心性、末梢性の痛みか、これらを組み合わせることによって的確に腰痛、下肢痛に関わっている神経関節機能障害部を明確にしてくれる。

小生もハワイから帰国後、早速臨床で使っているが面白いように明確に見つけ出し治療効果を上げている。ハワイセミナーに参加された先生方は既に使って効果を上げていると思う。次回のセミナーかあるいはTrack3になるかわからないが今年の公認セミナーでは正式にプログラムに組み入れられと思う。

拳骨

【ANJ臨床研究会開催のご案内】

日時:2010年2月14 日(日) 午前9:00~12:00 午後1:30~4:30
会場:東京・日赤会館小会議室203 (2階)
募集定員:20 名

受講資格:2010年度AMI 国際、ANJ国内ベーシック、アドバンス認定者のみに限定させていただきます。
*アクティベータ施術院データーベース登録されている認定者のみです。
 詳細はこちらで確認してください



No 1042 身体との会話8

2010-02-02 | AMCT治療
ハワイセミナーでは多くのことを学びました。最新のテクニックや技術的なことは勿論、Dr.FuhrのAMをどこまでも追求する探究心の塊のようなエネルギーが何ともいえない凄さを感じる。

いつものことながら優しい笑顔で迎えてくれる、そしてほんのりと伝わってくる手のぬくもりが何ともいえない安心感を与えてくる。この一時の瞬間がDr.Fuhrのエネルギーを吸収できる瞬間でもある。

セミナーの内容は、ハワイ特別セミナーということでDr.Fuhrが付っきりで講義をしてくれた。通常ではありえないことである。

ハワイセミナーは世界各地で毎年展開されている國際セミナーの口開けに行われる年度の最初のセミナーである。毎年各国の受講生が参加するセミナーである。

そのセミナーで今回は特別日本人受講生のための特別に専用のセミナー会場を設けて、最初から最後まで講義して、更に参加者全員に治療を行ってくれた。正月と盆が一緒に来たようなありがたいことである。身をもって体験したセミナーになったと思う。

講義はアドバンスで進められた。更に、Dr.Fuhrの40年の臨床経験と研究の成果である新しいテクニックも伝授してくれた。このテクニックは我々インストラクターでさえいまだ知らないテクニックである。

アドバンスということで受講生のなかには、何か勘違いをしている先生方がでたようである。Dr.Fuhrの実技ではベイシックがクリアすることを前提にアドバンスが進められている。このことを理解されていないか、あるいはDr.Fuhrの技術を身につけようと熱心さのあまりにベイシッククリアという前提がいつの間にか忘れてしまったように見えた。

セミナー終了後もDr.Fuhrが行ったようなアドバンスに目が行き、実際の臨床もアドバンスさえ行えば治療が成立するがごとく勘違いを起こしている先生方がいた。ベイシックあってのアドバンスである。基本をしっかりマスターしてアドバンスで臨床経験にともなった応用を生かしてほしい。

いずれにせよ、今回ハワイセミナーに参加された先生方はAM臨床かとして貴重な体験をして学び多き時間を過ごされたと思う。更に、Dr.Fuhrのエネルギーを肌で感じ給でき、帰国後の臨床ではいままで以上に成果がでているはずである。

Dr.Fuhrとの再開は、そう遠くない時期にできるような気がする。今回ハワイセミナーに参加できなかった受講生はその日の来るのを楽しみ、来日するようにエネルギーを送ると実現可能になるかもしれない。

拳骨

【ANJ臨床研究会開催のご案内】

日時:2010年2月14 日(日) 午前9:00~12:00 午後1:30~4:30
会場:東京・日赤会館小会議室203 (2階)
募集定員:20 名

受講資格:2010年度AMI 国際、ANJ国内ベーシック、アドバンス認定者のみに限定させていただきます。
*アクティベータ施術院データーベース登録されている認定者のみです。
 詳細はこちらで確認してください