コウヤボウキ(高野箒)はキク科の花で,沖縄を除く日本(宮城県以南),中国に分布し,山野,丘陵地のやや乾燥気味の林下に自生する,落葉小低木です.学名はPertya scandencs (Thunb.) Sch.Bip.で,Pertya(スイスの植物学者J.A.M.Perty),scandencs(よじ登る性質の)のことから,他の木に絡みつき,Perty氏に因む植物のこと.和名は高野山でこの幹枝でほうきを作ったことに由来する.
クガイソウ(九蓋草)はゴマノハグサ科の花で,日本の近畿以東,千島列島,シベリアなどに分布し,山地に自生する多年生草本です.学名はVeronicastrum sibiricum (L.) Pennellで,VeronicastrumがVeronica(古聖者ベロニカ女史)とastrum(似ている)の2語よりなり,ベロニカに似ているの意味,sibiricum(シベリアの)ことから,シベリアの,美しい聖者ベロニカ女史に似ている植物のことです.和名は輪生した葉が多数層をなすことに由来します.ルリトラノオ(葉対生)とクガイソウ(葉輪生)ほぼ同時期,同場所で花咲きますが,葉のつき方で容易に区別します.
クサタチバナ(草橘)はカガイモ科の花で,関東以西,朝鮮半島,中国に分布し,山野に自生する植物です.Cynanchum ascyrifolium (Franch. et Savat.)Matsum.で,ラテン語cynanchumはcyno(犬)とanchein(殺す)の2語よりなり,犬殺しの意, ascyrifoliumがギリシャ古語ascyrum(~に似た)とfolium(葉の)とからの2語よりなり,草姿が星に似ており,犬を毒殺する植物のこと.和名は花が橘に似ていることに由来する.花期は6月,場所は笹又です.
キリンソウ(麒麟草)はベンケイソウ科の花です.日本,朝鮮半島,カムチャツカ半島に分布し,山地の岩上などに生える多年生草本です.学名はSedum kamutschaticum Fisch.で,sedumはラテン語sedes(座る),kamutschaticum(カムチャツカの)から,カムチャツカ半島原産で,多数の花が密着して座ったような植物の意.和名は傷薬草の意味です.別名キジンソウキズグサと言い,キジンソウ⇒キリンソウへ転訛したと言われています.花期は7月,場所は伊吹山山頂東遊歩道です.