鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

追憶の堕天使たちー第二話①ー

2019-12-19 20:59:00 | オリジナル

追憶の堕天使たち

第二話①


ガブリエルの強制的強化中、大天使長、後の堕天使「悪魔王」ルシファーは、右腕的存在のミカエルに、次の段階に移る事を告げだ。

爽やかは風がルシファーの前髪をかきあげる。

「ミカエル。ガブリエルの強化が順調のようなので、まぁ。順調でなけへば、困るが。」
「次の計画を進める。」

「私は摩天楼を築き上げよと思う。」
「この惑星(かせい)には、浮遊大陸が六つ存在する。」
「私は、その六つの浮遊大陸に六つの摩天楼を築きたいと、考えいる。」

「摩天楼…ですか?」

「そう。摩天楼。」

「火・水・土・風・械(自動人形)そして、我、母上の塔、この六つの摩天楼(塔)だ。」


【土】
固体的状態の象徴であり支えである。
絶対的な重さを持つ元素で、自然な状態では、すべての元素の中心に位置する。
本来の状態では静止しているため、この元素が優勢な物質は動かなくなり、また離れてもそこへ戻ろうとする性質がある。
物質を硬く安定的で持続するものにし、外形を維持し、保護する。
基本の性質は冷・乾で、二次的な性質は密、重、硬などである。
錬金術における土の記号は、水の落下を止めたり中断させて、流動性を失わせることを示す 。

【水】
流動性の象徴であり支えである。
比較的重い元素で、自然な状態では、土を含み、空気によって含まれる位置である。
基本の性質は冷・湿である。
水の存在意義は、物質の形を扱いやすいものにすることであり、湿の性質によって、柔らかく形を変えられるという二次性質を物質に与える。土の元素のように、物質の形を維持するわけではないが、湿気を保つことで、物質が砕けたり散逸するのを防ぐ。
上昇する火に対し、水は下の方に流れて隙間を埋め、火が膨張させたものを縮小させる、求心的・生産的な元素である。水と火は、対照的であると同時に相補的であり、お互いに引き合い結合してものを生み出す。
錬金術における水の記号は、子宮の典型的表示であり、火の記号と重なって、大宇宙を象徴する六芒星をなす。

【気(風)】
揮発性の象徴であり支えである。
自然な状態では、水の上、火の下に位置し、比較的軽い元素である。
基本の性質は熱・湿で、物質に多孔性、軽さ、希薄さといった二次性質を与え、上昇できるようにする。
錬金術における空気の記号は、火を止めたり中断させることを示す。
すなわち、どこまでも上昇する火に対し、気は一定以上上昇することはなく、火の力を和らげる。

【火】
上記の3元素よりずっと微細で希薄な元素で、自然な状態では、すべての元素の上に位置する。
生成や消滅の終焉する先であるため、火には絶対的な軽さが生じる。
光と熱と電気は分けて考えることが難しかったため、その3つの象徴的な支えであり、エーテル状流体という実体の観念に対応する。
それと同時に、物質を構成する究極的な微粒子の運動という観念にも対応する。
熱く乾いた元素で、明るさ、軽さ、多孔性という二次性質を与えられる。
空気をも浸透する力によって自然界を還流し、冷たく凝り固まった元素たちを解きほぐし、混ぜ合わせる。
その熱で物質の成熟や成長を可能にし、土と水の冷たさと重さの影響を軽減する。
錬金術における火の記号は、炎が燃え上がり、先で終わっていることを示す。
上昇・成長・膨張・侵入・征服・怒り・破壊などを暗示し、女性的な特徴を持つ水に対し、男性的な激しい気質を象徴する。

【械】
意味としては以下の通り。
・しかけ。からくり。道具。「器械」「機械」
・かせ。罪人の手足にはめて自由をうばう刑具。


「そこで、ミカエル。君には、これまで集めて来たアンドロイドたちを使い、摩天楼を造って欲しい。」
「私は、ガブリエルを連れ、天界から持ち出したアルゴーの艦(ふね)に一度、上がる。」
「そこでガブリエルを完全体に仕上げる。」

「仰せのままに。」
ミカエルは胸に右の手の掌を当てがい、頭(こうべ)を垂れると、「スー」と姿を消した。


ーアルゴーの艦(ふね)ー

火星軌道上にポツリと浮遊する艦(ふね)。
その艦(ふね)からは、創世記の地球、いや、今現在の地球の科学力を遥かに超えたテクノロジーが、詰め込まれた代物だ。
元々は帆船の船体で、大きさも百メートル前後の船だったのだが、ルシファーは、神々に気づかれぬよう、コツコツと密かに、これを改装、大型化したようだ。
船首は現在の地球の生物に例えるなら、"ヘラクレスオオカブトムシ"のような大きな角が上下に二本、施されている。
どうやら、この上段の角の部分には、中に乗り込む事が出来るように設計されているようだ。
中には、約数十名程、乗れるようだ。
主に海での漁、特に捕鯨などで使われる銛(もり)的な役割を持たせているのだろう。
中に乗り込む事が可能な事から、相手の艦船に乗り移り、白兵戦にも対応している。
そして、下段の角は遠隔操作が可能で、白兵戦時に陽動攻撃に使われる。
脚に当たる部分は小型機のハンガー・カタパルトに成っている。
射出時に射角の設定が可能。
艦(ふね)防御には羽に当たる部分、四枚のトラクタービーム膜でコーティングさせた羽に引き寄せ、弾き返す。
但し、これはビーム兵器のみで、実体弾には不向きである。
腹部に当たる部分は主に格納庫区画、推進機区画である。




「やっとお目覚めしたようだね。ガブリエル。」

「あっ。僕君。」
目をパチクリさせながらガブリエルが云った。

「…僕君?」

「あっ!ごめんなさい。ルシファーさん。」
「…ルシファーさん。何時も僕はって話すから、私の中では「僕君」と認識してたの。」

「なるほど。」
「構わないよ。僕君で。親しみがあっていいね。」

「ポッ」と頬を紅く染めるガブリエル。

「そうそう。肝心な事を忘れるところだった。」
「ガブリエル。少し宇宙旅行へ出掛けよう。」

「…宇宙?」

「そう。宇宙。」
そう云いながらルシファーは空を指、指した。
「空の上だ。」

「空の上…宇宙?」
「僕君といっしょなら、お供致します。」

「話は決まりだ。」

「ガブリエル。目を瞑って。」

ガブリエルが目を瞑るとルシファーは抱き寄せ、「キャッ。」と思わず声を漏らすガブリエル。
「ハッ!」と一言、気合いを入れると瞬間にしてアルゴーの艦(ふね)コックピット内に移動した。


第二話②へ
つづく。

ーあとがきー

この物語りは、趣味を含むオリジナル作品です。

冒頭に引用書きした闇の柊焉
RETURNER~闇の終焉~
作詞:Gackt.C 作曲:Gackt.Cの曲を視聴した時、"これだ"と感じた、この物語りのヒントと成ったのをきっかけに加え、古の神話を今時風の神話を書いてみたいとの思いから、書いてみる事にしました。
使用している画像は挿し絵的イメージです。
また、一部の画像は、インターネット内に出回っている数有る画像から引用したものです。
※一部、Wikipedia及びYouTubeより引用。