納涼その1

うだる暑さとは、まさに、この数日間の東京のこと。

僕も、相当な顔をして、早稲田通りを歩いていたのでしょう。

あらマスター、縮んだの⁇
と、突然、僕を嫌む女の笑い声がしました。

なに⁈…縮んだ…だと⁇



振り返ると、アラビアヒヒ面した、五十後半あたりの女性でした。
よく見ると、思い出しました。
十数年前に、よくきてくれてたお客さんの、友人の女性でした。

しかしながら、あまりに失礼で、しかも、突然なことに、ムッときましたが、その女性の顔をみて、思わず合掌してしまいました。

ヒヒ顔の女は、魔除けになる。

と、九州では古くから、縁起が良いと、言い伝えがあります。

確かに、長い鼻の下に沿って、二本線の縦模様が、唇まで伸びていました。

本当にいたんだ、こんな顔。

しかし、どうすれば、こんな顔になるのでしょうか。

まるで、ウンチを我慢する小学生みたいに、笑いを必死で我慢しながら、店まで急ぎました…。


専門家に問い合わせをすると、人も50を過ぎると、男も女も、もはや、干支が歩いているようなものなのだそうです。

吹き出しそうな、顔や体つきになるそうです。

だから、お互いに、顔を見合わせ、大笑いすれば良いのだそうです。


合掌‼︎