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こんな日には

2015-06-07 | 諸行無常…let it be




僕は時々…
こうして、この、映画スモークでの…、ハーヴェイカイテルのこのシーンを思い出します。

それは、たまたま縁あって、この街で、GLASSONIONを始めたことの、初心に戻れるからです。

この映画は、ある意味、GLASSONIONの原点です。

1995年 映画 Smoke
監督 ポールオースター

僕が、高田馬場でGLASSONIONを始めた翌年の映画です。

僕が選ぶとした場合に、僕にとっての名作映画の中でも、この映画は、特に、傑作中の傑作なんです。

ある意味僕は、この映画と出会えたから、今日まで、GLASSONIONを続けられたのかもしれません。

時々、そう思うことがあります。

人には、人それぞれに、拭いても拭いても、拭い落とせない、心に曇りガラスがあるようで…

その曇りも、人それぞれに、また違うようで…

だから、同じ物を見つめても、曇り方が違うから、見え方もまた、人それぞれのようで…

互いに、そのニュアンスだけを、曖昧に共有しあうもの。

どうやら、それが、人生のようで…

だから、人生において、白黒なんて、誰にもつけられない。

それでも、白黒つけようとするならば、それは、ウソになる。

ホントの哀しみも喜びも嘘も、本人にすらわからない。

でも、どこかで喜んでいて、どこかで哀しんでいて、どこかで嘘をついている…

だから、今日もなんとか、生きている。

だから、今日もなんとか、生きていられる。



この街での21年間でさえ、僕は、人をたくさん傷つけてきたし、たくさん、人から傷つけられてきた。

"コンチクショー!" と呪文を唱えても、
その懺悔の、甲斐もなければ、神も仏も現れない。

そして、そんなことなど、おかまいなしに、僕は今日も、また誰かを傷つけて、また誰かに傷つけられるのでしょう。

…そんなことを、この映画は、いつも、僕に語りかけてくるのでした。


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