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(^。^)坂本龍一 featuring Sister M / The Other Side of Love

2023-04-09 17:08:18 | 連絡
(^。^) 滑舌 歌唱 腹筋トレ 脳トレ洋楽 足裏マッサージ 散歩 縄跳び 黒木瞳 舘ひろし 中村雅俊

(^。^)坂本龍一 featuring Sister M / The Other Side of Love
 https://www.youtube.com/watch?v=gk_OiSpF5ww

 

(^。^) Bob Dylan /I Want You

2023-04-09 17:00:45 | 連絡
(^。^) 滑舌 歌唱 腹筋トレ 脳トレ洋楽 足裏マッサージ 散歩 縄跳び 黒木瞳 舘ひろし 中村雅俊

(^。^) Bob Dylan /I Want You 
 
 

ロシアが戦争に勝てていない理由は、プーチンの「矛盾」にある 小泉悠×河東哲夫2023年4月6日(木)小泉 悠(軍事評論家)、河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)、ニューズウィーク日本版編集部

2023-04-09 15:36:35 | 連絡
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小泉 悠(軍事評論家)
東京大学先端科学技術研究センター(グローバルセキュリティ・宗教分野)専任講師。著書に『ウクライナ戦争』、『「帝国」ロシアの地政学』など。
 
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河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)
外交アナリスト。ロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン「文明の万華鏡」主宰。著書に『日本がウクライナになる日』、『ロシアの興亡』、『遙かなる大地』(筆名・熊野洋)など
 
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<ロシアの士気は本物なのか、ロシアの国内世論をかき立て得る「仕掛け」とは何か、リビウ・ランディングシナリオとは......。日本有数のロシア通である2人がウクライナ戦争について議論した> 
※本誌2023年4月4日号および4月11日号に掲載の「小泉悠×河東哲夫 ウクライナ戦争 超分析」特集、計20ページに及ぶ対談記事より抜粋。対談は3月11日に東京で行われた。聞き手は本誌編集長の長岡義博。
※対談記事の抜粋第5回:プーチンの恥部を知っている男、ガバナンスが失われつつあるロシア 河東哲夫×小泉悠 より続く。
<
【動画で見る】ウクライナ戦争の「天王山」と知られざる爆破陰謀論(小泉悠×河東哲夫 対談)
【特別対談動画】 小泉悠、河東哲夫が語るウクライナ戦争の「天王山」と知られざる爆破陰謀論
>
――ロシアの戦意・士気について。
現在の銃後の雰囲気をどう捉えていますか。
ヒトラーを倒した大祖国戦争的な空気には到底なっていないように見えるのですが。 
■河東 (ロシア大統領ウラジーミル・)プーチンの支持率は表向き今でも70%以上あるんですが、実感はどうか。 
戦争だ戦争だと言って大変なことになっているとわれわれは思いがちなんだけれども、日本の戦前を思い出すと......って、僕まだ生まれてなかったけれども(笑)、勉強してみると日華事変=特別軍事作戦≠戦争
1937年7月7日の盧溝橋事件から始まった日本軍と中国軍の衝突により日本と中国(中華民国)は全面的な戦争状態に突入した。
それ以前の1931年9月18日の柳条湖事件をきっかけに起こった満州事変で日本の関東軍による軍事行動は始まっていたが、この盧溝橋事件での衝突で、事実上日中両国は交戦状態に入った。
それでもなお日本政府は「事変」という名称に固執し、戦争ではないので、宣戦布告はしない、という姿勢を守った。
衝突の起こった7月段階では、交戦範囲は北京付近のみだったので、北支事変と言われたが、8月に上海でも武力衝突が起きる(第2次上海事変)と正式な名称として「支那事変」と命名された。一般では日華事変とも言われたが、正式名称である「支那事変」が広く用いられるようになった。
 「事変」は、国際法上の正式な「戦争」ではないという意味を込めているが、事実上の日中戦争の開始であった。
盧溝橋事件から始まる日中の衝突は事実上の戦争であったが、日本は宣戦布告をせず、国際法上の戦争ではなく、自衛のためやむなく行った局地的軍事行動であるという意味で「支那事変」と称した。通常の戦争の開始を示す最後通牒や宣戦布告は行われていない。なぜ、「宣戦布告無き戦争」となったか、政府・軍の意図を総合すると次のような理由が考えられる。
不戦条約(1928年)に違反することで国際的に非難されることをさけるため(日本も調印していた)
アメリカの中立法(1935年制定)は、交戦中の国は武器を輸出しないことを定めていたので、正式な交戦中となるとアメリカから武器輸入が出来なくなること。(まだアメリカとは武器だけでなく大きな貿易相手国だった)
 また、当時の広田弘毅外相は、日本の軍事行動の目的は、「反日的な蔣介石政権、軍閥勢力を排除することであり、支那民族を敵として戦うことではない」と言う意味の声明を出した。しかし事実上の全面戦争として展開されていく。<北博昭『日中開戦』1994 中公新書>  
盧溝橋事件以降の戦闘行為は、事実上の全面的戦争であり、日本陸軍は短期決着を目指したものの、広大な範囲での中国側の抵抗によって長期化した。1938年1月には近衛文麿内閣が「国民政府を相手とせず」との声明を出し、戦争だけでなくその相手国も存在しないという認識を示した。
 日本は親日政府(汪兆銘政権)を樹立して収束を図ったが、重慶の国民政府蒋介石は援蔣ルートの支援を受けて抵抗を続けたため、日本は1941年12月8日に真珠湾攻撃に踏みきり、アメリカ・イギリスなどに宣戦布告し、太平洋戦争が開始された。それによって、1941年12月12日に東条内閣は盧溝橋事件以降の戦争を「大東亜戦争」とすると閣議決定を行った。こうして日華事変は事後に「大東亜戦争」と正式に命名されたが、敗北に終わり、戦後は連合国の占領下で「大東亜戦争」の呼称は禁止され、中国での戦争は日中戦争、アメリカ等との戦争は太平洋戦争といわれるようになった。

が起きた頃は、国民にとって戦争は遠いところで行われていたと思うんです。
その前の満州事変=特別軍事作戦≠戦争はもっと遠いところにあった。
1931年9月18日、奉天郊外の柳条湖で南満州鉄道が爆破された。
日本の関東軍は、それを中国国民軍に属する張学良軍の犯行であると断定し、鉄道防衛の目的と称して反撃し、軍事行動を拡大した。
この柳条湖事件から開始された、宣戦布告なしの日中両軍の軍事衝突を満州事変といった。その真相は戦争中は伏せられていたが、戦後になって関東軍の謀略であることが明らかになった。
9月18日に始まった関東軍の攻撃に対し中国国民党の東北軍(張学良指揮)はほとんど抵抗せず、関東軍は一気に満州全域を占領した。これは蔣介石が、当時は抗日よりも、共産党との内戦に力を入れていたためであった。
満州事変は、中央の日本政府や軍首脳の承諾もなく、関東軍中枢の軍人によって計画され、実行された謀略であった。それを推進したのは関東軍参謀の石原莞爾中佐であったとされている。
「満蒙(満州と内蒙古)」は日本の生命線であるという陸軍伝統の発想に加え、石原中佐ら関東軍参謀は世界恐慌による不況で満鉄の営業利益が悪化し、しかも張学良が満鉄と競合する新鉄道の建設を進めていることに危機感を持ち、満州を中国政府から分離させ、日本が直接統治すべきであると考え、そのためには政府の承認などの手続きによらず、謀略によって軍事行動を起こすしかない、と思っていた。石原莞爾の構想では、満州は独立させるのではなく日本が直接統治し、それは中国本土まで拡大してはならない、というものであった。なお、石原は日本が満州を支配することによって、将来のアメリカとの世界最終戦争に備えるという、妄想ともいえる戦略を構想していたという。
若槻礼次郎首相のもとで外相を務めていた幣原喜重郎は、関東軍の謀略であることを疑っていたが、自衛のためであるという軍の主張には反論できず、軍事行動は認めざるをえなかった。しかしそれ以上の拡大は認めないという不拡大方針を閣議決定とし、国際世論に配慮して中国側と撤兵を前提とした交渉を開始することとした。しかし、出先の関東軍の行動を追認した軍首脳は、撤兵に反発、南次郎陸軍大臣の辞任をちらつかせて若槻首相を揺さぶった。関東軍は不拡大方針を無視して軍事行動を拡大、10月8日に錦州爆撃を行い、さらに11月には北満州のチチハルまで戦線を広げた。若槻首相、幣原外相はもはや関東軍を統制できないところに追い込まれ、12月に総辞職、政友会犬養毅内閣に替わった。
満州事変に対してアメリカは強く反発し、1932年1月、フーヴァー大統領は国務長官スティムソンの名で、日本の満州における軍事行動は九カ国条約(中国の主権尊重、機会均等、門戸開放の原則)と不戦条約に違反しているので承認できないという声明(スティムソン=ドクトリン)を発表した。しかし経済制裁などの実力行使は行わず、またイギリスも事態が満州に限られている間は黙認するという態度をとった。
 中国政府(蔣介石)は日本軍の明らかな侵略行為であるとして国際連盟に提訴した。国際連盟では日本も含む常任理事会で撤退勧告が可決され、また日本の提案によって調査団が派遣されることとなった。 
ー略ー

自分たちに響くものじゃなかった。生活面からも経済面からも。
■小泉 プーチン自身がこの戦争を戦争と呼ぶことをかたくなに拒否していて、特別軍事作戦ですと。
法的にも戦時体制を発令していないわけです。
本当に国家存亡の日になったときに発動する戦時令という法体系があるんですけど、これも出してない。
動員はするけど、限られた数の人間だけを動員する部分動員であると。
総動員という規定もあって、こちらは人間をたくさん動員するだけではなくて、社会や経済を全部戦時モードに切り替える......みたいな措置もあるのですが、それはやってない。
おそらくそれはプーチンが、ある程度民意に支えられた独裁者であるからなんだと思うんです。
来年の大統領選はやる気らしいので、ここで国民に決定的に不人気な政策は取りにくい。
戦時下なんだと思わせないようにやっている部分も結構大きいんじゃないかと思っているんです。 
ここにおそらくプーチンの矛盾があって、この戦争ってやらなきゃロシアが滅びるような、差し迫った戦争ではない。
だから全てを戦争に動員するような覚悟がプーチン自身にもないし、国民にもない。そうであるが故に、戦争指導のやり方が非常に中途半端なものになってしまって、全てを懸けて抵抗してくるウクライナになかなか勝てない。
そういう構図がずっと続いている。
 となるとこの先、勝てはしないんだけど、ずっとウクライナに対して嫌がらせを続けるかもしれない。





「傷つける力」という考え方が安全保障にあるんですけど、傷つけ続けて、失血死させる、あるいはもう傷ついてうんざりして音を上げるのを狙っていく。
もしこの春の東部攻勢でロシア軍が決定的な戦果を上げられなければ、こういう戦略に切り替えようとするのではないか、という感じがしますね。
■河東 そういうなかで西側がやりすぎるとそのロシアの国内世論をかき立てちゃうわけですよね。
プーチンも(セルゲイ・)ラブロフ外相も、この戦争はロシアじゃなくて西側が仕掛けてきたんだと言い始めた。
プロパガンダです。
そういうことをラブロフがインドで言ったら居並ぶ聴衆にあざ笑われた。
 ロシアの国民も同じで、これは西側が仕掛けてきた、ロシアという祖国を守るための戦争だという当局のプロパガンダにはまだ納得してないでしょう。
でも西側が本当に仕掛けてくると、そこはまた危ないことになると思います。
 
■小泉 西側が仕掛けるっていうのはその場合どういう事態ですか?
■河東 アメリカ軍の兵士が現場に出てくるとか、そういう状況でしょう。
■小泉 やっぱそれは確かにアメリカも絶対回避したいと思うでしょう。
ロシア人の本当の防衛意識に火付けてしまったときって、手付けられないじゃないですか。
第2次大戦におけるソ連の頑張りというのは本当にみんなよく知っているわけだけど、それは絶対にしたくない。
ただ戦車を送ることは決めたので、米軍が出て行かない範囲内でまだ支えることはしっかりやるんだろうと思います。
戦争が始まった直後に、アメリカの(シンクタンク)アトランティック・カウンシルの安全保障専門家たちがリスクを取ることのメリットと、どのぐらいまでやるのかについてマトリックスを作っています。
例えば米軍の部隊を送ることはしないけど、武器援助をポーランドで受け渡すんじゃなくて、西部リビウに直接アメリカの輸送機を降ろして渡すということを象徴的にやってみせる。リビウ・ランディングシナリオです。 
同じジャベリン対戦車ミサイルを1000発渡すのでも、ポーランド側で渡すのではなくて、ウクライナ領内側まで持っていって渡す。
これは一種のエスカレーションで、そこまでやった場合に果たしてロシアの世論がめちゃくちゃ沸騰するかどうか。
 そのぐらいまでだったら、私はロシア人をそんなに怒らせず、なおかつ非常に象徴的なデモンストレーションとなる可能性があると思うんです。
送る武器の種類だけではなくて受け渡し方も、これから何らかのエスカレーションがあるかもしれない。 
■河東 アメリカ国内では、事をどんどん先に進めようという勢力とウクライナはもういいかげんやめようという動きの2つがあって、どうなるのか分からないです。
前者のほうは、ワシントンのいろんなロビイストたちがウクライナに兵器をもっと出すという方向で動いている。
そういうことをやるロビイストたちの数が2倍ぐらいになったと言います。
彼らはウクライナのために無料でやっている格好にして、法律的な縛りをくぐって、実際にはアメリカの兵器会社から報酬をもらっている。
止めるほうの動きについて言えば、やはり(ドナルド・)トランプが大統領に復活するかどうか。
非常に大きなブレーキになりますよね。まだ可能性は残っている。
ロシアは当然それを意識に入れているでしょう。
■小泉 別にトランプでなくても、トランピアン的な人物であってくれればいいわけですよね。
一番しっちゃかめっちゃかにしてくれるのはトランプなんでしょうから、ロシアにしてみれば2016年の再現は考えるでしょう。
来年は大変です。
ロシアもアメリカも大統領選。台湾も総統選。本来、実はウクライナも大統領選なんですけど、戒厳令を出しているので、おそらくやらないだろうとみられています。
もしそれでもやるんだとなった場合には、ロシア、アメリカ、ウクライナという戦争に関わる全部の国が大統領選挙に......。

※対談記事の抜粋第7回:経済無知で「謎の世界観」を持つプーチンらKGB出身者たち 河東哲夫×小泉悠 に続く。 
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/04/post-101293_3.php


花田紀凱の週刊誌ウォッチング (919) 必読のNW誌「小泉悠×河東哲夫」対談2023/4/9花田 紀凱

2023-04-09 15:19:47 | 連絡
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花田 紀凱(はなだ かずよし、1942年9月13日 - )は、日本の雑誌編集者。『月刊Hanada』編集長並びに責任編集者、元ワック・マガジンズ取締役、元『月刊WiLL』編集長。
 
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今週も読みたくなる週刊誌、読むべき週刊誌は唯一『ニューズウィーク日本版』(4・11)のみ。
先週に続いて小泉悠氏(軍事評論家、東京大学先端科学技術研究センター専任講師)と河東哲夫氏(同誌コラムニスト、元外交官)の対談「ウクライナ超分析」の後編。本文のタイトルは「終わりなき戦い ウクライナの終着点」。
先週号にも増して深い分析だ。
まず、ロシア経済は持つのか。
〈河東 制裁はあまり効いてない、というのが議論の大勢〉しかし〈足元から崩れつつある。
つは石油と天然ガスの値段がまた急低下しました〉。
〈小泉 年が明けてから、IMFがロシアは今年プラス0.3%成長という予測を出して衝撃を与えました〉
同時期に世界銀行が出した予測ではマイナス3%。
〈河東 今回の戦争を多分最初から引き回した旧KGB、今のFSB(ロシア連邦保安局)が経済に無知なんです〉
〈小泉 始末が悪いのは、無知なんだけど知っていると思い込んでいること〉
で、戦争はいつ終わるのか。
〈小泉 おそらく今年の秋ぐらいまでの形勢が、そのまま来年初頭まで持ち越される(中略)やはり3年目がどうしても見えてきてしまう。
3年目ぐらいでウクライナ軍がロシア軍を追い出し切れるのか。
(中略)
または両方とも戦果が上げられず
(中略)
消耗ばかり募ってもうやめましょう、という話になるか。
今年は難しいと思いますが、来年いっぱいを使ってそういう話になるかどうか〉
それにしても、他誌がなぜこういう記事をやらないのか、やれないのか。
『週刊文春』『週刊新潮』(ともに4月13日号)、まだWBCが、右柱、左柱だが、やや食傷気味。
その『文春』のスクープは「黒岩知事〝11年不倫〟AVプレイと卑劣な別れ 相手女性の告白240分」。
20年以上前の古い話だが、500通のメールが動かぬ証拠。
黒岩祐治氏、現在、神奈川県知事選の真っ最中だから、ダメージは大きい。
それにしてもひどい男だ。
(月刊『Hanada』編集長) 


「蔡英文訪米」に怒り心頭の中国が米国を恫喝「深く後悔することになる」2023.4.6近藤 大介

2023-04-09 13:32:54 | 連絡
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近藤 大介のプロフィール
ジャーナリスト。
東京大学卒、国際情報学修士。
中国、朝鮮半島を中心に東アジアでの豊富な取材経験を持つ。
講談社『週刊現代』特別編集委員、『現代ビジネス』コラムニスト。
近著に『未来の中国年表ー超高齢大国でこれから起こること』(講談社現代新書)、『二〇二五年、日中企業格差ー日本は中国の下請けになるか?』(PHP新書)、『習近平と米中衝突―「中華帝国」2021年の野望 』(NHK出版新書)、『ファーウェイと米中5G戦争』(講談社+α新書)、『中国人は日本の何に魅かれているのか』(秀和システム)、『アジア燃ゆ』(MdN新書)など。
  • 『未来の中国年表ー超高齢大国でこれから起こること』(講談社現代新書)
  • 『二〇二五年、日中企業格差ー日本は中国の下請けになるか?』(PHP新書)
  • 『習近平と米中衝突―「中華帝国」2021年の野望 』(NHK出版新書)
  • 『ファーウェイと米中5G戦争』(講談社+α新書)
  • 『中国人は日本の何に魅かれているのか』(秀和システム)
  • 『アジア燃ゆ』(MdN新書)
 
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4月5日、中国は清明節だった。
日本で言えば春のお彼岸の祭日で、14億国民がしばし仕事を忘れて、先祖の墓参りをした。
 だが、相変わらずいきり立っている中国政府は、清明節も返上で、台湾への抗議文の作成に余念がなかったようだ。
〇「米国は『一つの中国』の原則を空文化させている」
アメリカ西部時間の同日午前10時(日本時間6日午前2時)、台湾の蔡英文(さい・えいぶん)総統が、立ち寄り先のロサンゼルスのロナルド・レーガン図書館で、アメリカ連邦議会下院のケビン・マッカーシー議長と、約40分会談した。
台湾総統がアメリカ国内で下院議長と会談するのは、1979年に断交して以降、初めてのことだ。
 それだけに、中国外交部は即刻、「報道官談話」を発表した。全文は長文だが、要旨は以下の通りだ。
<最近アメリカは、中国側の厳正な交渉とたびかさなる警告をも顧みず、台湾地域のリーダー蔡英文が、トランジットでアメリカに逃げ込むのを故意に許した。
そしてアメリカ政府のナンバー3、マッカーシー下院議長が、蔡と高らかに会見した。
アメリカの官僚と国会議員も同時に接触した。蔡が「台湾独立」分裂の発言を発表するのに、演台を提供したのだ。(中略)
 長期にわたり、アメリカは「以台制華」(台湾をもって中国を制御する)戦略を実行している。
「3つの共同コミュニケ」に違反し、台湾と公的な往来を行い、台湾に武器を売って軍事的に結びついている。
そして台湾が「国際空間」を展開するのを助けるなど、引き続きラインを越えた挑発を行い、「一つの中国」の原則を不断に空文化させている。
 台湾問題は、中国の核心利益の中の核心であり、中米関係の最も越えてはならないレッドラインだ。「
台湾独立」と両岸の平和安定は、水と火のように相容れないもので、台湾独立は死の道へ一直線なのだ。
われわれは再度、アメリカが即刻、台湾とのすべての公的な往来を停止し、
米台関係を実質的に引き上げることを止め、台湾海峡の緊張の原因を作り出すのを止め、「以台制華」を停止することを促す。
過ちと危険な道を、延々と進んでいくものではない> 
アメリカのFOXニュースによれば、この会談の前、ワシントンの中国大使館からアメリカ連邦議会に向けて、A4用紙で4ページ近い「脅迫文」が送りつけられたという。
「中国は決して座視しないし、結果についてはアメリカが深く後悔することになるだろう」という警告だ。
 中国外交部と同時に、全国人民代表大会外事委員会、中国共産党中央台湾弁公室、中国国防部も、それぞれ「談話」を発表した。
特に国防部の「報道官談話」は、外交部の談話ほど長くはないが、強い語調だ。
<われわれはアメリカが、台湾問題で中国に向けて出した厳粛な政治的承諾を守ることを促す。
粗暴な中国の内政への干渉を停止し、台湾との公的往来や米台の実質的な関係をアップグレードさせることを止め、「一つの中国」の原則を空文化させるのを停止するよう促す。
中国人民解放軍は職責と使命を堅守し、常に高度な警戒準備を保持し、国家の主権と領土の保全を決然と死守し、台湾海峡の平和と安定を決然と維持、保護していく>
国防部は談話だけでなく、会談に先駆けて5日、実力行使にも出た。
台湾とフィリピンの間のバシー海峡


を、空母「山東」が西太平洋に向けて通過したのだ。
中国として2隻目となる空母「山東」が、2019年12月に就役して以降、西太平洋で訓練を行うのは初めてのことだ。
〇台湾は大盛り上がり
一方、台湾は、「蔡麦会」(ツァイマイフイ)と呼んで、大いに盛り上がった。
「マッカーシー」は漢字で「麦卡錫」と書く。 
与党・民進党寄りの『自由時報』は、「中国に振り回されない! マッカーシーが蔡英文と会談後に声を挙げた『常に武器売却を確保し、経済協力を強化していく』」とのタイトルで、会談の速報を報じた。
マッカーシー下院議長に右手を背中に当てられ、満面の笑みを浮かべる蔡総統の写真も載せていた。
<蔡英文総統率いる一行は「民主パートナーとの共栄の旅」を展開しており、アメリカ西部時間5日午後、ケビン・マッカーシー下院議長の会談を行った。これはわが国の総統が初めてアメリカ本土で、アメリカの「ナンバー3」と会談したもので、国際的な関心を呼んでいる。
 蔡英文総統は、会談でマッカーシー議長とともに、「われわれが共にある時、さらに強大になれる」と述べた。
マッカーシー議長は、会談後の声明で強調した。
台湾へのスピーディな武器輸送と、次に双方は経済協力を強化しないといけない。とりわけ貿易と技術協力だ……>
 『自由時報』は、「蔡麦会」に同席した「18人の超党派議員」の名前を列挙するなど、力が入っている。
台湾のインターネットテレビで「蔡麦会」のニュースを見ていたら、途中で「エンゼルスの大谷翔平投手が初勝利」という速報が入った。
台湾はやはり、精神的にアメリカ、日本との結びつきが強いのである。 
〇中国は軍事演習で台湾を威嚇するのか
ともあれ、注目されるのは、今後の中国の出方だ。
昨年8月にナンシー・ペロシ下院議長(当時)が台湾を訪問した時のように、台湾を包囲する大規模な軍事演習を展開するのか? 
私はしないと見ている。
 今回中国は、「蔡麦会」に対する「報復」を、すでに二つ行っている。
①一つは、3月26日に、82年間も台湾(中華民国)と国交のあったホンジュラスを、台湾と断交させて、中国と国交を樹立させたことだ。
これで台湾と国交のある国は、わずか13カ国となった。
〇強い圧力をかけると台湾の独立派を勢いづかせることに
➁もう一つは、蔡総統の「宿敵」である馬英九(ば・えいきゅう)前総統・元国民党主席を、蔡総統の外遊とほぼ同じ日程で、中国へ訪問させたことだ。
馬前総統は連日、中国の訪問先で「一つの中国」を連呼している。 
中国には、「4年前の教訓」がある。蔡英文総統の再選に黄信号が灯っていた2019年夏、香港で民主化デモが起こり、これを強硬に弾圧した。
その結果、蔡総統が「今日の香港が明日の台湾になってもよいのか!」と叫び、2020年1月の総統選挙で、817万票という台湾総統選史上、最高得票数で再選を果たしたのだ。
そのため今回、蔡総統がいくら「蔡麦会」を演出しても、派手に軍事的な対抗措置を取ることができないのである。
そんなことをすれば、再び蔡英文民進党を総統選で利することになるからだ。それで台湾有事に直結する大規模軍事演習という「剛速球」ではなく、上述のような「変化球」を投げてきているのだ。
ともあれ、台湾総統選挙が行われる2024年1月に向けて、アメリカや日本も巻き込んだ台湾と中国の虚々実々の駆け引きが活発化していくことは間違いない。