自民党のデジタル社会推進本部(平井卓也本部長)などの合同会議は19日、能動的サイバー防御の法整備に関する緊急決議を岸田文雄首相に提出した。
決議は来年の通常国会への関連法案提出と、具体的な議論を行うための専門家会議の早期開催を「強く求める」としたのが柱。
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平井氏によると、首相は「重く受け止める。加速化を指示する」と応じたという。
平井氏は提出後、記者団の取材に応じ、
「サイバーセキュリティーはこの国最大のアキレスけんだ。
サイバー攻撃はますます拡大しており、
予算や人員だけでは解決せず、法律が必要だ」と述べた。
「急いで法制化することに関しては、(首相に)完全に同意していただいている」とも語った。
決議では「サイバー空間における脅威は、『国家安全保障戦略』策定時の1年前よりもさらに増大していることは確実な情勢」と言及した上で、
「同盟国・同志国などとの信頼を確保する観点からも、サイバー安全保障に関する法的基盤や体制を早急に整備する必要があることは火を見るより明らか」と指摘した。
能動的サイバー防御を巡っては、憲法21条が保障する「通信の秘密」との兼ね合いなどから課題が指摘されており、政府内では通常国会への関連法案の提出見送り論も浮上している。
党として決議を出すことで、法制化に向けた議論を後押しする狙いもありそうだ。