2016年4月から爆発的に成長を始めたメモリ市場は、2018年後半に突如、不況に突入した。このメモリ不況の原因としては、Intelが10nmプロセスの立ち上げに失敗し続けたため、PC用やサーバ用プロセッサが供給不足となり、それらを当てにして製造されたメモリが市場にあふれて価格暴落を引き起したことによると分析した(関連記事:Intel 10nmプロセスの遅れが引き起こしたメモリ不況、2018年12月7日付)。
DRAMとNANDフラッシュの両方を持っているSamsung(21.1%)、Micron(23.2%)、SK Hynix(9.9%)および、DRAMだけのNanya(22.5%)が黒字を確保しているのに対して、NANDフラッシュしかないWD(-4.28%)と東芝メモリ(-46.17%)は赤字に転落している(カッコ内は2019年第2四半期の営業利益率)。
この価格暴落により、メモリメーカーの業績が悪化している。その中でも、DRAMを持っておらず、NAND型フラッシュメモリしかない東芝メモリとWestern Digital(ウエスタンデジタル/以下、WD)は、2019年以降、営業損益が赤字に転落してしまった。さらに、2019年第2四半期の営業損益を見ると、WDが-4.28%であるのに対し、東芝メモリは-46.17%と深刻な赤字になっている。
東芝メモリは2019年8月30日に、台湾Lite-on Technology(ライトン テクノロジー/以下、Lite-on)のSSD事業を1億6500万米ドル(約173億円)で買収すると発表したが、この買収が東芝メモリの業績を向上させる可能性について論じる。
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