<北朝鮮内部>制裁は効いていた! これが金正恩政権の資金難の実態 国民からの収奪を加速
2/26(火) 5:10配信 アジアプレス・ネットワーク
<北朝鮮内部>制裁は効いていた! これが金正恩政権の資金難の実態 国民からの収奪を加速
路上で商売する若い女性(左)に市場税を払えと迫る市場管理員。2013年3月平安南道の平城市にて撮影アジアプレス
◆金品徴発に損害保険への加入強要
北朝鮮は国連安保理決定による経済制裁によって、制裁強化前の2016年に比べて貿易収入が約88%減少し、2700億円を失った。打撃は平壌の高位層、富裕層、軍隊にまで及んでおり、金正恩政権の統治資金も深刻な打撃を受けている。それを国民に転嫁するため、当局が国民からの収奪政策を進めていることが分かった。(カン・ジウォン/石丸次郎)
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北朝鮮では、建設支援や、道路補修、学校整備、軍隊支援などの名目で、住民から頻繁に現金や物資を徴発してきたが、経済制裁の影響が深刻化した昨年から、負担が大きく増している。
「あれこれ合わせると毎月80~100中国元(約1280~1600円)は取られる」と、地方都市在住の商売人の女性は言う。これは平均的な庶民の1カ月の世帯収入の3~5割に当たる。決められた税金ではないのだが、住民たちは「税負担」と呼ぶ。
それだけではない。北朝鮮当局は、昨年12月、生活困難者以外のすべての世帯に、国が運営する損害保険への加入を強要し始めた。北部地域に住む取材協力者は、保険は「朝鮮民族保険総会社」が運営しているとして、次のよう述べた。
◆保険加入が指導者への忠誠
「人民班の会議では、愛国の気持ちで保険に加入せよと言われるが、保険の内容や保険金の支払いについては大した説明がない。国と指導者への忠誠心が判断されるという雰囲気なので、生活困難者を除いてほとんどが加入したと思う。要するに、国にカネがないので捧げよというわけだ」
※人民班は行政の末端組織で、かつての日本の「隣組」と類似する。
ちなみに保険料は1カ月に2000ウォン(約23円)だという。この取材協力者によれば、人民班長が未加入の家庭を月に2度、3度訪ねてきて、まるで借金取りのように振る舞うため不満が強いという。
保険に加入すると、条件をまとめた「住宅家庭財産保険証券」を渡される。だが、実際に保障がもらえると考える人はいないそうだ。「これまで保険金が支払われた事例は聞いたことがないからだ」と、協力者は説明する。
◆牛車と木炭車使う軍部隊も
外貨収入減少の影響は、金正恩政権の統治資金不足を招いている。アジアプレスの調査で把握できているのは一部にすぎないが、具体例を挙げておく。
・2017年末から始まった身分証明証の切り替えが遅延。今年2月にようやく完了
・指導者の誕生日や建国記念日などに「金正恩元帥からの贈り物」として全住民に支給される「祝日特別配給」が、昨年4月15日の金日成生誕日以降なくなった。
・金正恩氏が最優先建設プロジェクトと位置付ける北部の白頭山麓の三池淵(サムジヨン)観光特区建設が資金難で大幅に遅延。鉄筋が禁輸措置で不足している。
・資金難と燃料価格の高騰で軍用車両を動かせず、物資の移動に牛車や木炭車を使う軍部隊が増えている。
・北部の広い範囲で、昨年11月から住民地区への電気供給がほぼストップ。
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正恩氏そっくりさん、送還処分=「トランプ氏」には滞在許可-ベトナム
2/25(月) 16:14配信 時事通信
正恩氏そっくりさん、送還処分=「トランプ氏」には滞在許可-ベトナム
25日、ベトナムのハノイで、記者団と話す北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長のそっくりさん、ハワード・Xさん(左)とトランプ米大統領に変装するラッセル・ホワイトさん(EPA時事)
【ハノイAFP時事】2回目の米朝首脳会談を27、28両日に控えるベトナムのハノイで25日、会談に先立ち現地入りしていた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長そっくりのハワード・Xさんがベトナム当局により、居住地の香港への送還処分を受けた。
〔写真特集〕世界の「そっくりさん」
ハワードさんは空港行きの車に乗り込む際に記者団に、「金正恩氏とそっくりの顔に生まれたことが(送還の)本当の理由だ。(正恩氏は)ユーモアのセンスがない」と語った。
一方、トランプ米大統領に扮(ふん)したラッセル・ホワイトさんはベトナム滞在を許可されたが、公の場でのトランプ氏の変装は禁じられた。二人は先週ハノイを訪れ、市内のオペラハウス(歌劇場)前で偽首脳会談を行った。
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