IR汚職、5衆院議員を任意聴取 東京地検、前防衛相ら
1/3(金) 18:06配信
共同通信
IR汚職、5衆院議員を任意聴取 東京地検、前防衛相ら
「500ドットコム」からの現金提供に関する衆院議員5人側の回答
日本でのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で、贈賄の疑いが持たれている中国企業「500ドットコム」側が現金各約100万円を渡したと供述した衆院議員5人を、東京地検特捜部が昨年末に任意で事情聴取したことが3日、関係者への取材で分かった。特捜部は議員本人だけでなく秘書が受け取った可能性も含め、政治資金規正法などに抵触しないかどうか慎重に捜査している。
5人は自民党の岩屋毅前防衛相=大分3区、宮崎政久法務政務官=比例九州、中村裕之元文部科学政務官=北海道4区、船橋利実氏=比例北海道=と、日本維新の会の下地幹郎元郵政民営化担当相=比例九州。
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自民党の超大物議員の手足となっていた可能性~IR汚職事件 秋元議員
2019/12/31(火) 17:50配信
ニッポン放送
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月30日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。IR・統合型リゾート施設をめぐり秋元司衆議院議員が逮捕された汚職事件について解説した。
自民党の超大物議員の手足となっていた可能性~IR汚職事件 秋元議員
元政策秘書と元私設秘書の自宅などが東京地検特捜部の家宅捜索を受け記者団から質問される自民党・秋元司衆議院議員=12月9日午後、国会内 写真提供:産経新聞社
IR汚職事件、中国企業が秋元議員に300万のメモ作成
IRカジノを含む統合型リゾート事業をめぐる汚職事件で中国企業500ドットコム側が内閣府のIR担当副大臣だった衆議院議員秋元司容疑者に現金300万円を提供したとするメモを作成しており、そのデータを東京地検特捜部が押収していたことがわかった。
飯田)2017年の9月28日、衆院解散のちょうどそのあたりでありました。
須田)たしかに東京地検特捜部が現職国会議員を逮捕したということで報道合戦が始まっていて、五月雨式に記事が出てきます。あれだけ読んでいると細切れの情報で本質がわかりません。一部企業名の名前は伏せられていること。頭の中で事件の全体像が浮かばないと思います。そのため今日は整理してお話ししていこうと思います。
ポイントは2つです。1つはIR事業というのは法律については国土交通省が所管する法律でIRの実施する都道府県を決めて、当初は3ヵ所と言われていました。よく名前があがるのは大阪や長崎でした。IRを開設することは決まっています。具体的にどういうことをやるかは今後決めるということです。その一方で自治体が事業所選定を行います。自分たちの企業が選ばれるためには自治体にアプローチしていく必要があります。こういう問題が起こるため大阪では自治体側と事業者が接触してはいけないというルールを設けています。そのあたりを頭に入れていただくと、秋元議員含めた国会議員と中国企業500ドットコムが狙っていたのは北海道です。特に留寿都というところでした。これはカウンターパートナーとして中国企業と国会議員だけで開設できるかというと、受け皿となる地元の企業が必要になってきます。これは表に出てこないのですが加森観光という北海道を代表とするリゾート運営の巨大企業です。秋元議員が北海道へ視察に行きましたが、この施設に宿泊しました。加森観光は興味深いところでよく北海道でチャイナマネーで北海道の水源を買ったとか離島の施設を買ったなどの報道がなされていますが、それを推進したのは加森観光です。ある意味でチャイナマネーと二人三脚の状況です。だからこういった接点がでてきます。
話がそれますが、北海道で11月驚くことがありました。当初積極的に誘致を進めてきたと思われる北海道が今回の選考3ヵ所については手を挙げないと鈴木知事が議会で一方的に証言したので、推進を進めてきた各企業がひっくり返るという大混乱に陥りました。鈴木知事の真意は明らかになっていません。
飯田)そのあとメディアの取材に答えたりしていませんね。
須田)事業者選定権は“北海道”にあるでしょう。
飯田)そうですね、都道府県か政令指定都市でないと手を挙げることができないですよね。
須田)留寿都については、候補地=選定市と事業体が一体化しています。ほかの有力エリアである苫小牧は、500ドットコムではない、加森観光ではないところが推しているわけです。つまり知事としてはどっち選んでも自分に批判がくるだろうという板挟みにあってしまいました。そのため決めることができず、万歳してしまったということです。これが真相です。
須田)もう1つのポイントが500ドットコムのバックです。赤字続きの会社なのに巨額な資金が動いている。自分たちの会社は儲かっていないのになんでここにお金が出てくるのか。本社をみてみると香港の隣の深圳に本社を置いています。中国を代表するIT企業100社に選ばれています。そのバックは清華紫光集団という、清華大学とか半導体関連の企業を持っているグループです。
飯田)もともと大学ベンチャーから出て大企業になったところですね。
須田)そうです。政府系金融機関が莫大な金を貸していて、その背景をみると人民解放軍、習近平国家主席に直結していく集団です。無尽蔵に出てくるそのお金の一部が日本に流れたということです。
飯田)カジノもIRも、政界工作できる入り口にすぎないということですかね。
須田)はっきり申し上げて清華紫光集団と秋元議員は不釣り合いでバランスが取れません。秋元議員のような小物を相手にしません。
飯田)動いている額も300万で、警察が動いて身柄をとるような案件かと一部指摘されていますね。昔は1000万円以上でないと動かなかったと言うヤメ検の方もいらっしゃいます。
須田)清華紫光集団とカウンターパートナーを結んでいた自民党の超大物議員もいます。その手足となって秋元議員が動いていたのではないかという私の読みです。確証はありませんが、いま情報を集めている最中です。年明けを楽しみにしていただければと思います。
飯田)検察もこれを意識した捜査になるわけですよね。
須田)もちろん逮捕や起訴は意識していませんが、そういった人脈があったんだ、そういったところにお金が流れていたんだ、場合によっては政治資金規正法でいけるんだ、ということで実名が出てくれば、大きなダメージとなるでしょう。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00
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「秋元議員カジノ疑獄を仕掛けたのは安倍側近」という仰天情報が流れる理由
2019/12/26(木) 6:01配信
ダイヤモンド・オンライン
「秋元議員カジノ疑獄を仕掛けたのは安倍側近」という仰天情報が流れる理由
秋元司議員は二階派所属。一方、「文春砲」がきっかけで辞任した河井克行前法相、菅原一秀前経産相、不倫スキャンダルの和泉洋人首相補佐官の3人は菅官房長官の側近である Photo:JIJI
秋元司衆議院議員の逮捕劇を巡って、永田町では「安倍・麻生」ラインが仕掛けたリークが発端だと噂されている。単なるデマだと笑い飛ばせないのは、最近、菅官房長官人脈への相次ぐ醜聞報道が起きているから。「安倍・麻生」vs「菅・二階」の戦いが勃発しているというのだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)
● 安倍首相側近が仕掛けた!? 永田町周辺で囁かれる仰天情報
年の瀬に、またしても国民の政治不信を加速させるような醜聞が盛り上がっている。
IR(カジノを含む統合リゾート)の担当副大臣を務めていた秋元司衆議院議員が、IRへの参入を目指していた中国企業から数百万のカネを受け取って便宜を図った疑いで、東京地検特捜部に逮捕されたのだ。
IRと聞くと一般的には、自治体の誘致レースが盛り上がっている印象だろうが、実は水面下ではIR企業による”政界工作”もかなりヒートアップしている。大阪や横浜を見れば一目瞭然だが、日本のIR誘致で最後にものを言うのは政治力だということを、海外のIRプレイヤーたちもよくわかっているからだ。
秋元議員は、IR担当副大臣に就任する以前からIR議連のメンバーという筋金入りの「カジノ推進派」。そこに加えて、「カジノ利権」という文脈で頻繁に名が出る二階俊博自民党幹事長率いる志師会に属している。IR参入企業のアプローチリストの上位に名を連ねていることは間違いない。
という話を聞くと、「ぜひそのあたりを徹底的に捜査して、カジノ利権を白日のもとにさらすべきだ!」と鼻息荒く特捜部にエールを贈る方も多いだろうが、魑魅魍魎が巣食う永田町では、そういう素直な見方とかなり異なる、耳を疑うような仰天情報も流れている。
今回のカジノ疑獄は、実は安倍首相側近が仕掛けたもので秋元議員はハメられた、というのだ。
「は?バカも休み休み言え!年明けの国会で任命責任だなんだと野党からやいのやいのとたたかれるのは首相本人なのに、そんな自殺行為をする側近などいるわけないだろ」と呆れる方も多いことだろうが、この「風説」の中身を詳細に聞いてみると、それなりに納得できる理由がある。
● 菅氏側近の相次ぐ 醜聞報道の仕掛け人は誰か
ご存じの方も多いと思うが、最近の政局ニュースでは、政府与党内で「安倍・麻生」vs「菅・二階」という対立構図で熾烈な権力闘争をしている、という話がよく取りざたされている。
詳細は省くがポイントは、ポスト安倍を見据え、菅義偉官房長官と二階氏の距離が近くなっている、ということだ。20人近い無派閥議員からなる「隠れ菅派」と二階派が合流したら、党内のパワーバランスは一気に塗り替わる。その動きを最大派閥・清和会の安倍氏と、志公会の領袖である麻生氏が警戒して、水面下で菅・二階の足を引っ張るような情報戦を仕掛けているという情報もある。
今回のカジノ疑獄もそのひとつだというのだ。
秋元氏にダーティなイメージをつければ、派閥トップである二階氏と、IRの旗振り役である菅氏にダメージを与えられる。もちろん、内閣府の副大臣だった人物なので安倍首相も無傷では済まないが、大騒ぎなればなるほど、首相と昭恵夫人が当事者とたたかれる「桜を見る会」を巡る疑惑が吹っ飛ぶというメリットもある。
つまり、安倍首相の立場から見れば、秋元議員逮捕は「任命責任を追及される問題」ではあるのだが、党内勢力を脅かす政敵にダメージを与えつつ、長期化しつつある“政権の私物化疑惑”から国民の目をそらすことができる「一粒で二度美味しい他人のスキャンダル」という側面もあるのだ。
「首相を貶めるようなデマを流すな!」というお叱りもあるだろうが、筆者が今回のカジノ疑獄にまつわる怪情報を「デマ」だと笑い飛ばせないのには、もうひとつ理由がある。
それは最近の露骨な「菅おろし」だ。
「文春砲」をきっかけに、就任してまたたく間にクビを取られた河井克行前法相、菅原一秀前経産相というのは、菅氏の側近として知られ、今回の内閣改造でも菅氏がねじ込んだといわれていた。
ただ、これだけならば「そういうこともあるよね」と笑っていられるが、筆者が戦慄を覚えたのは、和泉洋人首相補佐官の不倫スキャンダル報道である。
やはり「文春砲」によって厚労省大臣審議官と京都出張中に楽しく町歩きをするツーショット写真が撮影されて、「京都不倫出張」だと報じられた和泉補佐官も起用したのは菅氏で、米軍基地問題などの官房長官案件を任せるほど信頼の厚い腹心なのだ。
● メディアのスクープは 「リーク」が発端
メディアの仕事をしていない方でも、最近のネット情報などでなんとなくわかると思うが、「スクープ」と「リーク」は同じ意味である。世の中に溢れるスクープや特ダネなるものは、ジャーナリストや記者が地をはうように突き止めたという側面があるのは確かだが、一方でそのような人たちに明確な目的意識をもって内部情報を流した人たちがいて、はじめて成立する。
つまり、これらの菅側近の相次ぐスキャンダルというのも、何者かが何かしらの意図を持って、週刊誌に「リーク」をしたものなのだ。
実際、筆者は少し前に某週刊誌でスキャンダルが報じられた言論人に関する「告発文書」を目にした。それはさながら興信所の調査報告書のような体裁で、隠し撮りされた写真や、行動が綿密に記載されていた。このような「告発文書」が週刊誌の編集部に寄せられ、取材がスタートして「スクープ」になるのだ。
では、この「告発文書」を作ってメディアにリークをしたのは誰なのかという問題がある。その言論人は政権に批判的な発言を繰り返すことで知られている。何をか言わんやである。
話が逸れたが、菅側近のスキャンダルがたて続けに発覚しているということは、裏を返せば、それだけ「リーク攻撃」を受けているということでもある。
そこに加えて、今回のIR疑獄である。動いた検察庁というのは、菅氏がやはり腹心の黒川弘務・東京高検検事長を、次の検事総長にしよう根回ししていたが、河井前法相の失脚でそれがパアになったなどと囁かれている。つまり、権力闘争で菅氏の影響力が薄れた検察が、菅氏が肝いりで進めるIRへ切り込んでいるという構図なのだ。
ゴーン事件でもわかるように、特捜部のお家芸もまた、「リーク」である。関係からの告発を元にして動き、それを元にしてストーリーを作ってマスコミに「検察関係者」として「リーク」をおこない、司法の判断の前に「人民裁判」で「推定有罪」にしてしまうという手法を得意としている。
その力が凄まじいのは、法的には無罪だったにもかかわらず、マスコミによるダーティイメージが定着して、政治家としてのパワーを失った小沢一郎氏の例を見ればよくわかる。
菅氏と二階氏も、小沢氏と同じような道をたどる恐れがあるのではないか。
なぜそう思うのかというと、特捜部が今回のIR疑獄を広げていけば、年明けに設置されるカジノ管理委員会への悪影響も考えられるからだ。
● 「令和おじさん」人脈の 次なるターゲットは元警視総監か
参入を目指す企業が政治家や官僚を賄賂や接待漬けにする、なんて腐敗が横行しないように、世界各国では、カジノは独立した機関がライセンスを付与して、検査や免許剥奪などの強い権限を持たせている。日本のIRもこの世界ルールにならう。
そこで「世界最高水準のカジノ規制」「クリーンなカジノを実現する」を合言葉に年明けの1月に設置されるのが、内閣府の外局であるカジノ管理委員会である。
しかし、内閣府の前副大臣がクロならば当然、この外局も本当に大丈夫かという話になっていく。「独立しています」なんて言っているが、実はズブズブじゃないの、と。
もしこういう流れが盛り上がると、再び「菅おろし」の風が吹いてくるのではないかと個人的には思う。カジノ管理委員会の委員の中には、菅氏と近しいのではと囁かれる人物がいるからだ。元警視総監の樋口建史氏である。
その詳細は、立憲民主党の阿部知子衆議院議員がおこなった、「五人のカジノ管理委員会の候補の見直しに関する質問主意書」という質問のなかにあるので引用させていただく。
《樋口建史氏は二〇一三年一月まで警視総監を務めた後、二〇一四年にはミャンマー大使に就任したが、その就任には菅義偉官房長官が大きく関わったとされる》(令和元年十一月二十二日提出)
もちろん、事実はわからない。しかし、これまで見てきたように菅人脈がことごとく調査をされて、その内容が週刊誌に「リーク」されているのは事実だ。
特捜部によって秋元議員が「推定有罪」にされていく中で、もしカジノ管理委員会の中の「菅派」に文春砲などでカジノ企業との不適切な関係が発覚したらーー。そうなれば、IRの管理体制は腐敗しているというイメージが定着して、この国策は頓挫する。スケジュールを延期され、旗振り役の菅氏のメンツは丸つぶれで、政治的求心力も失っていくだろう。
もし筆者が「菅おろし」を仕掛ける側ならば間違いなく、このあたりを攻めていくだろう。今年、若者にもチヤホヤされた「令和おじさん」に、来年は大きな試練が待ち構えているかもしれない。
窪田順生
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2019/12/29(日) 10:30配信
スポニチアネックス
◇激動2019 政治社会編(13)
4月1日に改元を発表し「令和おじさん」として一躍時の人になった菅義偉官房長官が崖っ縁に追い込まれている。「ポスト安倍」に急浮上したが、絶頂から1カ月余りで“菅人脈”の大臣に不祥事が相次ぎ、株価は大暴落。首相との関係悪化も取り沙汰される中、推進してきた統合型リゾート施設(IR)を巡る汚職事件まで発生。年明け以降、矢面に立たされることは間違いない。
新元号「令和」を発表してから8カ月余り。菅氏は年内最後を締めくくった27日の会見で「政権を維持していくと常にいろいろなことが発生する」と徒労感をにじませた。
令和フィーバーの追い風に乗り政治的求心力を高め、9月の内閣改造人事で影響力を発揮。ところが1カ月足らずで、菅氏に近い菅原一秀、河井克行両氏にスキャンダルが相次ぎ経済産業相、法相をスピード辞任。起用を後押ししたとされる小泉進次郎環境相もメッキがはがれ、菅氏の株価も暴落した。
自身の周辺が失点を重ねる一方、首相側近の萩生田光一文科相の「身の丈」発言、首相夫妻を直撃した「桜を見る会」問題など“首相案件”では答弁が変遷。疑惑が疑惑を生む悪循環にはまり、「トップとナンバー2が醜聞の尻ぬぐいをし合って、隙間風が吹いている」と政界関係者は言う。
取り巻く状況は悪化する一方だ。25日、IRを巡る収賄事件で前IR担当副大臣の秋元司容疑者が逮捕。推進役の菅氏は「早期に着実に進める」と強気の姿勢を貫く。
目下の懸案はカジノを規制する「カジノ管理委員会」だ。委員の元警視総監の樋口建史氏が菅氏に近いとされており、野党議員は11月、菅氏が人選に関与したかどうか確認を求める質問主意書を提出。政府は「関係法令に基づき選定した」としているが、来年1月7日に予定通り設置されれば、再び“菅人脈”が追及の対象になっていくとみられる。
菅氏の失速によって、「ポスト安倍」レースは混迷を深める。首相は27日のBS番組で「ポスト安倍」候補として、自民党の岸田文雄政調会長や菅氏ら4人の名前を列挙した。「政権禅譲」をにらむ岸田氏は7月の参院選で自派閥の現職候補4人が敗北。求心力は回復せず、報道各社の世論調査では菅氏より人気が下回る。
それでも永田町関係者は「番組で首相は岸田氏の名前を最初に挙げた。高く評価している証だ」と指摘。「選挙で存在感を示した菅氏の求心力をそぐために、首相周辺が醜聞を流したという臆測まで飛び交っている」と不気味な“菅おろし”を感じ取っている。
来年1月20日召集の通常国会で焦点になるIRと桜を見る会はいずれも、菅氏が深く関わる。野党から集中砲火を浴びるのは必至だ。政界関係者は「“菅を見る会”になるのは間違いない。桜が咲くまでもたないかもしれない」とみる。
菅氏は来年の干支(えと)の子(ね)年生まれ。噴出した疑問に逃げ回ることなく答弁していくか注目だ。(特別取材班)
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