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女子ゴルフの陰湿さ、男性キャディ略奪で「泥棒猫」事件も
11/15(金) 16:00配信
NEWS ポストセブン
女子ゴルフの陰湿さ、男性キャディ略奪で「泥棒猫」事件も
笠りつ子は今季自粛を発表(Getty Images)
人気女子プロがゴルフ場で従業員に「死ね」と暴言を吐いたとされる前代未聞の騒動。その背景を追うと、テレビ中継には映らない複雑な人間関係が浮かび上がってきた──。
【写真】騒動の笠りつ子は古閑美保の”妹分”
ゴルフ場の風呂場の脱衣所にバスタオルがなかったことを発端に騒動を起こした笠りつ子(りゅうりつこ・32)は、今季の残りの大会を自粛するとしたが、「他の選手のなかには、“すでにシード権が確実だから痛くもなんともないでしょう”と陰口を叩く者もいる」(ゴルフ紙記者)という。ベテラン女子プロが話す。
「女子ゴルフの世界は陰険というか、執念深い人たちの集まりみたいなところがありますからね。これまでも選手同士や派閥・グループ同士での足の引っ張り合いが繰り返されてきた。
10年ほど前は、笠の姉貴分とされる古閑美保(37)も嫉妬される対象だった。賞金女王争いに絡むトッププロであり、ズケズケものを言うのでマスコミからの人気は高いが、そのぶん敵も多い。“ミニスカ(のウェア)をはけなくなったら引退する”などと先輩たちから反感を買うようなことを公言するので、ベテラン女子プログループに嫌がらせでスキャンダルの噂を流されたりもした」(同前)
ウェアを提供するメーカーも、ビジュアルを優先して若手プロを厚遇するから、それがさらなる嫉妬を増幅させていく。
「アマ時代からツアーに参戦し、数多くのツアー最年少記録を更新した金田久美子(30)も、登場したばかりの頃は叩き上げの先輩プロから目をつけられていた。同組のベテランからパットのリプレースの誤りを事細かに指摘され、その場に競技委員まで呼ばれて最終的にペナルティを科されたこともあった。
あとは、男絡みのトラブルになると、さらにややこしい。別の女子プロと付き合っていた男性キャディを“略奪愛”した選手がいて、ロッカールームで胸ぐらを掴まれて“この泥棒猫!”と罵られるという騒動もありました」(同前)
※週刊ポスト2019年11月22日号
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キャリアも収入も謎な「プロキャディ」という仕事の真実
11/9(土) 9:02配信
FRIDAY
キャリアも収入も謎な「プロキャディ」という仕事の真実
全英女子オープンで優勝した渋野日向子選手/写真 アフロ
女子プロゴルファー・渋野日向子が海外メジャーの「全英女子オープン」で優勝し、女子ゴルフがクローズアップされることが多くなった。
10月には日本で初めてPGA(米)ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」が開催され、タイガー・ウッズの優勝が話題になったばかり。ゴルフは個人競技のため、プレーヤーが脚光を浴びるのは当然のことだが、選手をそばでサポートするキャディにも時に注目が集まる。
ただ、選手と違ってキャディの仕事や懐事情はほとんど知られることはない。そこで日本でプロキャディ歴約10年にもなるベテラン男子のキャディA氏に、生活事情について詳しく聞いた。そこから見えてきたのは、プロキャディの世界がとても厳しい場所だということだった。
◆実は特別な資格は必要ない
実はプロキャディには特別な資格が必要なわけではない。極端な話、勝手に名乗ることも可能なのだ。では“プロキャディ”とはどんな存在なのか。キャディA氏が語る。
「“プロキャディ”という肩書きをいつから名乗っていいのか明確なルールはありませんが、私はプロゴルファーからお金をもらって雇ってもらっている時点で“プロ”だと認識しています。お金をもらっている以上は、プロとしてそれなりの仕事をしないといけない。もし下手を打つと、周囲からも色々と言われたりもするわけですから」
プロキャディの仕事というと、試合中に選手のバッグを担ぎ、アドバイスをおくりながら、選手をサポートする姿がもっとも印象的だが、具体的にどんなことをしているのだろうか。
「練習日にコースの状態をくまなく歩いて調べます。芝の状態、距離感、グリーンの芝目の状態、コースのアンジュレーション(起伏)などをメモしてまわります。選手にもよりますが、試合中は基本的には『選手の迷いを消してあげる』くらいの役割だと思っています。選手が気持ちよくプレーしてくれることに全力を注ぐのが仕事です。リラックスできるように話をしたり、水をあげるタイミングだったり。基本はゴルフ場で待ち合わせして、ゴルフ場で解散するようにしています」
では、どんなキャリアの持ち主がキャディになるのだろうか。
「大きく3つに分類するとゴルフ場のハウスキャディ、大学ゴルフ部時代にキャディのバイトをしていた人、ゴルフ場でプロを目指してきた研修生が、キャディになっていると見ていいでしょう。そこのゴルフ場の所属プロから声がかかって、プロキャディになるきっかけをつかむことが多いです。なによりゴルフをやっていて、知識があるのが大前提ですが」
しかし、キャディもゴルフが上手いにこしたことはないはずだ。
「正直、ゴルフが下手でも知識があれば大丈夫な部分はあります。実際にプロキャディみんながゴルフが上手いということでもないんです」
重要なのは、ゴルフの知識とプロゴルファーからの信頼ということだ。
◆週給10万円+選手の成績に応じた報酬が収入に
ここで気になる懐事情について聞いてみた。するとお金の面ではかなり気苦労が多いことも判明した。
「正直、プロキャディの仕事は安定していません。絶対に安定はしないので、どちらかというとオススメできない職業です」
具体的な給与の中身はこうだ。
「ベースとして、選手のバッグを担いだ週は10万円をもらえます。試合は3~4日間ですが、その前に練習日やプロアマ戦があるので、1週間で10万円とみていいでしょう」
一ヵ月が4週間として、約40万円が基本給ということになる。ただ、これは北海道から沖縄まで全国各地で行われる試合会場への移動、宿泊費、食事代が込みの金額。基本給だけだと赤字になることも少なくない。
「そこに選手の成績によって、追加で報酬が支払われます。たとえば、優勝したら獲得賞金の10%、トップ10入りで7%、予選通過なら5%という形で選手から支給されます。予選通過できなければ赤字が続くわけですが」
たとえば、女子ツアーで最も賞金額が高い試合の一つ「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」の優勝賞金は3600万円。その10%をキャディが受け取るのであれば360万円で、これはかなり大きな収入だ。
それこそ、渋野日向子選手は今シーズン、日本女子ツアーだけに限ると約1億1700万円(賞金ランク2位)を稼いでいる。仮に渋野選手だけを担いだ専属キャディがいるとしたら、1170万円近くがキャディの懐に入るということになる。さらに帯同した分の週給10万円がプラスされる。
また、渋野選手は今年、海外メジャーの全英女子オープンの優勝で約7200万円を手に入れているため、その10%をキャディが受け取る契約ならば720万円も手元に入ることになる。つまり1億円以上を稼ぎ出すトッププロのバッグを担ぐ専属キャディであれば、2000万円近くの年収があることになる。
ただ、プロキャディは「個人事業主」であるため、国民健康保険や国民年金はもちろん自分で支払う。各種税金も稼いだ翌年は金額が大きくなるので、「かなりの変動があって辛い部分もある」という。社会保障はないに等しい。
◆とはいえ生活は苦しい…
キャディA氏も今では、ある程度の稼ぎはあるが、プロキャディになった当初は「節約ばかりで大変だった(笑)」そうだ。節約エピソードを教えてくれた。
「年間36試合中、30試合くらいは車中泊だったことがあります。1週間の宿代だけでもバカになりませんからね。車中泊だと疲れがなかなかとれなくて、とてもしんどいんです。今ではホテル生活中心になりましたが、残念なのは消費税が10%になったのに収入はなかなか上がらないこと(笑)。ホテルも年々、金額があがっていて、昔は一泊4500円だったところが、今では6700円とか、2000円以上も上がっていますから」
北海道に2~3週間滞在したときのエピソードも涙ぐましいものだ。
「自分の車をフェリーに乗せて、北海道についてからずっと車中泊したこともあります。それで宿泊代とレンタカー代が浮きますから」
しかし、よく考えたら風呂はどうするのか。
「車中泊するキャディ仲間がいるので、彼らと近くのスーパー銭湯でゆっくりして、そこで一緒に食事をして疲れをとるんですよ」
キャディA氏も今ではホテル生活に変わったが「選手の練習が終わり、早いときには午後3時くらいに帰ることもあったのですが、暇だからパチンコに行ってしまって余計なお金を使ってしまうこともある(笑)」と、ムダなことをしていることについてはかなり反省していた。
つまり稼げる年とそうでない年があり、キャディという職業が簡単に務まる仕事でないのはよくわかった。
「だからこそ、やっぱり好きじゃないとプロキャディの仕事は続きません。周囲のキャディも本当にこの仕事が好きなんだと思いますよ」
プロキャディがやめられない理由についてはこう語っていた。
「選手に『ありがとう』と一言もらえるだけで、やってよかったなってやりがいを感じます。それにたくさんのギャラリーが見ているなかで、トッププロと一緒にコースのど真ん中を歩ける。そこは選手とキャディだけの“聖域”です。優勝争いしているなかで最後の18番ホールで拍手を受けるのはものすごく快感です。一度味わうとやめられませんよ」
キャディも実力の世界。選手との相性や信頼関係、的確なアドバイス、やりやすさなども、自身の評価に加味されてくる。それは日々の経験で少しずつ磨かれていくものなのだろう。
トッププロと足並みをそろえて戦うキャディのたくましさの裏には、こうした涙ぐましい努力が隠されているのだ。
取材・文:金明昱
キム・ミョンウ/1977年、大阪府出身の在日コリアン。新聞社、編集プロダクション、ゴルフ専門誌記者などを経てフリーに転身。現在はスポーツライターとして、サッカーのJリーグや代表戦、女子ゴルフを中心に取材し、週刊誌やスポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。韓国・北朝鮮スポーツにも精通。過去6回、北朝鮮を訪問して現地取材。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)
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笠りつ子“死ね!”発言であぶり出された、女子プロゴルフ「タオル事情」
11/16(土) 5:58配信
デイリー新潮
笠りつ子“死ね!”発言であぶり出された、女子プロゴルフ「タオル事情」
笠りつ子(日本女子プロゴルフ協会公式サイトより)
女子ゴルフの笠(りゅう)りつ子選手(32)の「死ね!」発言。関係各位のお怒りはごもっともである。しかし少し角度を変えてこの騒動を眺めると、女子プロゴルファーのタオル事情が見えてきた。
10月31日、笠選手が当面のツアー出場自粛を発表した。「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」期間中に、いつも浴場に備えつけてあるはずのタオルがなかったので、コースの副支配人に“なんで置いてないのか”と詰め寄り、“頭が固い。死ね!”と罵った。こんな顛末である。
彼女直筆の謝罪文から引くと、〈私の不適切な発言により、大会主催者、コース関係者の皆様が不快な思いをされた事は事実です。決して言ってはいけない言葉であったと深く反省して〉いるという。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の処分を待たずに自ら対応したことを潔しとする風潮は感じられず、SNS上では、
〈私も去年の三菱レディース観戦中、ダブルボギーとなってしまったホールで笠プロに『ドンマイ』と声を掛けた際、笠プロから「バカ、ドンマイじゃねぇよ!」と言われました。(中略)まぁ『人間性として』疑問ですよね!〉(原文ママ)
といったゴルフファンによる暴露も相次いだ。彼女の人間性の追及はともかく、渋野日向子選手の“しぶこフィーバー”で盛り上がっているゴルフ界に、とびきり冷たい水を差す格好となったのは疑いのないところ。しかしフシギなのは、タオルがなぜなかったのか、だ。
雑な扱い
会場の「マスターズゴルフ倶楽部」支配人が明かす。
「朝、用意したタオルが少なからずなくなるので、大会前、運営本部に、“ここ数年、タオルの数が合わなくなる。よそではどうしているのか”とお伺いを立てました。運営本部がLPGAと協議し、大会期間は朝のストレッチの時間帯だけ設置せず、プレイヤーが風呂に入る前にいつも通り置くことになったのです」
かくなる理由で笠選手の怒り爆発とあいなった。ともあれ、入浴時でなく、ストレッチのときになくなるという。ひょっとしてよほど上等な代物なのか。
「うちに置いてあるのはごく一般的なバスタオルですよ。白の無地で、そんなに高価なものでもない。なんでなくなるのか、私らも分からないんです」(同)
大会出場者の多くが、前年の成績でシード権を得た選手。賞金獲得ランク50位までだ。50位の賞金は2千万円前後なのでバスタオルを持ち帰るほど食い詰めてはいないはず。ほかにバスタオル泥棒でもいるのか。ある女子プロに聞いた。
「浴場の脱衣所でストレッチをするとき、床は冷たいし、素肌が床に付くのはちょっとイヤだからタオルを敷くんです。使ったら畳んで元の場所に返すか、次の選手のためにそのままにしておきますよ」
別の女子選手に訊ねると、
「そのへんに放り投げてあったり、雑な扱いをする人もけっこういます。あとはコースから戻って、汗や濡れたゴルフ道具を拭いたりもする。それで、カバンとかに紛れ込んじゃうこともあるんです。専属トレーナーがいる人は別ですが、ストレッチのためにヨガマットや“マイタオル”を持ち歩くのも負担ですし……」
ゴルフ場の浴場というから、女の園のようなイメージを勝手に抱いていたが、どうやら運動部の部室に近いようだ。「死ね!」発言は、そんな女子プロのタオル事情をあぶり出してくれた。
「週刊新潮」2019年11月14日号 掲載
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