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「韓国に物わかりのいい態度は禁物」今こそ前釜山総領事の“現場の声”に耳を傾けよう
9/12(木) 5:30配信
文春オンライン
「韓国に物わかりのいい態度は禁物」今こそ前釜山総領事の“現場の声”に耳を傾けよう
釜山総領事館前の慰安婦像
韓国には日本の在外公館として首都のソウルに大使館、第2の都市である南部の釜山とリゾートの済州島に総領事館がある。日本の外交官は外交官試験(現在はなくなったが)を経た「キャリア」といわれる上級職と、いわば地域専門職のような中級職の「ノン・キャリア」がいる。ソウル駐在大使はキャリア組が担ってきたが、釜山総領事はこれまでもっぱらノン・キャリア組のポストになっていた。
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それが一昨年6月に就任した道上尚史総領事からキャリア組が送り込まれるようになった。この人事上の変化のきっかけは総領事館前への慰安婦像設置である。
道上総領事に課された二つのミッション
前任の森本康敬総領事はノン・キャリア組だったが、地元の行政当局の説得に全力を挙げ一時は慰安婦像阻止に成功した。しかし反日運動団体の執拗な圧力に屈した行政当局の“裏切り”で慰安婦像は持ち込まれてしまった。ただ、あえて正確にいえばこの慰安婦像は総領事館の前ではない。大通りに面した裏門前の歩道である。
道上総領事に課せられた外交上のミッションはこの慰安婦像の撤去と、新たな反日シンボルとして登場した「徴用工像」の阻止だった。
韓国最大の港街・釜山は昔から韓国人たちの日本渡航の玄関口だった。その歴史的因縁から釜山には今、国立の“反日施設”として「日帝強制動員歴史館」なるものまであるが、そんな背景もあって急進派労組を中心とする釜山の反日団体は日本総領事館前への徴用工像設置に血眼になった。
徴用工像の設置は辛うじて阻止された
総領事館周辺前では設置を認めない行政当局に抗議し、設置を強行しようとする労組など反日勢力と機動隊の間で攻防が続いた。今年「メーデー」にあたる5月1日はそのヤマ場だったが、辛うじて設置は阻止された。
徴用工像は総領事館から数十メートル離れた小公園に“放置”されているが、反日団体によるデモ・集会など総領事館への圧力はその後も執拗に続いている。7月には反日・親北学生組織のメンバーが図書室利用を装って総領事館中庭に“乱入”し気勢を挙げている。
現職の外交官としては異例の現場報告
道上総領事はこの9月、徴用工像阻止を勲章(?)にソウルにある国際機関「日中韓三国協力事務局」の事務局長(大使級)に転身したが、これまで韓国勤務は大使館、総領事館で計10年になる。北京勤務もしている。ソウルと北京の双方で日本大使館文化広報院長を経験した例は珍しい。キャリア外交官では数少ない韓国通で韓国語も完璧である。
その道上氏が釜山からの転身を機に、月刊 「文藝春秋」10月号 に「韓国を覆う危険な『楽観論』の正体」と題し、“徴用工像攻防戦”をはじめ、これまでの韓国経験を総括する原稿を書いている。
現職の外交官としては異例の現場報告で、韓国に対しては当然、〈自分の主観を極大化させて、国家や相手が目に入っていない。ふつうの日本人が韓国に失望し、心が離れている等の基本構図が目に入らない〉などと厳しいが、日本にも注文をつけている。彼自身の韓国側との数多くの対話経験を紹介しながら〈オールジャパンでしっかり日本側の立場を発信し、説明すること〉の重要性を強調しているのだ。
特にいわゆる日韓交流などにおける日本側の「物わかりのいい態度」が韓国側に誤解を与えていると道上氏は苦言を呈している。現状の“日韓外交戦”を念頭においたものとしては、〈『国際スタンダードに即し、客観性のある姿勢』という日本の長所を維持すること〉だといい、〈国際社会から中韓と同じレベルか?〉と思われないようにしなければならない――と提言している。道上氏の原稿は、韓国、韓国人との付き合い方に関し多くのヒントを与えてくれるだろう。
黒田 勝弘/文藝春秋 2019年10月号
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全ての元凶は、日本民族の心の弱さである!!!
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