夫の双極性障害が発覚、散財や浮気、暴力…41歳妻が選んだ結論

2020年06月12日 | 病気 余命を考える 死を迎える準備
自分は精神疾患はないが、You Tubeを始めて、自分のを見たら結構怖い人間だと自覚した<<故にアクセスが少ないのだと妻と娘にも言われた>>



夫の双極性障害が発覚、散財や浮気、暴力…41歳妻が選んだ結論

6/12(金) 7:01配信
現代ビジネス

写真:現代ビジネス

 結婚したからには「病めるときも健やかなるときも」互いに支え合うべきだと、言うのはたやすい。しかし、現実にはなかなかむずかしいことだ。体の病気なら労わりの気持ちも湧きやすいが、心の病気は受け入れることからしてハードルが高い。

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 夫が心の病にかかったとき、妻はどう気持ちを整えたらいいのか。「病を憎んで人を憎まず」の境地に至ることはできるのか。夫の心の病が発覚し、その後別居をしたが離婚はしていない柏木千紗さん(仮名・41歳)に話を聞いた。

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ライターの上條まゆみさんによる連載「子どものいる離婚」。離婚の連載ではあるが、今回は離婚せずに別居を3年続けている母親の姿をお伝えする。結婚や離婚は、自分らしく生きていくために自分たちが考え、決断するものだということを改めて感じる。
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波のある性格ではあったけど

結婚し、ともに暮らすと、あれ?と思うことも当然出てくるもの(写真はイメージです。写真の人物は本文と関係ありません)Photo by iStock

 「今思えば夫は、付き合っているときから、活動的でエネルギッシュなときとそうではないときの差が激しいところがありました。でも、性格は穏やかでやさしい人だったし、4年付き合っているうちの半分くらいは遠距離恋愛だったので、それほど気にならなかったんです」

 千紗さんは、フルタイムで働く会社員で、13歳の女の子と8歳の男の子の母親だ。4歳年上の夫とは、千紗さんが大学生のときに趣味の場で知り合い、26歳で結婚。2人の子どもに恵まれた。夫も会社員で生活は安定しており、幸せそのものの家族の姿に見える。

 しかし結婚生活は、当初から順風満帆とは言えなかった。

 「一緒に暮らし始めてみると、あれ? 普通じゃないな、と思うことがたくさんありました。平日なのに朝まで飲んで、8時ごろようやく帰ってきたと思ったら、そのまま一睡もせずに出勤。かと思えば、ドーンと落ち込んで起き上がれない日もある。浪費癖も酷くて、一晩で何万もするようなお店に通いつめてしまう」

 共働きで財布は別にしていたので、家計にそれほどのダメージはなかったが、散財はやはり頭に来る。喧嘩は多かった。

 2人目の子どもが生まれたばかりのある日、千紗さんは衝撃の事実を知らされる。夫が双極性障害であるとの診断を受けた、というのだ。
「会社でも急に多弁になるなど様子がおかしかったので、上司から産業医の診察を受けるよう勧められたらしいのです。ふつう双極性障害の診断はむずかしいとのことでしたが、たまたま産業医がその専門家だったことが幸いでした」


マライア・キャリーやチャン・グンソクも公表している病気

2018年7月、7月16日より、社会服役要員基本的な教育を受けた後、2年間の代替服役をすると発表、5月29日に除隊の報告があったチャン・グンソク。双極性障害は2011年に診断を受けており、それが兵役の代替服役につながった

 双極性障害とは、躁状態とうつ状態とを反復する精神疾患だ。躁鬱病とも呼ばれる。有病率は1%ほどで、20代から30代で発症することが多い。

 躁状態では、気分が高ぶって誰かれかまわず話しかけたり、まったく眠らずに動き回ったりと活動的になる。ギャンブルに全財産をつぎ込んだり、高額のローンを組んで買い物をしたり、上司と大ゲンカして辞表を叩きつけたりなどの激しい言動で、社会的信用や財産、職を失ったりするケースも少なくない。一方、うつ状態では、一日中ゆううつな気分で、眠れなくなったり、または逆に眠りすぎたり、食欲が低下し、おっくうで身体を動かすことができないといった症状が見られる。古くは太宰治や北杜夫がこの疾患だったと言われており、韓国俳優のチャン・グンソクや、マライア・キャリーも自らこの疾患であることを公表している。

 夫の病名を聞いたとき、千紗さんはショックを受けると同時に、「なるほど」とすべてが腑に落ちた。

 「ああ、私が出産した日に朝帰りしてきたのも、夜のお店に大金注ぎ込んだのも、そうか、病気のせいだったのか、と……。そういえば、病名がわかる少し前、夫の提案でマンションを買ったんです。いつになく積極的に銀行に交渉している印象がありましたが、それも躁状態だったからだとわかりました」
子どもの前で暴力をふるわれ…

子どもにこういう姿を見せたくない。見せずに過ごせていたからこそ、結婚を続けていたのだが…Photo by iStock

 そのころ夫の病状は、人目にも明らかなほど重くなっていた。女性問題も発覚し、それにも千紗さんは大きく失望した。いくら病気で気が大きくなっていたときの過ちだとはいえ、簡単に受け入れられるはずもない。
「調べれば調べるほど、厄介な病気。薬物治療などで寛解(症状が出ていない)状態をできるだけ継続させながら、一生付き合っていかなければならない。離婚する人も多いみたいです。そうだろうな、と思いましたよ」

 実際、千紗さんも離婚を考えた。が、当時はまだ下の子が生まれたばかり。フルタイムで働いているといっても、東京で子ども2人を育てるのには心もとない。かといって地方に引っ越せば、せっかくの安定した仕事を失ってしまう。
夫は病気だとはいえ、会社には普通に行って稼いできてくれていたので、すぐに離婚するメリットはないと思い直した。

 「子どもにはいい父親でしたし。というのも、躁状態のときは家族なんか忘れてどこかに行ってしまうので、子どもには荒れている姿を見せずにすんでいたんです。それこそ海外旅行に突然、出かけてしまうこともありました」

 そんなわけで、喧嘩は多いながらもなんとか家族として暮らしていたが、ある日、事件が起こる。
「躁の波がやってきたときに、暴れ出しちゃって。飲み会から帰ってきたら、言っていることが支離滅裂。咎めた私に暴力を振るってきたんです。暴力は初めてだったし、それが子どもの前だったというのもショックでした。それで、もう一緒にいられない、出て行って! と言ったら、躁で気が大きくなっているから『ああ、出て行ってやるよ! 』と」

 それが3年前のこと。以来、今に至るまで別居生活は続いている。夫はワンルームマンションを借りて住み、病状が落ち着いているときに時々、子どもに会いにやってくる。マンションのローンや管理費は夫が払ってくれている。

 「私とも、まあ普通に話しますよ。私が仕事で忙しいときや具合が悪いときなどに、子どもの世話を頼んだりもしますし。でも、夫婦ふたりだけの会話というのはないですね」


一緒にいるとしてしまう期待をせずに済む

 離れてみたら、夫の言動に振り回されずにすむので、気持ちは楽になった。病気だとわかっていても、一緒にいればつい夫として期待してしまう。応えてもらえなければ、頭にくるし、傷つきもする。でも、いないならいないで、諦めがつく。

 「私って、もともとがスーパーポジティブ(笑)。夫のために悩んだり苦しんだりする時間がもったいない、せっかくだから自分のために時間を使おうと、別居して半年後にはビジネススクールに通い始めたんです。そうしたら、素敵な人とたくさん知り合えて。自分は自分で楽しくやろうと、前向きな気持ちになれました」
 
離婚はせずに別居を続ける。夫婦として不自然な選択であることは承知している。でも、千紗さんは当面、このスタイルでやっていくつもりだ。

 「一緒に暮らすのは、私が精神的に保たないから無理。でも、離婚をしたいとは思わない。だって、離婚することの方がパワーを使うし、現状に満足していますから。それに、離婚していないからこそ、私と子どもたちはこの家に住み続けられているとも言えるんです」

 千紗さん曰く、「いま住んでいるマンションは、子育てをするのに最高の立地」だ。環境もいいし、子どもが小さいころから住んでいるので、近所にママ友もたくさんいる。もし正式に離婚するとなったら、財産分与などで家を売る必要が出てくるかもしれない。それは避けたい。

 「あれこれ考えると、いま離婚するメリットは一つもないんです。少なくとも子どもが大きくなるまでは、これがベストなスタイルだと思っています」
では、子どもが巣立ったら? 千紗さんは果たして、どんな選択をするのだろうか。
やっぱりこの人のこと嫌いじゃないな

千紗さんが苦しんできた夫の行動の原因は「病気」。でも「病気だから、苦しいことも耐えて一緒に暮らさなければならない」ではなく、「子どもも親も穏やかで暮らす」ために、病気の影響が及ばないけれど子育てのできる距離に離れることを選んだ

 実は千紗さん自身が、母子家庭育ち。3歳のときに親が離婚した。20歳で母親が再婚。「いい人を見つけてくれた」と、千紗さんは思っている。
「そのとき母は46歳。今の私の5年後ですよね。母の姿を見ても、相手を尊敬し合って、穏やかに暮らせる人と一緒になるのっていいな、と思います。だから私も、第二の人生を考えないわけじゃないんです」

 でも、と千紗さんは言葉を続けた。

 「もしかしたら、また夫と一緒に暮らす日が来るかもしれない。最近、病気が落ち着いてきているのもあって、ああ、この人のことやっぱり嫌いじゃないな、と思うことがあるんです。私にはない穏やかさを子どもたちが持っていて、それは夫の資質を受け継いでいるおかげだな、って……」

 数年後、もう一度、千紗さんの話を聞いてみたい。

上條 まゆみ(ライター)


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mak***** | 3時間前

父が生前躁鬱病でした

この病気は躁状態の時は周りの人間が本当に手を焼きます
昼夜問わず動き回って警察沙汰にもなるし自己破産に追い込まれるまでお金を使いまくる

病気だから…と心を片付けるのはとても難しい

返信4

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dra***** |3時間前

うちの父も生前、躁うつ病でした。

本当に一言では言い表せない。

私が高校生の時に、単身赴任先で鬱が酷くなって仕事を辞めました。
鬱の時は「お父さんのせいで大学行かせられなくてごめんね」と言ってくるんだけど、躁になると「お前が勉強しないから短大にしか行けなかった」とか。

健康になる水的なモノにハマり、鬱の時はそれにすがり、躁の時は自分もそれを広めるんだと言ってみたり。家族総出で止めに入ったり。
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v |1時間前

うちは父が多分躁病だったと思います。でも、結局診断は出ませんでした。結局、借金をして投資しまくり、全財産を無くしました。母の心労は相当なものでしたが、年金などのこともあり離婚には至りませんでした。その後母が認知症になった時もつねったり叩いたりしていたようです。どういう人格なんだろうと思いましたが、診断がついていれば薬も処方出来て少し落ち着いたのかもしれません。この記事の方は、早くに診断されて良かったです。
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く |40分前

うちは母親が同じ病気で暴れて何度も入院しました。
今は薬でなんとか症状を押さえていますが、
躁が強い時に、私は病気じゃ無い!と薬を飲んでなかったり、勝手に通院をやめたりして、爆発を繰り返したので薬を飲むのを家族中で目を光らせてます。
大変だけど、薬です押さえられる病気なのが不思議ですよね。
昔なら狂人とか狐憑きとかで、一生座敷牢だろうなと思ったりします。
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0
mak***** |36分前

狐付き…そういう風に言いたくなるほど人格が豹変しますよね

攻撃的になって言いたい放題やりたい放題になるので病気とは知りつつ、本気で腹が立ってしまう私でした

鬱の時は躁状態の時に溜まった疲れが吹き出したかのように、歩く事もままならなくなっていました
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コメントを書く

meb***** | 3時間前

二世帯分払える能力があるならそれなりに収入がある旦那なんだから子供が大きくなるまでは別居でいいよね。
一人で無理して働くより子供を不自由なく育てられる環境を継続した方がいいね。

返信2

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lac***** | 3時間前

私、双極性障害です
まったく症状が同じです
躁状態の時は、何しても疲れないし
何しても、楽しいんです
でも、鬱の時は、誰とも会いたくないです
差が激しすぎて疲れます
本当に、厄介で理解されにくい病気です

返信7

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kbbbb***** |56分前

歴史の局面局面で躁のパワーが発揮されているなと感じることがある。ヒトという動物の多様性を維持する上で必要な存在でどの時代にもどの地域にも一定数存在するんだなと解釈している。
もちろん遺伝性もあると考えられているので躁の時に積極的になり魅力的な異性と子孫を残している事が多いなと感じる。
7
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匿名 |50分前

うちの母もそうです。70代後半になり、もう鬱状態しかならないけど…

大変だったけど、大好きな母です。
もう一回躁状態になってくれないかなって思います。元気なところが見たい。。
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jnf***** |1時間前

躁の時は万能感でいっぱいです。鬱になると自殺未遂や行方不明になり入院を繰り返す。本人も苦しいけど周りも大変です。夫の病気で義母が宗教にすがり入信しない私のせいにされました。
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く |31分前

母親がこれで何度も暴れて入院しました。
しっかり者の母親が病室のベッドに鎖で繋がれ、オムツをはかされ、意識朦朧となる強い薬を投与され、呂律が回らない状態でも悪態をつく姿が娘の私にはショックで忘れられません。
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JMS |27分前

もし躁状態を一生維持できる人間がいたら・・・
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xla***** |1時間前

私もです。35歳 会社員
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nis***** |2時間前

この病気の厄介なところは躁の状態を本人が認識できない所ですよね
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コメントを書く

aya***** | 3時間前

妻が躁鬱病でした。手に負えない状態が酷く二度の入院。
4年ほどかかりましたが今は寛解状態です。
大変に辛く受け入れのが大変でした。
還暦を過ぎたいまは、貴重な経験が出来たと思います。

返信1

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t_n***** | 2時間前

知り合いの奥様が躁鬱でして、本人も自覚しており、定期的に病院も行っていますが、
本当に分かりやすい程、極端です。
躁の時は、観光地へ出掛けて走り回り、絵文字やスタンプを使い、孫の写真やラインをガンガン昼夜問わず送ってくるし、鬱の時は、ご飯も作れず風呂すら儘ならない状態だそうで…
ご主人が出来た人なので恵まれていますが、本人様を始め、周りの家族も大変な病気ですよね。

返信0

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hap***** | 2時間前

双極性障害には1型と2型があり、この方は1型たのでは?と思います。

2型はこういう感じではないです。
明らかにテンションが上がりまくるようなことはないのです。

私は家族に双極性障害の者がいて、本人の周りの人にも一部病気を伝えています。

例えばその方々のような方がこの記事を読んだ時に、タイプによって症状が違うことを知っていただきたく書きました。

返信1

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坊 | 2時間前

自身の事を書かれているようで辛い。
まるっきり同じような生活だった。
50才直前に離婚を切り出され離婚した。
後で気がつく癲癇病って言葉どうり。
早くに受診出来ていればと後悔しかない。
離婚時は二人の子供も成人していたので
唯一の救いだった。
遺伝 幼少期の生活環境。 色々言われているが
はっきり解明されてないとの事。
今 心療内科に月一通院して薬を処方されている。
躁と鬱の中間をかろうじて保たれている。
元妻には申し訳ない事をしたと思う。
何らかの兆しが有れば、早めに受診を勧めたい。
診断が難しいのが躁鬱だが、病名がはっきりしたら
薬の調整でかなり改善される。
家庭破壊 人生を無駄にしない為にも
是非 傾向が有る人は受診を。

返信1

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・・・ | 3時間前

子供もいるし、いい選択だよ。別に病気が理由じゃなくたって不仲な夫婦は山ほどいるし、離婚だけが解決法じゃない。大金持ちや所得ゼロなら別だが。家庭内別居も別居もありさ。理想的な夫婦像に縛られるのは愚かなことだ。

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fdh***** | 2時間前

長男がまだかなり小さかった時のママ友になった人がそうでした。
本人の口から聞いていましたが、調子がよくないときは自ら周囲との関わりを遠慮していました。
ただ、段々こちらの生活に関して口を出すようになりやんわりかわしてましたがある時お金の使い方を細かく指摘してきたのでそれは違うと指摘した途端自分の考えが正しいから否定するならもういい!と一方的にキレられて付き合い終わりました。
後日、ご主人から謝罪されましたが付き合いが再開することはありませんでした。
10年以上前の事ですが、今でも何故か印象に残ってるんですよね。

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