3月9日 (金) 後 平成17年1月1日より 2,634日目
歩いた歩数 その距離
本日 16,742歩 11,719m
総計 36,710,485歩 25,697,340m
イタリヤ・オーストリヤ・ドイツハノーバーを経てデュッセルドルフに向かう、後 145,811m
中国学童の作品をお願いして居る佐藤氏と【裏打ち】を前に論争をした。と言うより私の方から昨日見た「表装の技法」の中で”小判の裏打ち紙で打つ場合は、普通「投裏打」と呼ばれる一般的な方法をとりますが、今回は初心の方がやりやすいように大判の紙を用い、一発で打ってしまう「返し打ち」という方法をとります。”という解説を根拠にこの方法でやって欲しいと要望したところ、「そんなやり方は素人のやる仕事でホントの仕事じゃない。そんなやり方で仕上げた表具は時間が経てば手抜きは直ぐバレる。俺にはできぬ。」と突っぱねられた。
私は昔、先生から「返し打ち」で教えて貰ったし、本表装をする訳ではなく、学校巡りの作品展で作品が痛まぬよう裏打ちするのだから、プロの腕の見せ所は私が中国を代表する書家に書いて貰った時にして欲しい。今日の所はこの方法の方が能率も上るので、是非やった見て欲しいと懇願したが、俺には納得出来ないと突っぱねられた。
私は【投げ裏打ち】した作品が、折角シワが伸びたにも関わらず、またシワになっているのが気に食わず、解説書の中にあった”肌打裏が終わったら乾燥させなくてはなりませんが、そのまま放置して乾かしたらデコボコに波を打って、折角裏打ちした意味がありません。仮張りといって。、乾燥用の板に張りつけて乾かしますと、ピンと張って綺麗に乾きます。”という文言を引き合いに出して、「一度でも良いから私の言うやり方でやってみて下さいヨ!」と頼んだ。
彼は急に承知した。豹変!だ。私の要望を入れてやるだけやって、終わりにしようと考えたと判断した。それも良かろう!私の思いを叶えて呉れるならそれでヨシと判断した。
彼は「今までやったモノを全部裏打ちしてから、仰せの通りやろう!」と言ってくれた。あのシワだらけの品物が【糊付板】で再度の裏打ちで美事シワが伸びて生き返ったのには驚いた。流石、プロの仕業と驚嘆した。素晴らしい!
それから私のお願いした【返し打ち】で作業してくれた。皺にもならず、能率も上がるので彼も気分よくして次々と作業を進めてくれた。妻は昼飯の代わりに【蕎麦】を茹でてくれた。彼は美味そうに食べて帰った。明日も来て呉れるだろう。