心の模様

心の中の一つ一つを整理して、いつか素敵な部屋にしてみたい。

忘れることができるから

2016-05-30 | 昔々
子どもはいつも

親に褒められたい

認められたいの気持ちで

いっぱいで



見て見て聞いて聞いてって

気を引きたくて

こっちを見てほしくて



学校の勉強がすごくできたなら

運動がすごくできたなら

特別な何かに選ばれたなら



私の方を見てくれる?



大人はいつも忙しい

仕事以外にも

やることがいっぱいあって

子どもに時間を使っていられない



生むつもりなかったのよって

母が言ってるのを聞いたことがある



父と二人の生活を

もっと楽しんでいたかったって



だからかな

いつも家で一人だったのは



何買ってもいいって

お金はいつもあったし



誰か彼かがいつも

ご飯を作ってくれたし



でも

何も欲しい物はないし

何か食べたい物も

なかった



もっと小さい頃は

ただ広いだけの家で

雷が鳴ると怖くて

布団にもぐってたけど



そのうち雷の音が

寂しさを紛らわせてくれるようになって

あの稲妻も綺麗だと

外を見ているようになった



だから何だか

雷が鳴ると

友達が会いに来たような

気さえする



でもね

昔のことは忘れるもので



母に昔のことを聞くと

習い事でも何でも

人並み以上にやらせたし

不自由はさせなかったでしょうって言う



本当にそうだね

わがまま言ったら

罰が当たりそう



だからこれでいい

いろんなことを忘れて

笑うことができるのだから