心の模様

心の中の一つ一つを整理して、いつか素敵な部屋にしてみたい。

ほんの少しのことで

2016-06-03 | 日常
毎回ありがとうございますなんて

わざわざ言わなくていいよって

その人はぶっきらぼうに言った



助けてもらってるのは

こっちなんだからって

気遣いは忘れない



仕事のできる人は

謙虚な人がきっと多い



メインでなくサブで

その人の仕事に入ると



ああすごいなって

感心しきりなことばかりで



私メインの仕事って

だめだめじゃないかと



反省させられるところが

たくさん見つけられる



だからサブで入れて頂いて

いろいろ勉強させて頂いてるから

ありがとうございますなんですって

説明すると



いつも怒ってるような顔したその人が

可笑しそうに笑った



そして自分の過去の失敗談を

にこやかに優しい顔で

話し出すその人が

とても意外で



冗談は通じない厳しい人という

私の認識はどこかへ吹っ飛んでしまった



あれだけ遠くに感じていた人が

こんなに近くなって距離がなくなって

それが何とも不思議で



もしかしたら

好きも嫌いも

得意も苦手も



ほんの一瞬で

変わることができるのかもしれないって



その人と笑い合いながら

ぼんやり考えていた





ムカデ

2016-06-03 | 日常
6月なのに

夜の運動公園は

風が吹きすさび



あまりの寒さに

上着を着込んで

震えていると



子どもたちが練習しているコートに

大きなムカデが這いずり回っていた



ムカデで大騒ぎすることなく

避けながら練習を続けていたけど



皆がチラチラ私を見る



私に取ってほしいってことらしい



自慢ではないけど

人間以外の生き物が

私はあまり得意ではない



むちろん虫も触れない



だけどきゃーとか

虫が怖いとか

触れないなんて

言っててかわいい歳でも

ないことも知っている



だからおもむろに

グランドブラシをひきずって



ムカデをコートの中から

端の方へ追いやった



まるで何でもないことのように

平気で手でも触れそうな顔をして



友人が

ムカデはつがいでいるって言うよって



そんな言葉を聞いて

ドキドキした



誰もいない時に

現れたらどうしようって



帰る時

さっき出た反対側のコートの端で

大きなムカデが死んでいると

子どもたちが騒いでて



じゃあ

さっき出たのは

死んだムカデのつがいってことかと



もう出ないだろうことに

少しほっとした