中国生産先送り相次ぐ トヨタとホンダ17日以降に(20/02/08)
登録車ではトヨタの新型コンパクトSUV「ライズ」が、軽自動車ではホンダ「N-BOX」がトップ! 2020年1月期の国内乗用車販売データが発表
- 2020/02/06
2月6日、自販連(日本自動車販売協会連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)は、それぞれ2020年1月期の乗用車販売台数を公表した。
ホンダN-BOXがトップを堅持。軽自動車の人気は根強い
登録車、軽自動車を合わせた総合では、2019年に最も売れたホンダのN-BOXが前年同月を下回ったもののトップをキープ。日産デイズやスズキ・スペーシア、ダイハツ・タントがそれに続き、依然として日本では軽自動車の人気が続いている。
登録車では、2019年11月に発売されたトヨタの新型コンパクトSUV「ライズ」がトップを獲得。総合でも5位に食い込んだ。ライズは2019年12月に発売開始から約1カ月で約3万2000台の受注を記録し、好調なスタートを切っていることがトヨタから発表されたが、この勢いを裏付ける結果といえる。ちなみに、ライズの姉妹車であるダイハツ・ロッキーの2020年1月期販売台数は3153台だった。
●2020年1月期・国内乗用車新車販売ランキングトップ20
第1位:ホンダN-BOX(1万8953台/98.8%)
第2位:日産デイズ( 1万4266台/105.4%)
第3位:スズキ・スペーシア(1万2411台/86.5%)
第4位:ダイハツ・タント(1万2332台/94.0%)
第5位:トヨタ・ライズ(1万220台/—)
第6位:ダイハツ・ムーヴ(8957台/86.5%)
第7位:日産ノート( 8529台/65.8%)
第8位:トヨタ・カローラ(8480台/129.2%)
第9位:トヨタ・シエンタ(6831台/79.4%)
第10位:日産セレナ(6781台/67.1%)
第11位:ホンダ・フリード(6759台/100.9%)
第12位:トヨタ・プリウス(6659台/76.4%)
第13位:トヨタ・アクア(6622台/74.6%)
第14位:トヨタ・ルーミー(6193台/95.4%)
第15位:ダイハツ・ミラ(5841台/63.6%)
第16位:スズキ・アルト(5636台/99.5%)
第17位:トヨタ・ヴォクシー(5557台/76.8%)
第18位:トヨタRAV4(5549台/—)
第19位:スズキ・ハスラー(5534台/100.3%)
第20位:トヨタ・アルファード(5147台 /87.1%)
※パーセンンテージは前年同月比
ホンダ、武漢工場の稼働再延期 トヨタも4工場で検討
- 2020/2/6 18:50
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ホンダは武漢市の工場の生産を止めている(湖北省武漢市のホンダの四輪車工場)
ホンダは6日、中国の湖北省武漢市に持つ乗用車工場について、14日にも計画していた稼働再開の時期を再延期する方針を固めた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、最短で2月下旬までずれ込む見通し。トヨタ自動車も中国4工場の稼働を早ければ10日に再開させることを目指していたが、再延期も含めて検討している。自動車だけでなく製造業の中国依存は高まっており、生産への影響が広がっている。
中国に工場を持つ日本車メーカーで生産停止の長期化を決めたのはホンダが初めて。当初、稼働再開時期を春節(旧正月)明けの2月初旬としていたが、新型肺炎の問題発生後の当局の通達を受け、再開日を14日以降に変更していた。
ホンダは武漢工場の稼働再開に向け、稼働禁止明けから生産ラインの工事などを約1週間行う予定だ。当初は春節に伴う大型連休中に実施する計画だったもようだが、新型肺炎の問題で見送っていた。工場に戻ってくる従業員の人数や在庫の状況など不透明要因も多く、本格稼働は2月下旬以降に先送りされる可能性もある。
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広州に持つ乗用車工場の4つのうち、一部工場で10日朝から稼働を再開する見通しだが、武漢の工場停止の長期化は会社全体の経営に響く。武漢工場の生産能力は年60万台で、中国全体の約半分を占める。中国での新車販売台数は19年に約155万台と過去最高を更新するなどホンダの業績を下支えしており、業績下振れは避けられない。
生産停止が長引けば、日本やタイで運営する生産にも影響を及ぼす。ホンダは「地産地消」の考えのもと、現地で部品を調達して完成車にしているが、部品会社によっては武漢で造った製品をホンダが日本で生産・販売する車向けに送っている。部品会社は一定の在庫を持っているもようだが、中期的には不足する可能性が高く、国内で一部車種の生産休止となる事態も予想される。
トヨタは現地企業と設立した合弁会社の「一汽トヨタ」と「広汽トヨタ」の両社が持つ計4工場を中国国内に展開している。感染拡大に伴い、1月29日に「9日までは停止」と決めていたが、再延期が必要かどうかを含めて近く結論を出す。
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、中国から日本に輸入された部品の総額は、18年に約3470億円だった。日本に輸入される部品の中で約3割と存在感を示す。武漢を含めた中国工場の長期停止は自動車各社の生産に大きな影響を与えることは必至だ。
いすゞ自動車は日本国内の工場を停止させる可能性が出てきた。自動車部品のターボチャージャー(過給器)の一部を武漢から輸入しているためとみられる。部品の供給が滞った場合、エンジンやトラックの生産に必要な部品が足りず生産の停止につながりかねない。
生産への影響は完成車メーカー以外にも広がる。素材メーカーの藤倉コンポジットは6日、中国浙江省にある現地法人2社の操業開始日を1月末に発表した10日から17日に変更すると発表した。浙江省は5日、省内の一部地域で市外に出た人の戻りを禁止することなどを通達。現地従業員の出勤や帰宅が困難になると予想される。同省の杭州市と湖州市にある現地法人2社は、自動車部品用のゴム製品などを中国向けに製造している。
自動車以外でも影響が広がる可能性がある。中国では米アップルのiPhoneなどスマートフォンの生産が集中し、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業などが製造受託して、世界各地に供給される。関係者によると、鴻海は休暇明けの来週から稼働率を最低50%に戻したい考えだが、春節で帰省した労働者が戻らず不足し、再開ペースが遅れる恐れがある。
ドラレコ、付けただけで安心はダメ 意外な盲点が結構ある
「『これで安心だ』と思ったのも束の間でした」。70代後半の両親が使う車にドライブレコーダー(ドラレコ)を取り付けていた40代の男性は、そう言って頭を抱えた。両親は孫の顔を見るため、長野から都内へ月に一度のドライブ中だったという。
「万が一のことを考えて、昨年夏にドラレコを購入しました。この事故は運転していた父親のミスではなく、一般道で後ろから追突されたんです」
連絡を受けた男性を待っていたのは驚きの事態だった。「そっちが急にブレーキをかけたせいで、ぶつかった」という相手方の主張を覆そうと、両親の車のドラレコを確認すると「映っていたのは、事故の後の映像だけ」(前出・40代男性)だったというのである。いったい、何が起きたのか。
ドラレコの〈肝心な場面の上書きトラブル〉の多くは「SDカードに対する認識不足」と指摘するのは、日本交通事故鑑識研究所・代表取締役の大慈彌拓也氏だ。SDカードとは、ドラレコの中に入れる記録媒体である。
「多くの場合、はじめから付属しているカードの容量は、8GB程度です。設定によっては1時間程度しか録画できず、それが過ぎると、頭から上書きされてしまう。ですから、付属のものより容量の大きいカードを別途購入することをお勧めします」(大慈彌氏)
冒頭のケースでは、8GBのSDカードが使われていたことに加え、エンジンを止めても録画を続けるバッテリー内蔵型のドラレコだったため、男性が現場に着くまでの約1時間でカードの容量がいっぱいになり、事故発生時の映像が上書きされてしまったのだった。
SDカードをめぐる問題は、これだけに止まらない。毎週のように夫婦でキャンプへ出かけている30代男性は大容量のカードを使っていたが、山で衝突事故を起こしたとき、肝心のドラレコには何も記録されていなかったという。
「モニターにはいつも映っていたのに……ドラレコの故障かと修理に出したら、機械は壊れていませんでした」
前出・大慈彌氏によれば、これもよくあるトラブルなのだという。
「ドラレコで使用するSDカードは、デジタルカメラなど他の電子機器と同じものです。でも車内は環境が違う。
デジカメを真夏の車内に何日も置きっぱなしにする人はいないと思いますが、ドラレコのSDカードは挿しっぱなしなので、炎天下や極寒の状態で何日も放置されているのと同じです。その上、運転するたびに録画と上書きを繰り返すので、一枚のカードは半年くらいで寿命がくると思ってもらったほうが安全です」
少し面倒でも、月に一度は録画データを確認し、SDカードの不具合をチェックする習慣をつけたい。
2017年6月に世間を騒がせた東名高速道路のあおり運転事故以降、運転者の身を守るためのツールとして、ドラレコの売れ行きは急激に伸びた。
ドライブレコーダー協議会の統計によれば、2017年度の第2四半期には約43万台だったドラレコの出荷数は、昨年の第2四半期には約132万台にまで膨れあがっている。だが、その一方、ドラレコを設置しただけで安心してしまい、事故が起きてから初めて、その“落とし穴”に戸惑う人々がいることも事実なのである。