<基調講演> 2017年ハリケーン・ハーヴィ災害~史上最大の被害になった原因と教訓~
時間 | 10:45 - 12:15 |
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所属 |
関西大学 社会安全学部 |
氏名 | 河田 惠昭 氏 |
会場 | A会場 |
略歴
関西大学社会安全学部・社会安全研究センター長・特別任命教授(チェアプロフェッサー)。工学博士。専門は防災・減災。現在、阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長(兼務)のほか、京大防災研究所長を歴任。京都大学名誉教授。2007年国連SASAKAWA防災賞、09年防災功労者内閣総理大臣表彰、10年兵庫県社会賞、14年兵庫県功労者表彰、16年土木学会功績賞、17年アカデミア賞受賞。現在、中央防災会議防災対策実行会議委員。日本自然災害学会および日本災害情報学会会長を歴任。
内容
1900億ドルに達する、史上最大の社会経済被害をもたらしたハリケーンによる広域豪雨災害の実態を災害研究者、国土交通省、内閣府による現地調査によって明らかにする。とくに、広域都市圏の人口が600万人を超えた全米4位のテキサス州ヒューストンにおける被害の発生過程からわかったこれまでの対策の問題点、そして、今後の対策を洪水リスクマネジメントの立場から概述する。
ハリケーン・ハービー直撃。米テキサスで前代未聞の「壊滅的洪水」発生中
ハリケーン・Harvey(ハービー)の上陸・停滞で、アメリカ南部テキサス州では、未曾有の洪水が発生しています。
気象局は「この嵐は前代未聞で、かつての経験をはるかに上回ることが起きる」ため、住民に対し安全に行動するよう呼びかけています。
現地の状況
大都市冠水
現地時間27日(日)時点の死者数は5名で、その他多数がケガをしているもようです。
州最大都市・ヒューストン周辺では、24時間で610ミリの雨が降り、洪水により「壊滅的な被害」が起きていると伝えられています。8万人が停電の影響を受け、一部では3メートル以上も冠水、これまでに1,200名以上が救助されています。
竜巻も
大雨の他、約20もの竜巻が発生し、倒木や家屋の損傷も報告されています。
ハリケーン・ハービーの勢力
ハリケーン・ハービーは現地時間25日(金)夜、中心気圧938hPa、最大風速58メートルの勢力でテキサス南東部に上陸しました。これはハリケーンの分類上、上から2番目に強い「カテゴリー4」の勢力です。
前回同じ勢力のハリケーンがアメリカに上陸したのは2004年のことで、これはハリケーン・チャーリーによるものでした。
ちなみに、死者1,200名という全米史上最悪の被害を出したハリケーン・カトリーナの上陸時の勢力は「カテゴリー3」で、ハービーよりも1ランク低い勢力です。
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ハービーのこれから
ハービーは上陸後勢力が衰え、現地時間27日(日)夜時点の中心気圧は1000hPa、最大風速は18メートルとなっています。すでにハリケーンではなく、トロピカルストームと呼ばれる勢力まで弱まっていますが、今後も一層被害が広がる恐れがあるのです。
27日時点の予想進路図。National Hurricane Center
というのは、ハービーは31日(木)にかけても、テキサス州に停滞するためです。
メキシコ湾の海水温は30℃以上。NOAA
つまり「居座り型」であること、さらに悪いことにテキサスの南の海域の海水温が30℃以上もあって、非常に暖湿な空気が流入し続けることから、総雨量は最大で約1,300ミリに達するという予想も出ています。例えばヒューストンの年間降水量は1,400ミリですから、一年の総降水量に匹敵する量の雨がたった1週間で降ってしまうことになるのです。
米当局は上陸以前から「Uninhabitable for weeks or months(数週間もしくは数ヶ月間、人が住めなくなる状態)」になる恐れがあると警告していましたが、それがまさに現実のことになろうとしています。
アメリカの災害対策実情
①避難命令が出た時は、36時間以内に避難しないと罰金が科せられる。
②日本のように公的避難場所はないので「自助」で親戚又は友達のところに避難する
③水害棄権指定地区は水害保険加入は強制
④病院運営のうち介護・食事はすべて近隣のボランティア活動で運営されている「自助」
など、日本と大きな違いは「自助」&ボランティア活動が被害発生時は大きな役割を
担っている。
今回の基調講演の正式レポートは、事後に公表しますとのコメント。
午後の市民フォーラム 次の南海地震に備える のセミナーが午後の予定があったために
受けられなかったのが残念でした。
個人的には
①火の用心ブレーカ
②安心見える灯
③つながる警報器
④非常水タンク(エコキュート)
⑤転倒防止対策など
最近のっ新商品の知識を得てきました。