苦悩の日々を乗り越え、新皇后となる日を迎えられる雅子さま。宮内庁関係者は、新時代に臨まれるお気持ちは明るいと断言する。

「26年前、外務省職員から皇太子妃へ“転身”された雅子さまは、新たなステージで国際親善に取り組むことに大きな使命感を感じていらっしゃいました。最近の雅子さまからは、ご成婚当時と同じくらいポジティブなお気持ちが感じられます。もともと雅子さまは、一度目標を定めると、実現のために努力を惜しまない方。すでに新時代の皇室に向けて思い描いている目標もいくつかお持ちのようです。それを一言で言い表すなら“愛される皇后”を目指すことだと言えるでしょう」

この15年あまりはご療養のために公務を休まざるをえず、雅子さま本来の人間性が発揮される場面はあまりなかった。しかし、皇室担当記者はこう説明する。

「実は雅子さまはお話し好きでユーモアもお持ちなのです。海外生活が長く語学も堪能でいらっしゃいますから、ご成婚直後に臨まれた宮中晩餐会では、フランス語、英語、ドイツ語を駆使して招待客に話しかけられて海外マスコミの注目も集めました」

皇太子さまも一昨年、マレーシアの首相とセルフィー(自撮り)を撮影されるなど、フランクな一面をお見せになっている。

「かねてから皇太子さまは会見で、理想の皇室像を“国民の中に入っていく皇室”と表現されていました。天皇皇后両陛下が平成を通じて示された“国民と共にある皇室”よりもさらに一歩国民に近づき、多くの声を聞きたいという思いが感じられます。国民に親しまれ、愛される天皇皇后像へ――。その目標はご夫妻で話し合われたものでしょう」(皇室担当記者)

雅子さまの目標とする“愛される皇后”への思いの根底には、ご自身が苦しまれた経験があると、精神科医で立教大学教授の香山リカさんは語る。

「ご出産と子育てで悩まれ、適応障害で長期療養されてきた経験があるからこそ、災害の被災者や障害のある方など様々な立場の人々の苦難にも深く共感できるはずです。そういった方々にお会いになることで、社会問題に光を当て国民の関心を生むことも、皇后として大切なお務めだと思います」