戦後初の三冠王 “ID野球”野村克也元監督が死去(20/02/11)
紀平梨花Vで4大陸選手権連覇、樋口4位、坂本5位
2月8日(土)16時49分
優勝した紀平梨花(ロイター)
<フィギュアスケート:4大陸選手権>◇8日◇韓国・ソウル◇女子フリー
ショートプログラム(SP)首位の紀平梨花(17=関大KFSC)がフリートップの151・16点を記録し、合計232・34点で2連覇を果たした。樋口新葉(19=明大)が合計207・46点の4位、坂本花織(19=シスメックス)が202・79点の5位となった。
最終滑走。紀平が女王の貫禄を示した。直前に同じ浜田美栄コーチから指導を受ける劉永(ユ・ヨン、15=韓国)が会心の演技。紀平もトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が1回転半になるミスがあったが、2本目はきっちりと決めて2回転トーループをつけた。重圧がかかる中で安定感を示し、合計223・23点でトップだった劉永を上回った。
1月に約3週間行った米コロラド合宿。4回転ジャンプの練習などと並行し、磨いたのがフリー「インターナショナル・エンゼル・オブ・ピース」の振り付け。振付師のトム・ディクソン氏と手の動きから表情に至るまで高みを目指した。
「少しの差だけれど、ちょっと雑になっている滑りとかがあった。『もう少し流れに沿った、曲にあった感じを意識してほしい』と言われました。『こんなにも違うように見えるんだな』と思いました」
失敗が少なくなった高難度のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は、跳ぶまでの滑りを曲にとけ込ませる段階になった。
「振り付けから『パッとジャンプのルートに入ったな』っていうのが分かるような感じだった。『そこはなくしてほしい』と言われました」
22年北京五輪金メダルを目標とし、4回転サルコーも特訓中。それでもジャンプの進化だけでなく、プログラムの完成度にもこだわってきた。
今後はチャレンジ・カップ(20日開幕、オランダ・ハーグ)を経て、3月の世界選手権(カナダ・モントリオール)に向かう。昨季の同選手権は4位。強力ロシア勢も出場する大舞台で、1年間の集大成を披露する。
▽紀平梨花のコメント「今日はちょっと前のヨンちゃんの点数(223.23点)にすごく驚いて、少し緊張しました。1つ目のアクセルにミスがあったんですけど、その他のジャンプでリカバリーできたのがすごくよかった。次につながるいい経験になった」
4CC 紀平梨花 Rika KIHIRA SP 2020.2.6 四大陸フィギュアスケート選手権 ISU Four Continents Figure Skating Championships
アーチェリー、32年ぶり女子高生五輪代表狙う園田稚(わか)「雅とよく間違えられて悲しい」切符獲得で知名度アップだ
東京五輪アーチェリー日本代表候補の合宿が3日、都内で公開され、昨年11月の1次選考を通過した男女各8選手が参加。昨秋に史上最年少(当時16歳)で日本代表に選出された園田稚(わか・17)=足立新田高=は、88年ソウル五輪の中込恵子(当時甲府一高3年)以来の女子高生代表を目指す。
アーチェリー界期待の新星は、「勢いでテンポよく打てる」と自他共に認める早打ちが持ち味。だが、この日は「曖昧なところを狙っているし、無意識に早くなっている」と、1セット6射4分の打ち込みでは、男女全16選手の中で誰よりも時間を使って矢を放った。
園田は大分県別府市出身で、現在は東京・足立新田高に通う現役女子高生。中学生の時に母のすすめでアーチェリーを始め、中3でJOCエリートアカデミーに入校し、板橋区にある味の素ナショナルトレーニングセンターを拠点に生活している。自身の名前「稚(わか)」については、「13画がよかったらしい」と画数が由来。「幼稚園の『稚』なんですけど、『雅』とよく間違えられるのが悲しいです」と笑顔で語った。
今後は3月の2次選考会で男女各5選手に絞られ、4月の最終選考会で五輪代表各3選手が決定する。自国開催の東京五輪については、「知り合いや家族の1番近くである試合だと思う。全員が出られるわけじゃない五輪に出て、結果を残すことができたら幸せ。絶対出たいと思う」。熱き思いを語った17歳が大舞台への切符をつかみ、「稚」の名前を世界にとどろかす。
奈良)徳勝龍V 県出身98年ぶり 奈良市役所でPV
大相撲初場所で26日、奈良県出身力士としては1922(大正11)年以来98年ぶりの優勝を果たした徳勝龍。パブリックビューイング(PV)があった奈良市役所は熱気に包まれた。
午後3時半の開場前から大勢の人が列をなし、会場は立ち見が出るほど。先頭に並んでいた会社員の増井孝充(たかみち)さん(52)=東京都台東区=は奈良市出身。このために在来線を乗り継いでやってきた。「98年ぶりの奈良出身力士が優勝する瞬間を、相撲発祥の地(と伝わる)奈良で応援したい」
午後5時半ごろ、徳勝龍が土俵に上がると市民らは固唾(かたず)をのんで2台の大型テレビを見つめた。優勝が決まった瞬間、「わー」「やばい!」と沸き立ち、飛び上がって喜んだ。
最前列で見守った姉の井上千夏さん(35)=奈良市=は徳勝龍について「幼いときから正義感のある優しい子」と語った。幼稚園では足に障害のある女児の手を取り、いつも助けていたという。父の青木順次さん(73)=同市=は会場に詰めかけた子どもたちの姿を見て、「この機会に相撲を始めてくれるとありがたいです」と話した。
静岡県出身の大学2年、今野仁裕(まさひろ)さん(19)=同市=は「最高の取組を見せてくれました。大学生になって奈良に来たタイミングで優勝してくれてすごくうれしいです」。奈良市の相撲教室に通う小学3年の大西晴万(はるま)さん=生駒市=は「最後の寄り切りが豪快で、ものすごい試合でした。徳勝龍関のようなあきらめない、強い力士になりたいです」と話した。
会場に駆けつけた仲川げん・奈良市長は「皆さんの熱心な声援が届いた。令和の新しい時代に、素晴らしい郷土力士が誕生したと感慨深い思いだ」。荒井正吾知事は「県民の誇り。日頃の厳しい稽古と精進を重ねられた結果だと思う」とのコメントを発表した。
一方、徳勝龍の母、青木えみ子さん(57)と、おいの陽人(はると)さん(12)とめいの茜さん(10)は国技館で観戦した。奈良を出て、東京駅に着いたのは26日の昼前。徳勝龍の妻、千恵さん(33)とも合流し、優勝を祝った。(根本晃、平田瑛美、鈴木健輔)