三菱重とIHI、自動車ターボ増産 燃費効果に脚光。
2015年2月10日10時16分
自動車の「ターボ」部品の生産を、三菱重工業とIHIが増やしている。かつてはもっぱらスポーツ車の出力を高めるために使われていたが、最近は燃費をよくする部品として見直された。ハイブリッド車(HV)などに力を入れてきた日本メーカーにも採用の動きが出ている。
三菱重工は昨年末、タイ工場など海外でのターボ部品の生産能力引き上げに、約50億円投資することを決めた。2013年からの投資額は計160億円になる。これらの投資で、13年に580万台だった生産能力は、16年には1千万台に増える。欧州の自動車メーカー向けが多い。ターボ事業の責任者の梶野武さんは「世界でトップクラスのシェアにしたい」と意気込む。
IHIもターボの生産を、14年度の600万台から16年度には720万台、20年度に1千万台に増やす方針だ。16年度までに250億円超を投じて、欧州などで生産設備を増やし、研究開発拠点の横浜事業所の実験設備を増強する。
ターボは、排ガスのエネルギーを捨てずに使う技術だ。かつてはエンジンの出力を高め、加速性能などをよくするために使われた。
だが05年、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)が燃費をよくするためにガソリンエンジンに本格的に採用し、搭載車が増え始めた。HVと比べコストをかけずに燃費が改善できるため、中国や東南アジアなど新興国向けの車にも載せやすい。
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