医師も実践! 体調不良にならない体を作る食事術
第3回 どんな食材を、どんなふうに食べるべきか
2019/12/27 青木由美子=ライター/編集者
誰しも健康や体調に気を使っているが、体調を崩したりして、仕事でパフォーマンスを発揮できなくなることがある。体調不良にならないために重要だが、忙しいとついおろそかにしてしまうのが「食事」だ。東京・池袋駅のほど近くにクリニックを構え、毎日膨大な数の患者を診察し、「絶対に休めない医師」である池袋大谷クリニック院長の大谷義夫さんに、体調不良に陥らない体を作るための食事について教えてもらおう。
今回の特集では、東京・池袋駅のほど近くにクリニックを構える、呼吸器内科が専門の大谷義夫さんが、実際にやっている風邪対策や生活習慣について紹介してきた。
大谷さんが日頃から行っている「科学的根拠(エビデンス)」に基づいた体調管理は、新しく出版された著書、『絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理』(日経BP)にまとめられている。この本のなかで1章を割いて書かれているのは、意外にも「食事」の話だ。
仕事が忙しくなって疲労がたまり、体調を崩した経験は多くの人にあるだろう。忙しいと睡眠不足になりがちで、その結果、免疫力が低下し、風邪をひきやすくなる。だが、大谷さんによると、睡眠と同様に気をつけたいのが食事なのだ。
「時間がないと、つい、コンビニで買ったおにぎりやパンで済ませてしまったり、朝は食べないという方も多いでしょう。それでは、カロリーは足りていても、体に必要な栄養素が不足してしまい、免疫力が十分ではなくなるかもしれません」(大谷さん)
その一方で、仕事が一段落して時間ができると、今度は焼肉に行って暴飲暴食をしてしまう… こんな生活を送っていると、やはりバランスの良い食事からはほど遠くなる。大谷さんから、忙しくても体調を崩さなくて済む食事術について教えてもらおう。
リンゴは皮つきでポリフェノールもとる
前回、大谷さんは、どんなに時間がなくても朝は必ず朝食をとると述べた。朝食を抜くと死亡リスクが1.3倍に上がるという研究報告もある(*1)。大谷さんの朝の定番メニューは、手早く食べられる、ヨーグルトに皮つきのカットリンゴやバナナ、えごま油、ハチミツを入れて混ぜたものだ(上図)。
「ヨーロッパでは、リンゴを頻繁に食べる人ほど、『肺年齢』が若く、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のリスクが低いという大規模な調査結果があります(*2)。また、リンゴに含まれる何がいいのかというと、皮に多く含まれるポリフェノールではないかと考えられています(*3)。そのため私は毎朝、皮つきのままリンゴを食べています」(大谷さん)
肺年齢は、深く息を吸って一気に吐き出したときに、最初の1秒間で吐き出した空気の量(1秒量)から導き出される。呼吸機能が若いと、さまざまな呼吸器の病気に対してそれだけ強いということになる。
「あるテレビ番組の企画で青森のリンゴ農家を訪れました。1日1個はリンゴを食べているというリンゴ農家の方々の肺年齢を測定したところ、ある67歳の方の肺年齢は“46歳”、44歳の方の肺年齢は“18歳未満”という結果になり、平均すると肺年齢が『実際の年齢のマイナス15歳』だったのです。これには驚きました」(大谷さん)
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