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幻の阪神高速泉北線→天王寺大和川線の状況(序)

大阪市は2022年10月3日、都市計画道路天王寺大和川線事業用地の有効活用に向けたマーケットサウンディング(市場調査)を実施すると発表しました。

https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000580283.html

都市計画道路天王寺大和川線の事業用地の大半が整備に着手できておらず、フェンスに囲われ未活用のままとなっています。やがては整備に着手する予定ではあるものの、完成までには相当の期間を要するため、着工までの間民間事業者にうまく活用してもらい、地域の活性化につなげようという趣旨です。

「乗りものニュース」のサイトにこれを受けた記事が掲載されています。

https://trafficnews.jp/post/122235

「都市計画道路天王寺大和川線」は、幻の阪神高速泉北線の用地を活用して、JR阪和線に沿った緑道を主とする道路として整備する計画です。

高度成長期の都市計画において国鉄阪和線の高架化と阪神高速泉北線(最終的には天王寺と泉北ニュータウンの間を結ぶ構想)の整備を一体で行おうとし、そのための用地買収をほぼ完遂させ、いよいよ着工というところで阪神・淡路大震災が発生して頓挫し、2004年3月には阪神高速泉北線に関する都市計画自体が廃止されています。我が家にある1998年発行の都市地図には予定線として書かれていたのですが・・・ 

一方、天王寺駅の隣の美章園駅の先からずっと大和川まで地平を走っていた阪和線は、買収用地を活用する形で杉本町駅の手前まで単独で高架化され、2006年5月21日に完成して沿線の踏切渋滞は解消されました。

https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000162748.html

さて、乗りものニュースの記事には「"基本計画検討案"および基本設計の取りまとめから先へ進めていない状況です。」(カギカッコ内引用)とありますが、その基本計画検討案はもちろん大阪市公式サイトで公開されています。

https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000010519.html

ただ、2022年10月時点で整備済みなのは鶴ケ丘駅~長居駅間の一部(セレッソ大阪の本拠地のヨドコウ桜スタジアムと現高架の阪和線に挟まれた区間)のみで、長居駅付近がようやく整備着手中の段階、残りは「絵に描いた餅」状態です。自動車の走行をメインとするいわゆる幹線道路ではないので、費用対効果面から後回しになるのはやむを得ないわけですが。

さて、先日実際に天王寺大和川線の予定地を天王寺から杉本町の手前まで歩いてきましたので、上記絵に描いた餅と実態を比較してみることとします。連載になるので、独立したカテゴリーとします。

(つづく)

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