その8の続きです。
8.長居駅の南方
長居公園通の南側は、うって変わって広大な未利用の都市計画用地が広がっています。アスファルト舗装は、雑草の繁茂防止のためなんでしょう。
このあたりは、阪和線の高架の西側にも未利用の都市計画用地が広がり、その幅は基本計画検討案にあるように「西側14m・東側27m」にも達します。
これは、その6で書いたように、長居公園通の南側に阪神高速泉北線の長居出入口(南行入口と北行出口)の建設予定があったからです。折角なので、我が家にある1998年発行の都市地図の該当箇所を紹介します。
ちなみに、地平時代の阪和線長居駅には追い越し設備があり、ホーム2本・線路4本と他の駅の倍のスペースが確保されていました。駅自体は現在と同じ場所でしたが、これだけのスペースをあっさり確保できたのと関係があるかも。
ただ、よく考えると、ここから阪神高速泉北線に入ったところで、1kmも走らないうちに終点となり、しかもその終点は他の幹線道路とつながっていません(接続する府道は2車線のどちらかと言えば生活道路)。もちろん最終的に大和川を越えて堺市方面に延長する構想があったからこその設置ですが、こちらは都市計画決定に至らずじまいで、もし以遠の建設のメドが立たないまま計画どおり山之内出口まで完成していれば、壮大なる無駄と揶揄されたに違いありません・・・
広大な未利用の都市計画用地は、次の我孫子町駅まで延々と続きます。一部は公園の花壇などに植える花を育てる場所として有効に活用されています。
基本計画検討案では、この付近の車道は東西に各1車線確保されるのみで、都市計画道路の対象部分の幅の過半は緑地帯として整備されるように記述されています。駅近のまとまった土地なだけに、マンションデベロッパーから「わが社のマンションの用地として活用するため、都市計画を廃止していただいた上で高値で買収したい」なんて要望が出そうな立地ですが、今回のマーケットサウンディングはあくまで「都市計画道路の着工までの暫定利用案の提案募集」であり、その望みは叶いません。
(つづく)