その1はこちら
3.重安駅~美祢駅~南大嶺駅間
重安駅と美祢駅のほぼ中間の国道316号沿いには山口県立美祢青嶺高校があります。付近のGoogleMapはこちら
厚狭方面からの通学生は美祢駅まで美祢線を利用し、そこから20分ほど歩いて学校に通っていましたが、代行バスの所要時間が列車より長くなったため、始業時間に間に合わないという問題が発生しました。そのため、2023/10/30から通学生が利用する厚狭駅発7:40の代行バスに限り平日限定で美祢青嶺高校の校舎前まで乗り入れています。これに伴い、該当便の美祢→重安間の所要時間は他便より3分長い10分となっています。
美祢駅までの乗車券類でそのまま降車可能ですが、美祢駅~美祢青嶺高校前間のみの乗車はできません。また、下校時間帯など他の便は停車しません。
私が乗車した便はもちろん美祢青嶺高校前には停車しません。長門市方面からの通学生の場合は「目の前に高校があるのに無情にも通過し、美祢駅から20分かけて戻らねばならない」わけですね。
そして、沿線最大の駅である美祢駅に到着。駅前には30名近くの高校生が代行バスを待っていました。
私はこれを見越して、当初計画時点から「混雑を少しでも助長しないために次の南大嶺駅で下車し、30分ほど後の次便で厚狭駅に向かう」こととしており、予定通り実行しました。
美祢駅以南の国道316号は美祢線とは全く別ルートになっているため、代行バスは厚保(あつ)まで美祢線に並行する県道33号下関美祢線を経由します。
南大嶺駅の代行バス停は、その県道から外れた場所にある駅舎の前です。駅前広場はありますが、当日は大型トラックが休憩していたために方向転換に難渋していました。高校生が1名乗車しました。
駅舎内の古びた列車接近表示。1950~70年代にはこの駅を石灰石などを満載した貨物列車が頻繁に走っており、隣の美祢駅の貨物取扱量が全国トップだった時代もありますが、荷主の宇部興産(現UBE)が自前の専用道路を完成させたため急激に減少して、1998年にはゼロになりました。
列車が来なくなって1年近く経過し、上りホームにつながる跨線橋の最下端は雑草で覆われ歩けなくなりつつあります。線路部分もかなり草生しています。
駅前にあるマンホールはアンモナイトの化石をデザインしています。美祢市のコミュニティバスの愛称も「あんもないと号」です。
そうこうするうちに、次の代行バスがやってきました。こちらは大型観光バスで、乗客は10人強。大学や専門学校に通う学生がメインのようでした。
4.南大嶺駅~厚狭駅間
南大嶺~四郎ヶ原間は大雨被害の最も大きかった区間(崩落した橋梁あり)で、代行バスの車窓からも下の盛土が流されてハシゴ状態になった線路を見ることができました。復旧工事には全く着手していません。
四郎ヶ原駅の代行バス停は県道から外れて厚狭川を渡った先の駅舎前にありますが、乗降はゼロでした。
厚保駅の代行バス停も県道から外れて厚狭川を渡った先の駅舎前にあります。こちらでは1人下車しました。駅舎前にいた高校生は、美祢方面の代行バス(美祢青嶺高校前に停車する便)を待っていました。
駅舎には「美祢線全線開通100周年」の横断幕が掲げられています。全線開通日は1924/3/23であり、99周年当日の2023/3/23にはそれを記念したラッピング車両のお披露目がありましたが、
https://www.jrminesen.com/group/entry3559.html (美祢線利用促進協議会のサイト「乗ろうよ!美祢線」上の記事)
https://www.city.nagato.yamaguchi.jp/wadairoot/wadai/20230323minesen100.html (長門市公式サイト)
その3か月あまり後に災害により全線運休を余儀なくされ、2024/3/23の100周年記念日を中心に予定されていた美祢市など沿線自治体による100周年記念事業<本来であれば上記「乗ろうよ!美祢線」のサイトで大々的に告知されたはず>はすべて中止となり、ラッピング車両もずっと車庫の奥で眠っています。
https://www.youtube.com/watch?v=GGkRHy3udV8 (地元テレビ局の報道動画)
厚保~厚狭間の代行バスルートはその1で書いた通り美祢線とは全く別ルートで、見るべきものはありません。バスはほぼ定刻に厚狭駅北口(在来線側)に到着しました。
(つづく)